正しさなんてない
今朝、オットサンに尋ねた。
「わたし、常駐始めてから変わったかな?」
ぶうんと音を立てる電子レンジ。中には、冷凍たこ焼きが8個ほど。ぽちょりとお皿におさまってくるくる回るたこ焼きたちは、なんだかかわいい。
オットサンは一瞬考えて答える。
「うん、よい方向に」
「それならよかった」
ホッとして、身支度をはじめる。「自分のことは自分がいちばんよくわかっているはず」という言葉があるけれど、おなじくらい「自分のことは自分がいちばんよくわからんのである」ってときがある。
たこ焼きがあたたまった。オタフクソースとマヨネーズ、鰹節をぶわあとふりかける。
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世の中には、いろいろな考え方のひとたちがいる。
時事問題を例に挙げると「コロナが蔓延しているから外出を控えよう」というひともいれば「こんなときだからこそ飲食店を応援しよう」というひともいる。
会社ひとつとってもそうだ。リモートワークを推進する会社もあれば、かたくなに導入しない会社もある。
それらをずうっと見ていると「本当」とか「正しさ」ってなんなのだろうなと思う。何もわからなくなる。
結局そんなものはなくて、みんな演じてるだけなのではないかな、と馬鹿なことすら考えてしまう。実はこの世は壮大な架空の物語で成り立っていて、与えられた役柄通りに日々を送っているだけ。
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そんな矢先に、とあるブログを読んでいたらこんな文章を見つけた。
ある意味「タフさ」も必要。(中略)「物書きがリベンジするには「とにかく元気に書き続けること」しかありせん。それ以外に自己救済の手段はないんです。
自分について「これで正しいのか」っていつまでたってもわからない。そんな中で、世の中的に「正しい、これがよい」と言われているものを見ると、少し落ち込む。続けていても意味なんてあるのかと捨て鉢になるときもある。
それでも、自分を信じて続けることでしか、道はひらけないのだと思う。なにもかもがわからない、予想だにしないことが起こる今だからこそ。
そして、自分を見つめてくれている人の言葉を信じること。よくわからない誰かの声に流されないこと。
春の空気だ。今日も、お酒を飲むらしい。
目の前のオットサンはビールを飲み干して「携帯の充電が3パーしかない」と笑った。わたしは「ありゃりゃ」と答えた。
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