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第1回バトルクラブ「漫画の乱」

みなさんこんにちは!
秋といえば読書ということで、富士通デザインセンターの中でビブリオバトルをやってみました!
ビブリオバトルというのは登壇者がおすすめの1冊を選んで紹介。紹介された本の中で「読みたいな!」「おもしろそう!」と思った本に投票して、最も多くの票を獲得した方が優勝!というイベントです。
今回はジャンルを「漫画」とし、5名の方に登壇していただきました。
紹介された作品と登壇者が考えるおもしろポイントをご紹介します。

バトルクラブ_記録1

MC:小室理沙/解説:鈴木祐太郎/サポート:小田彩花

バトルクラブ_記録3

発表者の紹介

バトルクラブ_記録2

ディスカッションの様子

【バトルクラブとは?】
デザインセンターのなかで結成したクラブ。「好きなもの」を紹介し合うイベントを企画しています。第1回は「漫画」をテーマにビブリオバトルを開催。

エントリーNo.1「SF短編PERFECT版(藤子・F・不二雄/小学館)」発表者:揖隆弘さん

国民的キャラクターを生んだF先生が描くSF(すこし不思議な)短編集。近未来に起こり得そうな世界の話に魅せながら変わらない人間の本質の部分をズシズシ描いていく、幅広い作品が詰まった全112話。50年以上前に書かれたものにも関わらず、時代を超えても色褪せない普遍的なテーマが描かれている中「定年退食」「気楽に殺ろうよ」「ミノタウロスの皿」といった、少しシニカルな怖さにフォーカスした作品を紹介いただきました。
幼い頃から愛読されている漫画を選んでくれた揖さん。揖さんの“クールで優しいながらもグサッと刺さる視点”はこの作品が育んだのでは…と少しバックグラウンドを感じました(笑)歳を重ねるごとに読み深めていきたい一冊。

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エントリーNo.2「大奥(よしながふみ著/白泉社)」発表者:宮武志保さん

疫病で男性の数が激減した江戸幕府において、将軍職を女性が継いでいくという男女逆転歴史ヒューマンドラマ。男女の役割が逆転した世界設定にも関わらず、大奥を舞台に現実の設定や事件を取り上げ250年分の歴史を違和感なく描いていく、丁寧なストーリーテリングが特徴の物語になっている。ひとつひとつの将軍の物語には、よしながふみ先生ならではのはっと響く言葉が詰まっている。
宮武さんが最も印象に残っているのは5代綱吉・8代吉宗とのやりとり。女性としての魅力に囚われていた綱吉が、容姿に囚われず自分のありのままを貫く吉宗に心動かされ、性差の呪縛から解き放たれる姿は、現代のジェンダーの在り方にもつながると発表してくれた。

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エントリーNo.3「夏子の酒(尾瀬あきら著/講談社)」発表者:西田善彦さん

実家の酒造で働く兄が急逝したことから、兄の日本一おいしい日本酒を造る夢を引き継ぎ奮闘する夏子の物語。日本の農業・酒業界の抱える問題を取り上げた社会派漫画としてドラマ化もされた作品。
酒造りの原料となる米作りからスタートし、完成までの過程を丁寧に描いている。その物語からは、酒が消費者の手に届くまでには、多くの人・事情が絡んでいることに気づかされる。理想を突きつけるだけでは人は動かない。ユーザー視点も大事だが、つくり手視点も大事であるというメッセージは、デザイナーである自分たちも心打たれるところがあるのではと西田さんは語ってくれた。


エントリーNo.4「ヨコハマ買い出し紀行(芦奈野ひとし著/講談社)」発表者:鳥山洋平太さん

「夕凪の時代」と呼ばれる近未来の日本(主に三浦半島を中心とした関東地方)を舞台に、「ロボットの人」である主人公初瀬野アルファさんとその周囲の人々の織りなす「てろてろ」とした時間を描いた作品。
温暖化による海面上昇で人が住める場所は減ってきているのに、登場人物に悲壮感がない。終末というのはゆったり来るのかなというのが面白い。そして、ロボットであるアルファさんが変化しない自分に落ち込んでいるときに人間である「おじさん」がかけるやさしいセリフ。人間とロボットの境目があいまいでお互いを思いやる世界観もポイントです。鳥山さんのゆったりした声とマッチした世界観でリラックスした素敵な発表でした。


エントリーNo.5「ハクメイとミコチ(樫木祐人著/KADOKAWA)」小黒興太郎さん

身長9センチのこびとの女の子、ハクメイとミコチのふたりが森の中で暮らす日常を切り取った作品。9センチならではの視点で描かれる生活の様子や他の動物たちとの交流はこどもの時に秘密基地で友達と考えていた妄想のワクワク感を思い出させてくれます。(ブルーベリーを6等分!私もやりたい!)
また、個人的にごはんとお酒がおいしそうなマンガは名作揃いという持論があるので例にもれずステキなマンガの一つでしょう。小黒さんご自身の体験談も踏まえた面白アツいプレゼンによってリスナーも大盛り上がりのプレゼンでした。

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おわりに

24名の方が参加・視聴いただき「プロみたい」「甲乙つけがたい...」「どれも読んでみたいなと思いました!」「漫画よりも発表者がおもしろい」などコメント欄を暖かく盛りあげていただきました。優勝はエントリーNo.1の揖さんとNo.5の小黒さんが同率優勝という白熱した戦いとなりました。
今回はスライドを用意したり、キービジュアルを用意したり、司会・解説員をお願いしたりと少し手間をかけたイベントになりましたが、ビブリオバトル自体は本と身一つでできます。
様々な方が登壇することで自分が気づかなかった新しい本に出合えますし、社内のコミュニケーション促進にも活用できる遊びです。オンラインでも楽しめますので、ぜひ興味のありそうな方を見つけてトライしてみてください!

作成:小田彩花小関美咲、小室理沙、城愛美宮武志保



富士通デザインセンターのメンバーをもっと知りたい方はぜひFACESITEへ!
https://facesite.jp/

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