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6月の短歌十首連作 「サワーポメロ」

6月の十首連作 「サワーポメロ」(ショージサキ)


「サワーポメロ」 ショージサキ

保存したジャムは真緑 はつなつの約束はもう絶えてしまって

足の爪が変な形に伸びていて育たなかった朝顔みたい

まひるま、といえば光で満ちている 雨の3時はただの午後だよ

来世とかどーでもいいこと話すときあなたの鼻翼は膨らんでいる

朝にだけ咲く花が好きと言う人はずっと愛してくれはしないね

ほぼ水のコーヒー舌に乗せている 外は死ぬまで土砂降りだろう

柑橘が並ぶ八百屋で一番に変な名前のあだ名をつける

語彙力は教養だから しゃべるこえすべてひらがなみたいな吐息

ジャムとコンフィチュールの違い分かってる人の近くで分からずいたい

サワーポメロはきっとあなたが住む国の黒くまあるい犬の名前だ

【最近の活動情報】

①歌人の道券さんと枇杷陶子さんの短歌ネットプリント「夕星パフェ」の第15号ゲストに呼んでいただきました!わーい!「夜明けよ」という連作を寄せています!ネットプリントとweb版も公開中ですのでぜひお読みください!

ちなみに15号内のお二人の短歌で好きな短歌
あら嫌だどれも高いわ人型に歪んだ野菜なら五十円(枇杷陶子)
木の芽時赤い小虫を圧(お)しつぶす多数派という太い親指(道券はな)

②新しいZINEを作りました!
「すぐになくなる記憶の中の」という、旅の記憶と短歌のミニZINE(小冊子)です。今回もレトロ印刷!通販などはしない予定ですが、直で販売できるイベントなどに今後持っていきたいと思います。

事後報告ですが、6月16日・東京町田の町田市民文学館 ことばらんどで開催される短歌の展示「57577展2nd」内で開催された「「57577FES フリーマーケット」に出展しました。ご購入くださった方々ありがとうございました!楽しかったです!


最近はゆる百首会というものを定期的にやっていて、短歌バンバン作ってますのでご依頼・お問い合わせなどは下記記載のメールアドレスにお問い合わせください!お気軽に!

以下、蛇足。












【短歌に関係ないような話】
以前短歌の友人から、素敵な手作りジャムをいただいたことがあるのですが、柑橘ってありとあらゆる名前があるのですね!(その時は「セミノール」「小夏」「ニューサマーオレンジ」など)柑橘ってどれも酸っぱい食べ物、という超!雑なくくりで生きていたのですが、食べくらべしたら果肉によって味が全然違って(当たり前)ハッとするほど美味しかったのを連作を作っている間ふと思い出しました。


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