《神の遊び》
隆は目を覚ました。今日は金曜日だ。学校に行って、小百合と和人と一緒に映画を見に行く予定だった。田中も誘ったが、彼はいつものように断った。田中は隆たちのグループの一員だが、あまり外出しない。家でゲームをしているか、本を読んでいるか、何かを研究しているかだ。隆は田中のことを尊敬していた。彼は頭が良くて、物知りで、何でもできるような人だった。でも、なぜか孤独を好むようだった。
隆はベッドから起き上がり、着替えて朝食をとった。母親は仕事に出かけていたので、家には誰もいなかった。隆は自転車に乗って学校に向かった。途中で小百合と和人に出会った。小百合は隆の幼なじみで、隆はずっと彼女のことが好きだった。和人は隆の親友で、いつも明るくて面白いやつだった。隆は二人と世間話をしながら、楽しく学校に着いた。
授業は退屈だった。隆は時計を見ると、映画の開始時間まであと一時間しかないことに気づいた。早く終わってくれと祈った。やっと最後の授業が終わり、隆は小百合と和人と一緒に教室を出た。田中はすでに帰っていたようだった。隆は彼にメールを送った。
「映画、楽しみだよ。田中も来ればよかったのに。」
すぐに返信が来た。
「ありがとう。でも、僕は映画に興味ないんだ。楽しんできてね。」
隆は田中のメールに苦笑した。彼は本当に変わっていると思った。でも、それが彼の個性だとも思った。隆は小百合と和人と一緒に映画館に向かった。映画はサスペンスホラーだった。隆は小百合が怖がると思って、彼女の手を握ろうとした。しかし、小百合は全然怖がらなかった。むしろ、和人の方がビクビクしていた。隆は和人をからかった。
「和人、怖いの?」
「うるさいよ。こんなのリアルじゃないんだから。」
「じゃあ、なんで震えてるの?」
「寒いんだよ。」
「そうか。じゃあ、コート貸してあげようか?」
「いらないよ。」
隆は小百合と笑った。和人は不機嫌そうにした。映画は結局、主人公が殺人鬼に殺されるという衝撃的な結末だった。隆は小百合と和人と一緒に映画館を出た。外はすでに暗くなっていた。隆は小百合と和人に別れを告げた。小百合は隆に笑顔で手を振った。
「今日は楽しかった。ありがとう。」
「いえいえ。またやろうね。」
「うん。じゃあ、またね。」
隆は小百合の後ろ姿を見ながら、胸がドキドキした。彼女は本当に可愛いと思った。彼女のことをもっと知りたいと思った。彼女のことを好きになってもいいのだろうかと思った。隆は自転車に乗って家に帰った。家に着くと、母親が夕食を作っていた。隆は母親に挨拶した。
「ただいま。」
「おかえり。今日はどうだった?」
「楽しかったよ。小百合と和人と映画を見に行ったんだ。」
「へえ。小百合ちゃんとは仲がいいのね。」
「そうだよ。」
「彼女のことが好きなの?」
「えっ?」
隆は母親の質問に赤面した。母親は笑って言った。
「冗談よ。でも、いい子だと思うよ。」
「そうだね。」
隆は夕食を食べた。母親はテレビを見ていた。隆は部屋に上がった。部屋に入ると、携帯電話が鳴った。田中からのメールだった。
「隆、今から会える?」
隆は不思議に思った。田中は普段、こんな時間にメールをしない。何かあったのだろうか。隆はメールに返信した。
「どうしたの?」
すぐに返信が来た。
「話があるんだ。」
「何の話?」
「それは会ってから言うよ。」
「どこで会うの?」
「公園でいい?」
「いいけど、今から?」
「うん。急いで。」
隆は田中のメールに戸惑った。彼は何か重要なことを言いたいのだろうか。隆は母親に声をかけた。
「母さん、ちょっと出かけるよ。」
「え?今から?どこに?」
「田中と会うんだ。」
「田中くん?何かあったの?」
「わからない。話があるらしい。」
「そう。じゃあ、気をつけてね。」
「うん。」
隆は自転車に乗って公園に向かった。公園に着くと、田中がベンチに座っていた。隆は彼に近づいた。
「田中、どうしたの?」
「隆、来てくれてありがとう。」
田中は隆に笑顔で言った。しかし、その笑顔には何か不自然なものがあった。隆は不安になった。
「話って何?」
「実はね、僕は神なんだ。」
田中は突然、そう言った。隆は驚いた。
「は?神?」
「うん。神。」
「何言ってるの?冗談?」
「冗談じゃないよ。本当のことだよ。」
「本当のこと?」
「うん。僕は神なんだ。この世界の創造者だ。」
「ははは。おかしいよ。そんな、、、」
隆は目を覚ました。
「んっ、、あれ?いつの間に寝たっけ?」
「隆!ご飯できてるわよ!早くしないと遅刻するよ」
「え、やばっ!母さんなんでもっと早よ起こしてくれへんかったん」
「何回も起こしたけどあんたが起きひんかったんやんか。田中君も迎えに来てくれてるで、ごめんぐらい言っときや」
「田中ごめん 今起きた!ちょっと待っといて」
田中は笑顔で答えた
「わかった。ゆっくり待っとくわ」
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