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【読書日記】 「コロナ禍で障害のある子をもつ親たちが体験していること」を読む

コロナ感染拡大により突然学校が休校になった時から、私の仕事観は変わりました。
依然として続いているコロナ禍で、いろいろなことを体験したり疑問をいだいたりしつつ、私の仕事観は変化し続け、新しいものに置き換わろうとしています。

「コロナ禍で障害のある子に関わる教師・私が体験していること」はたくさんあります。そして、障害のある子をもつ保護者たちは、これまでにない様々な体験をされています。そんなお声を聞きたく、この本を手に取りました。


初版:2022年6月30日
発行所:株式会社 生活書院
著者:児玉真美(編著)
内容:炙りだされているのは、それ以前から私たちの社会にあった矛盾や分断。
コロナ禍で障害のある子をもつ親たちは何を体験し、何を思い、何を感じてきたのか……。「こんな時だから仕方がない」と置き去りにされないために――。
ささやかな抗いとして、7人の親たちが語る。(Amazonより)


「コロナだから仕方がない」は本当か


コロナ禍で、施設入所している障害のある娘さんと会うことが長い間できず、不安や苛立ちを感じておられた児玉さん。あることをきっかけに、「息抜きをする権利」について、障害のある人にとって、専門職の人にとって、を考えることになりました。その時の児玉さんの心の動きが次のように記されていました。

「こんな時だから仕方がない」と思考停止していた頭の歯車が、少しずつ回転し始めるのを感じました。そして、頭の中が少しずつ疑問だらけになっていきました。

164ページ

同じようなことを私も感じていました。
私は、障害のある子どもさんと関わる仕事をしており、児玉さんとは異なる立場ではあります。

しかし、今まで当たり前と思っていたことができなくなった時、「コロナだから仕方がない」「こんな時だから仕方がない」という理由で、あきらめることにみんなが納得していたのではないでしょうか。

コロナ禍という今まで経験したことのない事態だからこそ、今までしていたことを継続したい、または、新たなことを始めたいということもあったはずです。


「コロナだから仕方がない?」



「コロナだから」というたった一つの理由が、「やらないための理由」としてまかり通ったことに児玉さんは疑問を持たれたのでしょう。
私も同感です。
これをきっかけに、障害のある子どもさんにとって本当に必要なことはなんだろう、逆に今まで当たり前にやってきたことの中には不必要なこともあるのではないか、と考えました。
そして、私の学校観といいますか、特別支援教育観といいますか、仕事観というものに変化がおきたのです。



地域の在宅生活や小児病棟の付き添いでは、親は心身の限度を超えて頑張ることを強いられています。その一方で、病院と入所施設では親は締め出されてきました。この真逆の扱いは、いったい何を意味しているのでしょうか。

201ページ

この一節からは、コロナ禍以前から、障害のある子どもさんの保護者には、大きな不安、モヤモヤ感、身動きのとりにくさがある方が多いことがわかります。
一生懸命頑張ることを強いられてきたのに、コロナ禍になったとたん、入所している娘さんに会うことができなくなったというエピソードです。
「これって、コロナ禍だから仕方がない」のでしょうか。本当に仕方がないのですか?

この本を読み終えて、これから・・・


・だれもが、一人の人間として普通のことをする
・人間対人間のあたたかい関係を大切にする
・障害のある子どもさんにとってのQOL、保護者にとってのQOLについて考える

このようなことを改めて考えながら仕事をしていきたいです。


考える機会を与えてくれた本に感謝します



また、わたし版「コロナ禍で障害のある子に関わる教師・私が体験していること」を書き留めておこうと思いました。



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