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0220:やくみん覚え書き/「凡庸な悪」を描く

 今日の『報道特集』で、近畿財務局職員として森友問題の書類改竄に関わったことを苦に自殺した赤木俊夫さんの話が特集されていた。観入った。

 番組では、御遺族(奥様)に赤木ファイル(誰の指示で具体的にどのような改竄をしたかの記録)の存在を打ち明けた赤木さんの上司が取り上げられており、裁判下の組織の要請との板挟みで苦悩する様子が克明に描かれていた。私も27年間の公務員経験の中で様々なものを見聞きしてきたので、彼の置かれたつらい状況は察せられる(この番組自体が彼に非常に大きなストレスを与えている点が懸念されるが、この記事ではさておく)。

 今後noteに書き進めていく小説「やくみん! お役所民族誌」は、メインモチーフにいくつかのサブモチーフが絡むのだけれど、サブモチーフのひとつとして役所での不正とそれを巡る公務員それぞれの振る舞いを描くことになる。その着想の一端は、実はこの書類改竄事件にある。組織の一員として淡々と不正に手を染める人々と、それを是としない(スルーできない)人。ハンナ・アーレントのいう「凡庸な悪」は、私たちのごく身近にあるのだ。

 やくみんの隠れたメインテーマは「理性と情動」で、深刻な悪と行政組織の対立構造がメインモチーフになる。そこにサブモチーフがどのように絡むのか、お楽しみに。ふふ。ふふふ。ふふふふふ(なんかあぶない)。

■本日摂取したオタク成分
『くまクマ熊ベアー』第1~3話、本放送時は第1話でピンと来ずに切ったのだけれど、あらためて観たら普通に面白いな。『報道特集』上述のとおり。『ブラタモリ 埼玉深谷』先週(過去の再編集)の続き。前回が自然環境編とすれば今回は近代編、大河連動。

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