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秘めやかな。

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日常にぽっかり空いた一瞬の暇な時間。Youtubeも良いけれど、小説を読んでみませんか……?
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2021年11月の記事一覧

炎と満月の歌

炎と満月の歌

 朝。陽芽は赤色の腕章を隠すようにして電車に揺られていた。
 背負った箒は満員電車の中では相当な存在感を放つ。全方向から差し向けられる嫌悪の視線を感じて陽芽は背を丸めて耐えていた。
 
 
 魔法、それはこの世界における適性であり、適正だ。
 職業や人生を規定する強固な軌道である魔法は多くの者に幸福を約束する一方で、適性と願望の乖離とそれへの納得と諦めの強要を生んでいた。
 
 
「おはよう我らが

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