〔問題〕不動産の価格を決める要因を3つ答えよ。
日本では不動産の経済価値を貨幣額をもって表示する、いわゆる「価格」を、客観的に論証する行為を「不動産鑑定評価」と呼んでいます。これは昭和38年7月16日制定「不動産の鑑定評価に関する法律」にて定められたものです。
「不動産鑑定評価基準」(国土交通省)では、
不動産の価格を決める要因を、
・その不動産に対してわれわれが認める効用
・その不動産の相対的希少性
・その不動産に対する有効需要
の3つだと定義しています。
わかりやすく言い換えるなら、
・利用価値
・希少価値
・需要の多少
だと私は理解しています。
さらに、つけ加えておくと、
3つの要因に影響をうけると同時に、
不動産の価格自体が、選択指標として
・3つの要因に影響を与える「二面性を持つ」
とも記載されています。
これは、例えば
「価格があまりに高いと感じると、買い手が減る=需要が減る」
ことなどを意味しているのだと理解しています。
ここ数年、マンション市場では「駅近物件」が人気で、
取引価格も周辺相場より割高で流通しています。
これを教科書(「不動産鑑定評価基準」)の言葉であらわすなら、
駅に近ければ、交通アクセスが良いこと、生活利便施設が身近にあること等から「利用価値が高く」、駅周辺はそもそもの住宅が少ないことから「希少価値もあり」、単身世帯や子どもを預けて仕事をする共働き夫婦などの「需要を集めやすい」ことから、売り出し価格が周辺相場より高く設定されがちだ、となります。
不動産鑑定評価は、さらに緻密な分析を経て判定されるのですが、
主な分類として
A:一般的要因
・自然的要因
・社会的要因
・経済的要因
・行政的要因
B:地域要因
・宅地地域
C:個別的要因
・土地に関する個別的要因
・建物に関する個別的要因
・建物およびその敷地に関する個別的要因
マンションの場合は、さらに「各論」に分かれ、
・区分所有建物及びその敷地
で細かく項目が定められています。
ご興味のある方は、下のリンクから閲覧してください。
価格を構成する要素はすべて網羅されていますから、物件確認チェックシートにも応用できるかもしれません。
https://www.mlit.go.jp/common/001204083.pdf
出典元:不動産鑑定評価基準(国土交通省)