【事実発掘!FACT JAPAN 47 NO.45 】富山県
どうも。無類の魚好き、三寺です。ついに寒ブリの季節がやってきました!脂ののりまくった身をお刺身で、しゃぶしゃぶして…もうたまりません。
というわけで、今回は海の幸がたまらない富山県の意外な事実をお届けしたいと思います。
富山県は今年、ねとらぼ調査隊がおこなった「魚がおいしいと思う都道府県はどこ?」というアンケートで、北海道を抜いて堂々の1位を獲得しました。
それはさぞかし漁獲量が多いのだろうと調べてみると、日本全国の漁獲量ランキングでは23位。なんと下位30位以内で、実は漁獲量が低い都道府県だったのです。これにはちょっと驚きました。
漁獲量が多くないのに、どうしてこんなにも美味しい魚のイメージが根づいているのか?そこには「天然のいけす」と言われる富山湾の特異な地形とブランディングがありました。
① 深く入りくんだ湾
富山湾は、日本海側の中央に位置し、西側に広がる能登半島の付け根にあり、西側に広がる大きな半島によって形作られる半閉鎖海域。ブリに代表される回遊魚たちは湾の奥まで誘われ捕まります。日本海に分布する約800種のうち約500種の魚が生息し、一年を通して豊富な魚種に恵まれている水産資源の宝庫なのです。
② 水深1000mを超える深い湾
最も深いところは水深1,200m以上にもなる深湾。駿河湾・相模湾とならんで日本三大深湾のひとつに数えられています。海底には多くの谷が入り組んだ海底谷があり、魚介類の格好の住処になっています。沿岸から急激に深くなるため、漁場から港までの距離も近く、いけすから魚を掬うがごとく新鮮なまま運べちゃいます。
③ 湾を使ったブランディング
富山といえば、4大ブランド魚が有名ですね!
幻想的な青白い光に包まれる富山湾の神秘「春のホタルイカ」。淡いピンク色に透き通って宝石のように美しい富山湾の宝石「夏の白エビ」。鮮やかな紅色で秋の到来を告げる富山湾の朝陽「秋のベニズワイガニ」。そして、日本屈指のブランドである富山湾の王者「冬のブリ」。四季を通じて富山湾の名を配した徹底したブランディングがなされています。
④ 湾と立山連峰のつながり
そして富山湾の先に聳える3,000m級の立山連峰から流れる水が豊富な栄養分を運んでくるので、生き物たちがふくよかに育つのだそうです。これらが、富山の魚がおいしい秘密なのです。
ここでひとつ、発見がありました。
富山湾の水深約1200m、立山連峰の標高約3000m、合わせて約4200m。
日本一の標高を誇る富士山は約3800m、その先に続く日本一の深湾、駿河湾は水深約2500mと合わせて約6300m。
日本で2番目の神奈川県の深湾、相模湾は水深約1500m、その先に続く丹沢山は標高約1600m、合わせて約3100m。
そうです!海底から山頂までの高さにおいて、実は富山湾と立山連峰は、駿河湾と富士山のそれに追従する第二の大きな山だったのです!
一文字違いの「富山」と「富士山」。第二の富士山として、海だけでなく山もPRしていくことができると思います。
というのも、富山県の県章は、立山をモチーフにデザインされ、その中央にとやまのイニシャル「と」を配しています。大空に向かって躍進する富山県をイメージしているとのことですが、もっとスケール大きく、海から聳える富士山に迫る巨大な山のイメージとして今後アピールしていってはいかがでしょうか。
次回は、富山湾のような思慮深さを持つ、虎よりお送りします。
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