読書感想文「二木先生」
今日は最近久しぶりに買った本がよかったので、少し感想を書いて残しておきたいなと思いnoteを開きました。
良かった本がこちら。
夏木志朋さんの「二木先生」です。
(あらすじとか書くとネタバレしちゃうのも嫌ですし、私の感じたことだけ書きますので、意味がわからないかも…。
でもとりあえず私が書きたいので書きます。)
マイノリティの人たちの苦しみ。
マイノリティの理由は、特性であったり、障害名がついていたり、色々だと思いますが、その人たちの苦しみが描かれている作品です。
その苦しみや「普通になろう」とするもがき、それでも上手くはいかないところ、もがきのせいで周りとのズレが大きくなってしまうところ……読んでいると少し苦しくもなります。
ただそれ以上に、ストーリーが面白いので、どんどん読み進めたくなり、最後には「これが結末なのか!」と私の想像とは違う展開だったので、読み終わった後は、何とも言えない感覚になりました。ストーリーだけでも楽しめる作品だと思います。
そして、私がこの作品を通じて感じたこと。
「普通になりたい」という思い。
「普通ではない、特別な存在でいたい」という思い。
そんな自分の2つの相反するような思いに挟まれながら
「普通」を目指すのか、
「特別」を目指すのかの2択ではなく、
「普通じゃない部分を自分だけのクローゼットにしまって(秘密にして)、普通のふりをする」のか。
そんな葛藤をそれぞれし続けている高校生の田井中くんと担任のニキ先生。
彼らは、人には知られたくない、分かってもらいにくい特性があるので、私たち以上に悩みや葛藤が多いことだろうと思う。
でもその葛藤の過程を読んでいると、
これはマイノリティの人たちだけではなく、誰もが持っている思いだなと感じました。
だからこそ、「同調圧力」と言うものが存在し、「出る杭は打たれる」「他人の普通じゃない部分を見ると嫌悪感が生じる(嫉妬に近い)」のではないかと思います。
そして「何者かになりたい」現象も。
そんな葛藤を乗り越える方法を
経験者のニキ先生が私にサラッと教えてくれました。
「ーーーだよ」と。
書きたいけど、書いてしまうと、ネタバレになってしまうかなと思うので、それは心にとめておきます。
「あ〜やっぱりそうなんだな」と感じた一言でした。
自分らしく生きたいと思いながら、
自分をさらけ出す勇気がまだ持てない私。
不器用な公一と、悩んで悩んで自分なりに生きてきたニキ先生が、そうして生きていくことへの、
生々しい気持ちを教えてくれたように思います。
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