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「DXのアプローチ/ゴールとスタート」

DXを考えるうえで重要だけれども、言及されないDXのレイヤー構造と、各レイヤーを同期させながら、DXのステージを上げていって、社会のデジタル変容を牽引する存在になってその先へ進んでいく、というのがDXロードマップの王道と言えます。

DXレイヤーとDXのステージ

DXのレイヤー

  1. 一人ひとりの個人
    すべての基本となる一人ひとりの働き方、企業・団体との関係性のレイヤー

  2. 業務オペレーション
    特定の何かをアウトプットするための様々な業務オペレーション(コンピュータ・専用機器・人間の作業による)のレイヤー

  3. 組織と組織間連携
    企業内の組織、業務委託先、購買先、販売先、仲介先など、お客様がその企業が提供する価値(製品・サービス)を受け取っていただくための価値創造ネットワークのレイヤー

  4. 事業(ビジネスモデル)
    お客様の問題解決に寄与する価値(製品・サービス)を創造し提供する仕組みのレイヤー

  5. 社会
    企業が属する業界のみならず、学会なども含めた社会全体におけるあり方のレイヤー

DXのステージ

DXのゴール/DXプロジェクトのクローズ

企業体として、社会においてどのような存在でありたいか、どのような存在で輝いていたいか、というビジョンが明確にあったほうがロードマップを描きやすい。当然といえば当然ですが、企業をソフトウェア化してデジタル空間にトランスフォームする大義は、自分たちがトランスフォームしようがしまいが、日本が取り残されようが、グローバルには容赦なくデジタル変容する社会において、必要不可欠で代替不能な存在として価値を発揮するだけでなく、より良い社会に向けて社会の変革をもリードすることにあるからです。
その点において言えば、パーパス経営との相性は抜群と言えます。
そして、トランスフォームが完了すれば、仮想と現実問わずにつながったデジタル空間での経営にその主力をシフトして、DXプロジェクトはクローズすることになります。

DXスタート

DXスタート前の一般的な状況

DXのスタートは、経営の意思がトリガーではあり、変革に対する相応の覚悟が必要ですが、一般的な日本企業は、企業に従属した従業員による上意下達風土が蔓延して、忙しいふりをしながら前例に倣うだけの被害者意識の強い人たちと、そのような人たちに批判的でファイティングポーズをとりそうな雰囲気を醸し出しながらも、実際には権力におもねるだけの人たちであふれています。いずれも、組織にぶら下がる負のコンフォートゾーンに安住し、なかなか出てきません。改革マインドをもつそもそも少数しかいない精鋭も、様々な場面で立ちはだかる巨大な蛸壺に闘志を失い、あきらめてしまっていることも多いでしょう。しかし、負のコンフォートゾーンにいて多数派を構成している人たちも、そんな現状に問題意識をもち、心の底では蛸壺の外に出たいと思っている人も多いものです。

ただただ、変わることが不安なのです。できることならこのまま会社生活が終わって欲しいなんてことをぼんやりと思っているかもしれません。
デジタル技術の活用によって、自分の仕事がなくなってしまうかもしれないと思っている人はもとより、生活費になってしまっている残業がなくなってしまうかもしれないということもあるかもしれません。

そんな一人ひとりの不安を解消/緩和する施策を施すことで、蛸壺のサイズは小さくなり、少数派となった人たちは、いつのまにか、ただ残念な人になっていくでしょう。そして蛸壺から出てきた人は生産性を高め、時間を創出することで、プライベートな時間を充実させたり、付加価値の高い仕事に振り分けたり、学ぶ時間に使ったりすることで、組織への貢献と自己の成長や高まる充実感や将来への期待感、ある種の幸福感によって、組織を引っ張る存在として、正のコンフォートゾーンに移ってくることになります。

DXは変化が当たり前の企業文化への変革であることを明確にする。

つまり、いかに変化の遅い日本とはいえ、否応なしに世界的な社会のデジタル変容に呑み込まれていく現実を受け止め、むしろ積極的に企業をデジタル変容する社会に適合させ、ひいてはリードして行こうというのがDXですので、企業自身がどんどん随時変化していく企業文化に変わっていく必要があるわけです。
保守的で顧客要求や法規制対応はやるが、積極的変化はしない企業から、顧客にとって不可欠で代替不能な、より高い価値創出を目指し、常に変化する企業に生まれ変わる企業文化への変革であることを明確にする必要があります。
そうでないならば、それはDXではなく、単なるIT化に過ぎません。だから、経営トップの強い意思と決断が必須であり、その象徴がDXの全権を持って、CEOと共にDXを牽引するCDO(Chief  Digital Officer)でもあるわけです。

DXの大義は何かを明確にする。

顧客に受け取って頂く価値を最大化し、不可欠で代替不能な企業になるために変化が当たり前の企業文化に変革するにしても、何でもかんでも誰彼構わず価値を受け取って頂くと言うわけにも行かないでしょう。
つまり、大義、どこに向かって変化する企業に生まれ変わるのか?解決したい社会課題は何か?を明確にする必要があるでしょう。
既存事業をベースにするしないに関わらず、現状を無視するわけには行きませんが、外向けにも内向けにも明確でわかりやすい、ありたい姿に基づくものでなければなりません。

#DX
#デジタルトランスフォーメーション

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