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超田舎でチャレンジ!空き家利活用の可能性を実証実験。菊池市泗水町南田島での挑戦!

2022年5月14日土曜日、数日前から降り続く雨に開催できるかドキドキしていたマルシェ。お天気にも恵まれ無事に終えることができました。今回は、そのマルシェの様子と、開催までの流れを記していきます。

空き家問題はいろんなところで言われていて、特に田舎の空き家はその活用方法が見つからず、放置されたまま朽ちていくものがほとんどです。実はうちの事務所もそんな田舎に建つ農家の納屋でした。

2006年当時、築70年超えで使われなくなって25年で朽ちていってた

実家のお隣さんだったこの納屋の所有者。農業をやめて、この納屋を使うこともなくなり、どんどん痛みが激しくなっていってました。そしてついに、壊すという噂が僕の耳にも入り、であれば譲ってもらえないか、そして設計事務所としてリフォームしてみようとなりました。

ほぼ同じアングル。外観と内観の違いだけ、中央に見えてる梁も同じもの

設計事務所として使って今年で16年。だいぶこなれてきた感じがあります。これこそが歴史だと思っているので、これからも長く使っていきたいですね。

床組みと天井下地を組んだ状態

自宅は別にあるのですが、この部屋を宿泊できる部屋(みんなで呑んで帰れなくなる時あるので)にしようと改造中ですが、一気にやってしまわず、この下地の状態も、みんなにみてもらえると、建物の歴史に深みが増すなと考えました。

参加型のライブイベント

そこでこのモルタル壁に何か絵を描いてもらおう、それも参加型だとさらにいいよねということで、描いてくれる作家さんをInstagramにて募集。手を上げてくれたのが↓の方。

nanimonoとしてアート活動の傍ら、オリジナルシャツなどの制作販売や写真家としてもご活躍のKさん。即興でのペイントは迫力があり、終始圧倒されてました。観客たちも身動きできずに、ひょっとしたら息止めていたかもしれません笑。

ライブ中は皆無言、息止まってるんじゃないか?
完成した壁画アートを解説中のnanimono氏

この動画でもわかるように、普段できない体験をした人々は、喜びの笑顔と感動に満ち溢れています。その感動が、この4枚の壁にも乗り移り、今後この空間の歴史になっていくはずです。

そこで想像したのが100年後の世界。100年後といえば僕もいないし、ここに参加した人たちも基本的に存在しないはず。それでもこの絵は残っていて、ひょっとすると漆喰が上塗りされているかもしれない。

しかし、その漆喰壁が剥がれてきた時、この絵がチラッと姿を見せるはずです。それを見つけた未来人たちは、ここで繰り広げられたライブペイントを知ることになるのです。これって、すごいロマンですよね。築古の建物はどんなに傷んでいても、そんな歴史を内包しているものです。

歴史を意識し、いろんなものと付き合っていくと、もっとワクワクする世界が見えてくるんじゃないかと感じています。

一方屋外で同時開催したマルシェの方も盛況でした。

オープン早々に人々が集まり出し

ほんと、お天気になってよかった。新緑の木陰でのんびりしたいいマルシェになりました。

竹でご飯を炊くという「竹ハンゴウ」

竹林チクリンの問題を解決しつつ、竹遊び大好きななおちゃんによる「竹ハンゴウ」ワークショップ。竹の皮で包まれた焼きおにぎりは最高でした。

フェアトレードコーヒーで世界平和

カフェフィーカ(fika)さんは、スウェーデン文化である「甘いものとコーヒーを楽しむ」を屋号にされています。コーヒーと一緒に手作りチョコ最高でした。

食パンはもはやテロ級!

おなじみ「めりめろ」さん。いつも美味しいパンをありがとう!

赤いちくちくがたまらんです!

こちらもおなじみ「あさ洋裁店」さん。丁寧な針捌きが目に浮かぶ、ひと針ひと針きっとゆっくり縫われてるんだろうなと勝手に想像。

「歴史」つながりで勝手に仲間意識

初めて参加いただいた「シェアするオオシマ」さん。なんと大島紬の反物を使って、新たな大島紬の価値を発信されています。シェアするとは、できた洋服をすぐに売ってしまうのではなく、一つのものをみんなでシェアして、大島紬の気持ち良さの体験者を増やそうというもの、めちゃ面白い!

いろいろ話も尽きないよう
タープの赤が眩しい

こんな感じで、マルシェの方も佳境に差し掛かった時、ついに奴が現れました!

左手古市と右手に廃材仮面

そう、みなさんご存知の廃材仮面ハイザイカメンです。って知りませんか?一見、今回のイベントに関係なさそうですが、歴史というワードでつながっています。

廃材が廃材として存在するのは、その廃材が存在する理由があるからです。ではその理由とはなんでしょう。その理由の部分を少し工夫すれば廃材は生まれないのではないか。

また、生まれたとしても、アートの素材として利用すればそれは廃材でいる理由がなくなってしまう。つまり、歴史の中に廃材が蠢いている状態になるのです。

と、こんなことを考えて活動している組織、それが廃材画材ハイザイガザイです。この活動を通して、廃材という価値を別の価値にアップデートし、その過程を楽しみ出来上がったものを愛でながら一杯やる。そんなゆるゆる系でありながら、ソーシャルグッドな活動を目指しています。

今回の歴史をつなぐ「アートイベント」と「田舎でマルシェ」無事に終えることができました。

超がつく田舎ですが、こんなイベントやればちゃんと人は来てくれるし、空き家として朽ちていくだけの建物に、少しだけでも光を当てることが可能であることがわかりました。

今後も定期的に、こんなイベントを紡いでいけたらと思います。空き家とかゴミとか、ソーシャルとか、全部歴史の中の一部分と捉えれば、なんでもできそうな気がしています。また次の会場でお会いしましょう。

最後に、廃材とか歴史につながるnoteをまとめています。併せてお読みいただけると喜びます。


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