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エッセー

あまりに思い入れが強いため、それに関わりたくないということが往々にしてある。 ぼくは中学生のときに「花咲くいろは」というアニメにハマった。大好きだった。見ているときはボロボロ泣いていたし、見終わったあとは放心していた。それくらい印象に残った作品だった。 あまりに鮮烈で、ガツンとやられたと思った。それから見返したことはたぶんほとんどないと思う。 見れないのだ。どうしてなのだろう? ぼくの思うに、思い出をそのまま残しておきたいからだろう。初めて受けた鮮烈な印象を、何度

    • 他人に優しくすると自己嫌悪に陥る話

      自分は他の人に対して優しいと思います。電車の中では老人や妊婦さんに席を譲るし、コンビニの店員にはニコニコして「ありがとう」と言います。バイトの時にも、後輩が困っていたら助けます。他者の視点に敏感なのだなと客観視してみます。 しかし、それにも関わらず、他人に優しくすると、誇らしさと同時に自己嫌悪をしてしまうんです。というのも、他の人の為にする行為(利他行為)には、自分の為(利己行為)が含まれているからです。 一見して老人や妊婦さんに席を譲るのは善いことだと思われていますが、

      • 宗教と日焼け止めと環境ともっと深い何か

        「完全教祖マニュアル」を読んでいて思ったことをつらつらと。 宗教に依存させるには不安が必要と言われています。ただ不安を与えるだけでなくそれを解決して「救う」ことが宗教の構造と言えます。 例を挙げましょう。キリスト教には「原罪」という概念があります。アダムとエバが知恵の実を食べ、エデンの園を追放されるというのが旧約聖書のストーリーです。そしてキリスト教には、我々はアダムとエバの子孫であり、その罪を背負い続けているという考えがあります。 その罪をイエスが磔にされ死んだことで

        • 教師はズルい、という話

          私は教育単科大学の学生ですが、最近教師ってズルいよなーと思うようになりました。 きっかけは教育実習(みたいなもの)の時、先生が学年全体に向けて生徒指導をしていた時のことです。自分も学生時代散々聞いた(今も学生なのですが)「毎日コツコツ真面目に勉強に取り組め」とか「遅刻をするのは社会に出たら通用しないぞ」といったことを先生は仰っていました。 私は教師側に立ってみて、これらの言説に違和感を覚えるようになったのです。 「真面目に勉強しなさい」ということについて これに関して思うの

        エッセー

          プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

          プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神はドイツの社会学者マックス・ヴェーバーによって書かれた論文です。 この論文はタイトルそのままプロテスタンティズムの倫理が資本主義を発達させた、ということを説明しています。 キリスト教には大きく分けて「カトリック」と「プロテスタント」「東方正教会」という宗派が存在しますが、ヴェーバーが取り上げるのはプロテスタント、中でもカルヴァン派という宗派です。 カルヴァン派がそれまでのキリスト教と違う点は、①予定説 ②労働に対する意識 と言える

          プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神