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愛に犯されて

君の開催する個展にて初めて話す
画面の中でいつも見るのと同じく
君は僕に微笑んで笑い出す
僕の思いは案の定段々と増す
話始めると意外と盛り上がる
それから2人の距離が縮まる
そんな君がある日僕に問いかける
「今度一緒にどっか出かける?」
その言葉に胸は高鳴る
君が笑ってるのに僕は嬉しくて泣いている
ハンカチ差し出す君はしゃがんでいる
そのスカートの隙間から覗く意味無しのリボン
家に帰りそれが忘れられず
ティッシュの中で興奮を浸す
部屋中の君は抗うつの秘薬

約束の日に向かった遊園地
いつもの僕なら食う寝る日
君は観覧車ですぐ寝るし
僕はジェットコースターで震えるし
君は財布を忘れちゃったらしいけど大丈夫僕が全部払うし
そんなこんなで楽しかった1日
君は僕に近寄り耳元で話す
「また一緒にどっかに行こうね」
うん。と軽く答えるが正直胸は高鳴りまくった

家に帰り横になり日課である
君の非公式ファンサイトを見る
すると少し気になる話題が上がってる
僕は夢中になりそれを眺める
どうやら君がファンを相手に
援交じみた事をしてるなんて
馬鹿な奴らが騒いでる
でも少しだけ気になっちゃうな
君がよくデートで遊園地に行き財布を忘れてくるって言うもんだから…

ある日僕は後ろから君の事を
いつものように見守っていたら
知らない男に近寄り抱きつく
その展開は思ってたより傷付く
どうやら君の本命らしい
それを知った僕は当然悲しい
君が彼と別れたあと
家に帰る君より一足先に
合鍵で君の家に入る

帰ってきた君は鍵を閉め
居間で大胆に着替えをしてる
そんな君の体に愛の痕が
怒りと興奮で止まない震え
君の前に出てゆくと
悲鳴とテーブルの物が飛んでくる
「話を聞いて」と訴えるが
聞かず暴れてしまう君に僕は仕方なく
薬を浸した布で君の口元を抑え
軽く一眠りさせて君を縛る

目を覚まして涙をうかべながら
何故か謝り続ける目の前の君
君は泣いてるのに僕は笑ってる
悲しそうな君に興奮してる
口のガムテープを外すと叫ぶ君
僕は少しだけ右手で躾ける
それでもうるさいから呆れちゃって
光る銀色を僕は手に握る
君の恐怖を表す心音は
高鳴る僕の心音と共鳴する
振りかざした銀が赤く染まり出す
君の恐怖は遠のいていく
段々と溢れてくる君の赤は
時間が経つにつれ
綺麗なルビーへと変化する
まだ生温かい君を抱きながらスマホゲームする
無口な君はとても可愛らしい
僕は数分後には君を忘れてるが
君は僕を永遠に…。

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