見出し画像

#24 映画・映像業界における「ウィンドウ戦略」とは?

こんにちは、最近はもっぱら「音声ドラマ」を制作している勇斗です。1年半ほど前から、今の映画・映像の部署に異動になり日々色んなジャンルの映像作品の宣伝に携わらせていただく中で本日のテーマ「ウィンドウ戦略」の変化を感じる場面が多くなったのでこのタイミングで自分の思い、考えをここに記録しておこうと思いました。

まず、「ウィンドウ戦略」とは、1つのコンテンツを期間をずらして複数の媒体に効率的かつ効果的に露出させる戦略のことです。 「ウィンドウ戦略」では、コンテンツのライフサイクルを長期間に設定してさまざまな形態に変えて販売することで、収益の最大化を図ることを目的とします。

映像の「ウィンドウ戦略」でいえば、これまで、映画を劇場で公開して、約6か月(半年後)にDVD販売・レンタル開始(新作)、TVOD(レンタル型のVOD)、EST(買い切り型)での配信、そして、1年以上するとレンタル(旧作)やSVOD(見放題型のVOD)での配信、最後にテレビでの放映というフローが存在しておりました(今もだいたいこのパターンでの進行は多いはず)

委員会をはじめ映像の権利者は、コンテンツのライフサイクルで、どのタイミングでどう稼ぐか?という戦略を考えてきました。近年は、映画を劇場で公開してから数カ月で、TVODやESTに配信するようになってきています。なんと韓国では、劇場で公開して、2週間程度で、映画をTVODでみれるような動きもあるそうです。(※映画館と同等の金額ではある。)韓国では、インターネットの普及率が高く、また、違法なサイトが映画を流してしまうという特殊な事情も含まれているそうです。

ただ、コンテンツの「ウィンドウ戦略」を考えるうえで、劇場と同時に、配信をするというのも(通称、PVOD)、コンテンツのライフサイクルにおいて、収益が最大化されるのであれば十分考えられる効率的な戦略だなと思います。現に、アメリカでも契約成立する事例がありました。

日本でも劇場同時配信作品として『劇場』が話題になったのも記憶に新しいのではないでしょうか。

こうなると映画館の需要が配信に取られてしまうのではないかという見方もあるが、すべてがそうではないと思います。それは、映画館で大画面で迫力のある映像・音響で観ることによる「没入感」という需要も引き続き多くあると想定されるし、時間がないサラリーマンが自宅で好きな場所で好きな時間に見るケースや、子供が小さくて映画館に行けないといった層も新たに取り込めるようになると思います。

古い業界の体質上、一気に映像の「ウィンドウ戦略」が変化することは考えにくいが、数年で少しずつ変わっていくと思うので、今後も注視して見守っていきたいと思います。

以上、ご拝読ありがとうございました!

この記事が参加している募集

映画館の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?