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【事実発掘!FACT JAPAN 47 NO.38】滋賀県

兵庫育ち名前は”善虎”、当然お贔屓の球団は阪神タイガースの佐伯です。

そんなタイガースファンの聖地と呼ばれる神社が、日本で唯一『虎』のつく町・滋賀県の虎姫町にあるその名も虎姫神社です。
そしてタイガースの本拠地・甲子園では毎年、高校野球でも熱い戦いが行われていますが、近畿勢で唯一まだ優勝がないのが皮肉にも滋賀県。しかし近年は近江高校が躍進。惜しくも決勝で敗れたものの昨年も春の選抜で頂点に肉薄しました。
その近江高校のナインは”近江ブルー”と呼ばれる美しい青いユニフォームを身にまとっていますが、そのブルーはもちろん滋賀が誇る日本一の湖・琵琶湖由来です。
 
滋賀県は大阪、京都、兵庫と比較して、近畿地方の中でも忘れられがち。関西人からも「地味」とすら言われることもありますが、この日本最大の湖を持つ滋賀県は、”のびしろ”にあふれる雄県なのです。

 海はなくてものびしろはある

滋賀県は海のない県、いわゆる海なし県。しかしそれを補って余りあるのが琵琶湖。その大きさは海のない土地においては淡水の海、『淡海(あわうみ)』と呼ばれ、『あはうみ』がさらに『あふみ』→『おうみ/近江』となりました。
そんな近江はその立地と水運が盛んだったことから交通の要衝として古くから栄え、実はお隣の京都府をも超える数の寺院が存在し、人口あたりの寺院数は日本一。国宝を含む指定重要文化財の指定件数も東京・京都・奈良の新旧の都たちに次ぎ堂々たる4位。
歴史好きの人ならご存知の通り、数々の武将たちがこの地を巡って争ったのも納得です。
 
しかしこの滋賀県、かつて栄えていただけかというと決してそんなことはなく、むしろこれからますます栄えるんじゃないかというポテンシャルっぷりなのです。

こんな時代に人を集め続けるポテンシャルタウン

少子高齢化、人口減少は現在の日本全体が抱える課題といっても過言ではありませんが、滋賀県は5年ごとに行われる国勢調査で、1965年の調査開始以来、最新の2020年まで人口が増え続けている近畿地方唯一の県です。
しかも注目すべきは、その将来性。県のホームページによると年少人口割合(15歳未満の総人口に占める割合)は沖縄県に次いで全国2位。平均年齢も全国で4番目に若い=生産年齢人口や予備軍の割合が高く、今後も安定した経済成長が見込めるということです。
すげぇ、すげぇぞ滋賀県。
 
なぜ、この県がそんな素敵な成長を続けられるのか。
かつての近江同様、現在の滋賀県も大阪・兵庫の関西圏はもちろん、新幹線で名古屋や首都圏へのアクセスも抜群の好立地。たしかにそれも大きな魅力のひとつでしょう。
しかしやはり琵琶湖を筆頭に大自然の魅力を持ち合わせたエリアとしての側面は見逃せないと考えます。

リゾートタウンとしての滋賀はよし

まず、県のど真ん中に琵琶湖があるため、その周辺は冬は暖かく、夏は涼しい過ごしやすいエリアです(琵琶湖の水が暖まりにくく、冷えにくいことによって気温の上がり下がりが押さえられているため)。
そしてこれは行ったことのある人にしかわかりませんが、琵琶湖での海水浴ならぬ湖水浴の素晴らしさ。海水ではないため、どれだけ泳いでもさらっさら。かといって良くも悪くも人口的なプールと異なって周りは大自然に囲まれ、波もあります。
キャンプ場が併設されていることも多く、夏のリゾートバケーションにとても適した素敵エリアです。
 
