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【事実発掘!FACT JAPAN 47 NO.41】愛媛県

毎度!澤邊です。

私は以前、愛煙家であり、尊敬するコピーライターの先輩からこんな言葉を頂いたことがあります。

「いいか澤邊、良い企画やコピーってのはな、ほとんどがニコチンで出来ているんだ。」

その後、僕自身が「良いアイデアを生むやり方は、人それぞれなんだ」と気づくまでに、随分な量のタバコを吸った気がします。いまはもう全面的に禁煙して丸2年が経ちました。

さて、今日のテーマは「タバコ」について。
舞台は「愛媛県」です。

■愛媛といえば…みかん、みかん、みかん!

愛媛といえば、営業時代にはじめて1人だけで他県に出張に行ったのが愛媛県松山市だったので、個人的にとても印象深い県です。

行き道は不安な気持ちで飛行機の窓から島々を眺めていましたが、仕事後に疲れた身体を道後温泉で癒し、松山城を見て、瀬戸内海の魚や美味しい料理に舌鼓を打ち・・・愛媛サイコー出張サイコーと思うまで、割とすぐでした。
そしてなんといっても、「♪愛媛のみかんは世界一ィィィ」!!
(の印象が強いのは僕だけでしょうか?)
正確には、「温州みかん」の収穫量日本一は和歌山県(約20%)で、愛媛県(17.1%)は日本2位。(2021年 農林水産省調べ)

しかし、みかん以外も含めた「かんきつ類」全体としては37年連続で愛媛県は1位を保っていました。直近では、2位の年もあるのですが、柑橘大国といって過言はないと思います。

「かんきつ類」上位3県の収穫量(令和2年度 愛媛県HPより)

■実はタバコで話題の愛媛県!?

そんな、タバコの煙よりも柑橘の爽やかな香りがしそうな愛媛県。
意外にも、タバコにまつわる興味深い2つのFACTを見つけました。

FACT①:1日あたりの喫煙本数 全国1位は愛媛県

「日本一喫煙率の高い県」は北海道がダントツ1位なのですが、「1日あたりの喫煙本数」では愛媛県が2019年に1位となっています。

喫煙本数 全国最多は愛媛
喫煙ランキング(喫煙本数平均)

実は愛媛県は「喫煙本数」に加えて「飲酒頻度」においても全国4位と非常に高く、タバコとお酒を一緒に楽しむ方が多いのかなと思われます。ちなみに、喫煙者に付き物である、歯の着色についても調査したところ、「パートナーの歯の白さ」を気にしているランキングでは全国1位とのこと。
(「自分の歯の白さ」のランキングはありませんでした)

FACT②:タバコを吸わない人の割合 全国1位は愛媛県

一方で、同じ2019年の調査によると、タバコを吸わない人の割合が全国で最も高いのが愛媛県でした。

他のデータ拠出でも、愛媛県は下から3番目と非常に低い順位です。

この2つのFACTから言えることはつまり、こういうことになります。

「愛媛県では、タバコを吸う人は、めっちゃ吸う。でも逆にタバコを吸わない人も、めっちゃいる。そのギャップが、全国1位!」

■タバコが原因?健康寿命に悩む愛媛

また、ちょっと違う観点からのデータですが、愛媛県の健康寿命は、実は全国でもかなり低い方に位置しています。

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温暖な気候に恵まれのんびり暮らしているイメージのある愛媛県民ですが、令和元年の厚生労働省の調査では、県民の健康寿命は、男性が71・50歳で全国ワースト2位、女性は74・58歳で、ワースト4位!
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(愛媛県 公式ホームページより文章をそのまま引用)

また、令和2年の人口動態統計では、心疾患と脳血管疾患を合わせた死亡原因の割合は26%で、がんの25%を超えています。なかでも心疾患(心不全)の死亡率は全国2位と高く、全国より高い水準で推移しています。

もちろん、タバコだけが諸悪の根源ということではまったくありません。

「1日にタバコを吸う本数が多い人が全国最多だからといって、吸わない人の率も高いのだから、それは直接的に県全体の健康寿命が短いことにつながらないはず。何でもかんでもタバコのせいにするのは早計では?」という愛煙家の声が聞こえてきそうです。

ただ、愛媛県がタバコに対して強い課題意識を持ち、県としても県民の健康化活動に力を入れていることもまた事実です。

たとえば、愛媛県では「愛媛健康づくり21」という県民の健康づくり活動を実施しています。愛媛県の公式HPの中でも様々な記載から「なんとか県民の(受動も含む)喫煙に歯止めをかけたい」という切実な思いが伝わってきます。

未知との遭遇、そして、健康へ・・・(愛媛県HPより)
「筆者の思い」があふれるタバコ解説(愛媛県HPより)

■煙より香りを楽しもう!“愛fume(エフューム)”

さておき、ひとつの事実として、愛媛県は「愛煙/嫌煙」のギャップが日本一であることがわかりました。もしかしたら、両者は「犬猿の仲」なのかもしれません。

そんな愛媛県だからこそ、「いまタバコを吸う人も、逆に吸わない人も、一緒に仲良く健康になってもらうようなプロジェクトを提案できないだろうか」と考えてみました。

それは、「煙の代わりに吸うもの」を積極的に提案していくプロジェクト。
愛媛をビミョーに文字って、「愛fume(エフューム)」です。

というのも、愛媛県には、タバコの煙よりも、もっと健やかで美味しいと感じる空気があふれているような気がしたのです。

たとえば、愛媛県は瀬戸内海に面しているため、新鮮な海風が吹き込むことでとても空気が澄んでいます。四国山地の山々に囲まれていることも、良い大気の流れを作り出しています。
改めて愛媛県の持つ「空気の清らかさ、豊かさ」を伝えながら、深呼吸を促していくような活動はどうでしょうか。

美しい自然風景がひろがる「四国カルスト」

あるいは、愛媛といえばおなじみの「みかん」。現地の方にとっては嗅ぎ慣れた香りかもしれませんが、たとえば、みかんをベースとした新しいフレーバーのニコチンレスアイテムや香水を民間企業と組んで行うなどもあるかもしれません。

ちなみに、みかんにはオレンジ色の色素成分である「β-クリプトキサンチン」という成分が入っていて、これが肺がんのリスク軽減に対して効果があると言われています。
(その他、骨を丈夫にしたり、美白などの健康効果もあります)

実は美味しいだけじゃない、
みかんの健康効果も併せてPRができないか、と。

(参考)すでに世にあるニコチンレスの商品

愛煙/嫌煙ギャップ日本一の愛媛県。
でもだからこそ、その県名に「愛」の字があるように、愛煙家も嫌煙家もともに健やかな共存を目指した「愛にあふれる県」にするための活動を、自県の特産品であるみかんの魅力のPRにもつながるような形で行ってみてはどうかなと思いました。それはいわば、「愛の呼吸」とでもいうべき、愛媛ならではの健やかな空気を愛する活動、と言えるのかもしれません。

さて次回は、タバコは吸わないけれど、きっとタバコを咥えている姿が絵になりそうなので見てみたい、アートディレクターの中村心からお届けします。お楽しみに。

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