採用コミュニケーションと企業ブランド
本投稿は弊社主催のブログリレー「候補者と企業のより良いコミュニケーション」の最終日の投稿となります。改めましてご参加いただきました皆様、ありがとうございます。弊社にとっても、読者の皆様にとっても、候補者様とのコミュニケーションについて考えを進める機会になったと感じております。
最終日の投稿として何を書こうか迷っていた時に、話題のChatGPTに採用とコミュニケーションについて聞いてみました。
まさにそうだなという回答すぎて、ブログを書く意味があるのか?と感じてしまいましたが、注目すべきと思ったのはしっかりと企業ブランドとの相関性についても言及してくれていることでした。ですので、本投稿は弊社としての採用コミュニケーションとブランドの関係性について、具体論として考えを記載させていただければと思います。
採用コミュニケーションと企業ブランドの関わり
採用におけるコミュニケーションの種類は多岐に渡ります。弊社河井の投稿では、すべてであると記述がありますが、まさにそうだと思います。ではその中で、ブランドに関わりのあるものは何かというと、当然ですが企業の印象形成に影響を与えることの全てであると言えるのではと思います。これでも具体化ができていないと思うので、どういったシーンで印象形成がされやすいかについて考えてみます。
自分自身の経験と照らし合わせて考えてみると、大きな採用キャンペーン(SNSで広くシェアされたもの)や、ブログなど記事の内容、実際に面談で話した時の印象等が大きな影響を与えているのかなと思います。逆にテンプレ文章の日程調整メール、お見送りメールや、求人票のテキストが強い印象形成に繋がることは可能性としては低そうです。なお、そういった定型的なコミュニケーションにおいては意図とは違う印象形成につながるリスクを一定はらんでおり、そういう意味での印象形成につながる可能性があると思いますがここではスコープアウトします。
少し抽象化してみると、なにかしらの意図や狙い、感情といった思考背景があるものからは影響を受けやすいと言えるのではないでしょうか。
深く考えて発信したもの、コミュニケーションしたものからは影響を受けるということです。ブランディングにおけるブランドパーソナリティを想起させるものは、当然印象形成に影響を与えているということだと思います。
だからこそ、採用広報におけるコミュニケーションにおいても、ブランドパーソナリティ、どういう人格・個性として受け取って欲しいかについての意図を持つことが重要だと感じています。
HERPが培ってきたブランド
実例として、弊社が会社のコミュニケーションによってどんなブランドを作ってきたかについて振り返ってみたいと思います。最終的にブランドリサーチをしっかりおこなったわけではないので、ある意味少ないN数の仮説的な内容ではありますが、一つのケースとしてご覧ください。
1.企業初期に意識していたことと実際に行っていたこと
起業初期は、広報機能は存在せず、採用コミュニケーションにおいて意識していたことは候補者様に対して失礼のない対応をすること、くらいしかありませんでした。その上で庄田の少ない広報知識をベースに、採用活動・広報活動を行っていました。私自身が創業当時にどんなことを考えていたかというと、『ちゃんとした会社だと思われたい』『HR業界において新規性のある提案をし続けているイメージにしたい』『スタートアップだからってクリエイティブの品質を落としたくない』みたいな、青臭いことでした。今思えば、自分の青臭さからのこだわりかもしれないのですが、過度におしゃれなクリエイティブを作ろうとしたり、プレスリリースは話題性の低いものは出さないとか、HR業界で何の色にも染まらない強さを意識した黒をメインカラーとして採用するといったことをやっていました。(笑)この黒については現状も引き継がれていて企業ホームページも黒が多いので、いまだに黒のイメージがある方もおられるかもしれません。
2.現状の採用広報ブランドに対しての、自社の認識
創業初期は、企業イメージ・ブランドについてのFBを受ける機会自体がほとんどないです。ブランドなど存在していないと等しいと言えると思いますが、同時に、自社のイメージ・ブランドについて振り返るきっかけを手に入れること自体が難しい時期でもあります。だからこそ経営者の色がかなり出る時期でもありPRが上手い人たちはそれが有効に作用したり、苦手な人はPR自体の活動が少なくなったりしがちです。弊社の場合、私自身PRが上手くはないですが、PR活動自体はコンスタントに行っていました。そして、少しずつ会社が大きくなり露出も増え、認知もされるようになってくると、FBを受ける機会が生まれるようになります。弊社で言うと、候補者アンケートによってFBを得たり、辞退者ヒアリングによってFBを得たり、エージェントさんからのFBによって知ったり、HERPさんって〇〇ですよね、とふとした会話でFBを得たりするようになります。その中でも意見として多かったのが、HERPさんって『黒くて』『なんか強い人が多くて怖そう』という声でした。FBを受けない期間に印象は少しずつ形成されていき、こういう声をいただくようになるのです。もちろん発話してくださっているものがこれなので、さらにいろんな印象があると思います。実際に2021年に、Twitterアンケートを取ってみた時の回答結果がこれです。