さらに、琵琶湖と並んで滋賀県が誇る伊吹山。母なる琵琶湖に対して男性的な山容を持つこの山は、ヤマトタケル伝説にも登場する歴史的な山ですが、実際にとんでもない冬の伝説を残しています。
冬、⽇本海を通り抜けた湿った空気が当たることによって伊吹⼭の周囲には集中的に雪が降り、日本屈指の豪雪地帯となります。日本の豪雪エリアといえば北海道や東北、日本海沿いを想像する方も多いと思いますが、この山がもたらした豪雪は日本を超えてワールドクラス。約100年近く前の1927年2月14日。伊吹山の山頂にて11メートル82センチの積雪を観測。日本はもちろん世界の観測史上、歴代1位の記録は現在も破られていないギネス記録です。まさに伝説の山・・!
そんなわけで県北部は国内有数の降雪エリア。同県長浜市は近畿以西で唯一、国が指定する「特別豪雪地帯」であり、近畿圏の若者がスキーで滋賀に出かけるのは鉄板コースです。

夏の琵琶湖に冬の伊吹山。もう住みたくなってきたんじゃありませんか?

スマートシティとしての滋賀もよし

自然の魅力に加えて、古くからこの地に根付く『三方よし』の考え方。
自慢の自然を守ることにもつながるその滋賀の人々の精神性にこそ一番のヒントがある気がします。
 
「売り手よし。買い手よし。世間よし。」
この『三方よし』は近江商人の経営哲学をあらわす言葉として有名です。
“売り手も買い手も満足し、社会貢献できるのが良い商売”と説いたものですが、この『世間よし』を含む『三方よし』は、持続可能な社会をつくっていくための重要な考え方として『サステナビリティ』が重要視される現代において見直されており、近江商人だった初代・伊藤忠兵衛が創業した大手総合商社の伊藤忠商事は、2020年より経営理念をこの「三方よし」に改めたほどです。

近江商人の「三方よし」や、ともに暮らす周りの人を大事にする「利他」のこころ。古来、近江の地に連綿と続いてきたこうした教えを、生活や生産活動、商売にしっかりと埋め込み、体現していくことが持続可能性や幸せにつながっていくのではないかと思っています。

こう話すのは現知事の三日月県知事ですが、実際に今も持続的な成長を遂げられる県として滋賀は努力を続けています。
 
たとえば、持続可能な都市経営を進めるために住民の居住地を集中させる『集住』
公共投資や行政サービスの集中配分を可能とすることから人口減少社会の中で生産性を向上させる不可欠な政策とされますが、10年前と比較した集住率の向上で滋賀は堂々たる1位(2020年/日本経済新聞社調べ)。全19市町のうち、11市長が「コンパクトシティー」を目指し、県が旗振り役となり集住を後押ししています。
 
次にコロナ禍以降、ムーブメントとなった『テレワーク』
同じ調査ではテレワークの環境が整っているかどうかを採点・分析したところ、滋賀県彦根市が1位に。彦根市は住宅面積と貸しオフィス数が満点、行政自らもテレワーク拠点の整備を支援する内閣府の交付金を得て、昨年は市庁舎内に貸しオフィスを設置したほどです。
さらに行政の効率化にAIを生かす自治体も増えていますが、都道府県別の導入率でも滋賀県は愛知県に次ぐ全国2位。「滋賀県ICT推進戦略」を掲げ、県全体でのAI共同導入を進めています。
 
常に県全体のことも考えながら努力によって維持&成長を続ける滋賀。人々が集まり続けるにはやはりそれなりの理由があるのです。

滋賀のこころを広めるがよし

滋賀の人々は、環境のことを考え、未来のことを考え、みんなのことを考えて商売や事業をしています。
 
前述の三日月知事はこのようなこともおっしゃっていますが、この心構えが滋賀に留まらず日本全体、世界全体に広まればどうでしょう。
 
優しさや謙虚さは滋賀の魅力です。一方で押しが弱く、自分たちを売り込むのは苦手と言われています。でもそれは"伸びしろ"があるということだと思っています。
 
これも同じく知事の言葉ですが、優しさや謙虚さは日本人の美徳でもあります。日本が地球単位でのサステナビリティーをリードする。決してそれも夢物語ではないと考えています。

というわけで、次回はFACT イチ、優しく謙虚な松原からのお届けです!

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