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『九龍ジェネリックロマンス』82話感想

楊明の決断


【あらすじ】

過去の自分に未だ未練のある小黒は
一人悩む楊明を見かけて
彼女に話しかける。

『絶対の自分になる』という目標を持ち
自分なりの道を歩む鯨井の姿に
楊明は憧れを持っていたが

今の自分は鯨井に便乗して
自分の人生を生きているつもりに
なっていただけではないかと気づく。

楊明はその夜、鯨井の元を訪れて
「自分の人生を生きたい」という決意から
九龍を去ることを告げるのだった。

【感想】

①私は『誰』の人生を歩んでいるの?

80話でグエンの忠告を受けた楊明さん。

「今の生き方は本当に『絶対の自分』に
なるためのものなの?」

自分の人生の意味って…?

グエンの問いを受けた楊明さんは

鯨井のことばかり気にかけていて
自分ときちんと向き合っていなかった

気がつきました。

確かに、ずっと読んでいて

楊明さんは鯨井の心配ばかりしていて
自分のことは良いのかな?

と気になっていました。

グエンも恐らく楊明さんに対して
自分のことは良いのか心配していたでしょう。

②楊明さんにとっての『鯨井A』とは

楊明さんの話を聞いたオリジナル小黒は
楊明さんにとって鯨井Aはどんな人なのか
尋ねます。

初めは危なっかしいところがあったけど
今の鯨井Aは悩みながらも自分のために
ちゃんと前に進んでいる。

自分のために、前に歩む鯨井A。

元々楊明さんは、鯨井Aに
『鯨井は鯨井の人生を歩んでほしい』
願っていました。

自分の道を歩む鯨井Aの姿に楊明さんは

今の自分は鯨井Aの人生に便乗して
自分の人生を生きているつもりに
なっていただけだったのではと気づき

『絶対の自分』になるために
「ちゃんと自分で輝きたい」と決意します。

③オリジナル小黒の励まし

楊明さんの話を聞いたオリジナル小黒。
彼女の決意は、彼にも影響を及ぼした様子。

オリジナル小黒は
楊明さんが自分のために作ってくれたレースを
見せて、以下のセリフを告げます。

オリジナル小黒の気づいたこと。

人生は失うこともあるけど
形を変えて大事にすることもできる。

オリジナル小黒の言葉は
ステキだなぁと思いました。

④楊明さんが見つけた『絶対の自分』

その後楊明さんは、旅支度をして
鯨井Aの元を訪れます。

楊明さんは鯨井Aに
全身整形した理由を明かします。

全身整形をした理由は

母親から人形扱いを受けて
自分を見失ってしまいそうになり
そして、自分が嫌になってしまったから。

しかし全身整形をしても、楊明さんの中には
母親や過去の自分へのネガティブな気持ちが
宿ったままでした。

楊明さんが見つけた『絶対の自分』。

このままネガティブな感情を抱えたままでは
前に進むことができない。

母親の問題や過去の自分と向き合い
『絶対の自分』になるため、九龍を去ることを
楊明さんは鯨井Aに告げます。

⑤未来へ歩み出す二人

楊明さんは「鯨井を一人にしてしまうのでは」
と不安に感じていましたが

ここから先は鯨井が一人で進む必要があるから
きっと大丈夫だと思います。

ここでオリジナル小黒は
『バタフライエフェクト』の話をします。

バタフライエフェクトは変化の意味。

今は何の影響が無くても
いずれ楊明さんや鯨井Aの
行く先を変えてくれる。

鯨井Aや楊明さんの起こした変化は
オリジナル小黒だけじゃなく

グエン、そして蛇沼や工藤さんにも
影響を及ぼしていくでしょう。

ちなみに蝶は『魂』を意味しているので
もしかしたら、その意味も込めてあるかなと
ちょっと思いました。

楊明さんが「九龍を出る」という
選択をして良かったと思います。

楊明さんならきっと外の世界でも
やっていけると信じています。

ただ不安なのはオリジナル小黒。

彼も最終的に過去の自分に別れを告げて
楊明さんと共に旅立ちましたが

蛇沼グループとユウロンさんの問題
まだ解決しているわけでは無いので
そこが心配です。

大旦那に仕えている理由も気になりますしね。

楊明さんについても
このままフェードアウトなのか

もしくは再び第二九龍の謎に
巻き込まれていくのか少し気になります。

【余談】九龍を去る者、残る者

2023年最後の『九龍ジェネリックロマンス』は
楊明さんの旅立ちで締めくくりました。

楊明さんは、自分自身の人生を生きるため
第二九龍を出ることを決意しました。

そして、小黒は未来を生きるため
過去に別れを告げて楊明さんと旅立ちます。

九龍に残ったのは
グエンと工藤、鯨井A。

グエンの場合は
自分自身、そして蛇沼と未来を歩むため
G九龍に残ることを選んでいます。

グエンが九龍に残るのは
前向きな理由だからですね。

一方の工藤は、何のためにG九龍にいるのか
その理由は未だに謎のままです。

鯨井やグエンの前では
明るく普通に振る舞っていても
過去に囚われたままなのは明白ですし。

楊明さんや小黒が
未来に向かって歩みだした一方で

工藤、そして蛇沼は
ますます過去に囚われてるような…

工藤も蛇沼も、九龍で
大事な人を喪った辛い過去を持っているので

その分後悔の気持ちや
九龍への思い入れも強いのでしょう。

工藤も蛇沼も、九龍と訣別して
未来を歩んでほしい
と願います。

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