0987:創作大賞応募作品『お役所民族誌』について
■note創作大賞2023応募作品リンク
■シリーズ『お役所民族誌』構想
この作品は当初『やくみん! お役所民族誌』と題していましたが、今回創作大賞応募にあたり『お役所民族誌』としました。その名のとおり主人公が「お役所」に潜入して「民族誌(エスノグラフィ/異文化観察記録)」を書くという物語設定です。
主人公の名は香守みなも。澄舞大学で文化人類学を専攻する学生です。なりたい将来がみつからないみなもは、公務員である彼氏の職場を覗いてみたいという軽い動機で、澄舞県庁のインターンシップに応募します。配属された消費生活センターで三日間を過ごす中で、おばあちゃんの悪質商法被害を救われ、彼女は消費者行政とそこで働く公務員たちに深い関心を抱くようになりました。そこで、卒業論文のためにセンターを参与観察(研究者が対象社会に入り込んで共に行動しながら観察をする手法)して民族誌にまとめることを志します。並行して、詐欺集団・深網社の罠にハマり将来の幹部候補と見込まれる発達障害の青年・押井、暴走して県庁と摩擦を繰り返すアナウンサー・柳楽、着ぐるみのまま驚異の運動能力を発揮するマスコットキャラ・すまいぬ、子供たちの前で平気でいちゃこらする両親(書いてて楽しい!)など、様々な脇役がそれぞれの思いで行動する群像劇。これが今回応募した第一話の概要です。
シリーズ全体の構想は、以下の標題案から窺えるでしょう。後日このnote上で第二話のドラフト執筆を始めます。
noteでのドラフト執筆開始前に、絵師「みどりの」さんに登場人物のイメージイラストを描いていただきました。吾郷拓也以外は第一話に登場します。第一話でははっきり表現していないネタバレもなんか見えてますが、まあ隠すほどのことではないので。
第一話だけでももっと多くの個性的なキャラクターが登場し、それぞれの思惑で行動しています。柳楽修、サトミレイコ、奥田多賀子の三人は、元々は想定しておらず書きながら生まれたキャラクターで、にも関わらずシリーズ全体で極めて重要な役割を果たします。第二話以降はさらに登場人物が増えていく予定で(おそらく予定以上に増える筈で)、群像劇をどう統御するかが今後の苦労のしどころと思っています。
■執筆の背景
私は地方公務員として27年間某県庁に勤務し、2年前に早期退職をしました。退職を心に決めた日にこのnoteを立ち上げ、以来、公務員に関するエッセイや退職後の活動などを書き綴ってきました。そのコンテンツのひとつがドラフト版「やくみん! お役所民族誌」です。
消費者行政は、私の公務員人生の中で間違いなく最もやり甲斐のある部署でした。けれどもその大切さ、面白さは必ずしも世に広く知られているとはいえず、まして行政担当者の直面する課題・苦労・工夫は経験者しか知りません。これをエンターテインメント小説として表現するなら、どのような物語になるか──。
若い頃からアマチュアとして小説を書いてきた私にとって、公務員人生には様々なネタが転がっていました。「文化人類学の学生が県庁に潜り込んで観察し論文を書く」という設定は、私自身の感覚そのものです。もともと人文系の学生で、自分がこんな堅い職業に就くなんて予想もしていなかったのに、公務員になった。最初はやっぱり自分には合わないなあと思っていたのに、次第にこの仕事が面白く、やり甲斐を感じるように変化した。経験と共に印象を変えて行く公務現場、変わっていく自分。27年間の私自身の経験を土台にする物語は、やはりそのような構造で書きたいと考えたわけです。
とはいえ、現役公務員時代に職場をモデルにした小説を書くのは躊躇われます。退職したら書こう、と思っていた機会が、ついに来ました。ただし、家業や司法書士試験勉強と並行してのことなので、出版のアテのない執筆は亀の歩みのようでした。noteという場所があったからこそ、こうして第一話が一応の完成に辿り着いたと感謝しています。
第二話以降も同じような亀の歩みで、しかし着実に形にしていきます(第一話に出版機会が得られたら気合い入れて書き進めるのですけどね)。
--------以下noteの平常日記要素
■前回以降の小説進捗
上記のとおり。
■前回以降の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積329h35m/合格目安3,000時間まであと2,671時間】
65分ほど新しい教材を試してみる。詳しくは後日記事に。
■前回以降摂取したオタク成分
一週間以上溜まってるので今日は書き切れない。これも後日。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?