アカデミアを覗いてみて思ったこと

筆者は理系の4年生なので、研究室に所属している。しかし博士課程進学の可能性は0、修士課程進学の可能性も進路変更を検討し始めてから0に近くなっており、学部を卒業するかどうかというレベルになっているので、全くアカデミアの人間ではないのだが、アカデミアの世界を少しだけ覗いてみて思ったことを書いてみる。筆者はアカデミアに詳しくないので、間違った情報があるかもしれない。あくまで、アカデミアに興味のない人間が適当に書いているという前提で読んでもらえれば。

1.非常に不安定

これは既に知られている話ではあるが、アカデミアの人間というのは非常に不安定な立場の人間が多い。
理系の場合は博士号を持っていないと話にならないので、アカデミアに進みたい人はとりあえず博士課程に進学する。(ちなみに、文系の場合はそうでもない。1年生の時のスペイン語の教員は修士号しか持っておらず、博士号を取るために研究中だと言っていた)

学部の卒業論文、修士の修士論文は基本的には通る。よく卒論は参加賞、修論は努力賞というが、その通りだと思う。よほどサボっていなければ、論文が通らないことで留年することはないと思う。
一方、博士論文は研究成果を残し、きちんと業界で認められなければならない。博士課程は一応3年ということになっているが、3年で卒業出来れば割と良い方らしい。博士論文が通らずに留年を繰り返し、最終的には在学年限を迎えてしまい満期退学(博士号は取れずに博士課程を追い出されることである)する人も少なくない。

無事に博士号を取れた場合、基本的にはポスドクという任期付きの研究員になる。期間は大体3年とかである。実力があり、かつ運良くポストが空いていればポスドクを経由せずに助教になれることもある。

3年後の進路としては、ポスドクの間に成果を出し助教になる、別の研究室のポストを見つける、無職になる、のどれかである。助教になれればいいが(助教も基本的には任期があるのだが)、多くの人は無職になる恐怖を抱えながらポスドクを転々としていると思われる。40代50代とかでポスドクの人も普通にいる。

所属している研究室でも、無職経験ありの人が何人もいる。ポスドク自体給料は高くないので多分貯金とかもあまり出来ないのでは?と考えると、無職になった際どうやって生きているのだろうか。なんかバイトとかしながら拾ってくれる研究室を探すのだろうか。
無職が割と普通の世界のようなので、民間企業のように現状無職だから研究室が雇ってくれないということはないみたいだ。

2.結婚している人が多い

これは意外である。不安定で決して高給とは言えない職なので、てっきり皆独身なのかと思っていたが、結婚している人が多い。筆者が所属している研究室では、ポスドク以上の人は確か全員が既婚者である。全員の結婚相手を知っている訳ではないが、自分の知る限りでは研究者同士でくっつくことが多いようだ。あまり出会いとか無さそうなので、相手は必然的に同じ職ということになるのだろうか。

3.人間性に問題のある人は少ない

よく博士課程に行く奴とかアカデミアの奴は社会不適合だとか発達障害が多いとか言われるが、自分が見る限りでは、博士課程以上の人は普通の人の方が圧倒的に多い。問題のある人もいないことはないが、一般社会と比べてもそんなに変わらないと思う。

所属している研究室では人間性に問題のありそうな人は一人もおらず、皆良い人である。多分、というか確実に研究室の中では自分が一番問題ありそうである🥲

研究職と言えども他人と協力するのは必須だし、人間関係を避けることは不可能なので、人間性に問題があると厳しいと思う。
発達障害で、社会でやっていける気がしないから博士課程に進学すると言うのは非常に危険だと思う。医学部に行くとか、JTCに滑り込むとかの方がよほど安定していて金銭的にも恵まれると思う。

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