この時は、候補者体験の改善を会社全体でおこなっていて、その時の実態調査のためにTwitterアンケートを取得してみた時のものです。半数以上はこわいというイメージを持っているという結果になりました。
これは自分たちの本意かというと全然そうではないものでした。そしてこれらは自分たちの発信内容・選考におけるコミュニケーションが生み出したものであることは間違いないと思います。これくらいのタイミングから、どういうパーソナリティを持って認知して欲しいかを組織として統一していくことの大切さを感じるようになりました。
ブランドリニューアルによる狙い・我々の採用ブランドコンセプト
ではなぜ、それが本意ではないかというと、自分たちの作りたいブランドから乖離があるから、というよりは実態と印象にズレがあると感じたからでした。「HERPのブランドパーソナリティ」としては、できるだけ互いの価値観を尊重しつつ、成果に向かって真っ直ぐにコミュニケーションをしている組織だと自己認識しています。もちろん主観が含まれてはいますが、創業から数年かけてチームで作り上げてきたHERPの人格は、Twitterアンケートで浮き彫りになった「怖い・親しみにくい」とは異なる実態だということを、伝えていく努力をしなければいけないと自覚しました。
ではなぜそんな乖離が生まれたのかというと、庄田個人の価値観のみを反映した広報活動を実施してきたことが原因の全てであり、それは採用広報戦略・事業戦略、すべての戦略から独立したものであったことが課題でした。そして創業初期の代表の広報スタンスは従業員の広報コミュニケーションにおけるスタンスにも少なからず影響を与えます。そういった因果が現れたものだと感じました。
この頃から、ブランドに対しての意識の統一と、コミュニケーションにおいてコアのパーソナリティを意識することがかなり重要であると意識するようになり、なにかしら発信物について議論をする時には個人的に意識をするようになりました。具体的には、実態と世の中のイメージのギャップを是正することを意識をするようになりました。
その上で、個人的にも社内の発信としても大事にしていることは、シンプルにありのままでいることです。見せ方だけが上手い会社はすぐにバレるし、そのメッキは剥がれていきます。最高の内定承諾はありのままの採用活動から生まれるものであり、それは採用活動において最も重要なことだと考えています。だからこそ、弊社の発信物(PR・note)において、実態と違うことは一つもないと言えますし、現場メンバーのnoteにおいても、こう書いて欲しいとか、こうお化粧するとより良くなるみたいな話はしたことがありません。良いことでも別に普通のことでも、逆に課題であることでも、それは全部正直に伝える。私の面接等での候補者の方からの質問にもありのままを答える、これを明確に意識しています。直近は内定者ヒアリング・候補者アンケートでも実態をそのまま知ることができた、とか等身大で話をしている感じがしたと感想をいただけるように少しずつなってきました。
直近弊社のリブランディングにおいて定義した我々のパーソナリティはこちらです。
我々は時代を先取るつよつよ集団ではなく、しっかりと現在の世の中・採用活動の状況を見つめて、企業様に寄り添い、一緒になって走る伴走者であることを定義しています。この定義を社内共通化をしていく取り組みはこれからですが、このリブランディングは採用コミュニケーションにも大きな役割を担ってくれると信じています。
終わりに
今回の内容が、皆様の採用活動の改善を思考する何かのきっかけになれば嬉しいです。企業としての接点は全方位的にブランド形成に影響を与えており、特にお互いをジャッジすることが前提である採用のコミュニケーションにおいては、数は少ないが、候補者の方々に強烈なイメージを与えます。だからこそ、どう見られたいのか、どうありたいのかを持ってコミュニケーションすべきだし、それが全社員で共通化していることが望ましいと思います。
重ねてになりますが、本投稿は、弊社主催のブログリレー「候補者と企業のより良いコミュニケーション」の最終日の投稿となります。ご協力いただきましたみなさま、こちらも重ねてですがご協力いただきありがとうございました!
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