こころとお金の支援が欲しい

今日も引き続き、企業のWeb研修(ハラスメント関連)の取り回し中(座っているだけ)。

ただ、昨日と違うのは、このニュースを見たこと

これまで、産後うつは、「ホルモンバランスとか昼夜問わずたたき起こされるから起こるんやろうなあ」ぐらいの認識がなかったけど、よくよく考えたり調べてみると、いろんな因子が複雑に絡んで起きているんじゃねーの?と思うようになった。

働くママ・パパ問題

ちょうどマタハラ問題のセクションになったし、これまで資格の勉強でも見てきたので、「働くママ・パパ(またはこれから働くママ・パパになる人)」の会社の意識や制度について整理。

産前産後休暇:労基法第65条
1.使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあつては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
2.使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
3.使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。
育休:育児介護休業法第5条
1.労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
(特例で1歳6か月、2歳までいける)

産前産後は義務だからなんとなく「とらなきゃなあ/とらせなきゃなあ」が働くけど、育休は「できる」なので、とろうとするとお互いに「うーん」という気持ちが生まれることは想像に難くない(本当はダメなのは100も承知)。こういう「うーん」という気持ちがマタハラ/パタハラを生んでいるといってもそんなに外れてないと思います。(実際男性の育休取得率は増えているけれども6%ぐらいだし)

もちろん、妊娠・出産そのものや、休むことに対する不利益取り扱い自体がだめなので、以下のような問題も

・育児休業の取得について上司に相談したところ、「男のくせに育児休業をとるなんてあり得ない」と言われ、取得をあきらめざるを得ない状況になっている。
・産前休業の取得を上司に相談したところ、「休みをとるなら辞めてもらう」と言われた。
・時間外労働の免除について上司に相談したところ、「次の査定の際は昇進しないと思え」と言われた。
(職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です!!https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000137179.pdfより)

子ども作って会社に行ったらいじめられるんですよ。そりゃ鬱にもなるわ。ただでさえ家での育児とか大変なのに。

お金の問題

出産すると、健保や国保から一時金がもらえます。
(国保は法定任意なのでないこともあるかも、ってやつです)

出産育児一時金:健康保険法第101条
被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額(404,000円+16,000円)を支給する。
家族出産育児一時金:健康保険法第114条
被保険者の被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、第101条の政令で定める金額(上のやつと一緒)を支給する。

(家族出産育児一時金ってやつは、そもそも「被扶養者=これまでの常識的には妻」が産んだら、ということなので制度的にも、まあ古い感じはするのですが、それについてはまたいずれ)

で、分娩費用もデータがあります

全国平均値 505,759円
全国中央値 493,400円
(公益社団法人 国民健康保険中央会の平成28年度データhttps://www.kokuho.or.jp/statistics/birth/2017-0620.htmlより)

「一時金もらえるなら自己負担は10万ぐらいじゃん、まあ何とかなるじゃん」となりそうですが、そうはいかない。これは「分娩」の費用なので。

妊婦検診はもっとかかります

妊婦健診は健康保険が適用されないため、基本検査のみで3千~7千円程度、特別な検査も受ける場合だと1~2万円程度の出費がかかります。受診する病院によって費用が変わってくるというのもポイントです。
一般的に妊婦健診を受診する回数は、厚生労働省により14回程度と定められているため、受診する回数と1回あたりの費用で総費用をざっと見積もると、約10~15万程度かかる計算になります。しかし、妊婦健診の費用は補助金で助成されるため、実際の自己負担額はもっとおさえられるため、安心してください。
(https://hoken.niaeru.com/media/life-money/birth-cost/より)

ちなみに、妊婦健診の補助金額が一番少ないのは、神奈川県だそうです。神奈川は行政サービスに地味にしょぼいところがあるのね。

妊娠して産む(まあ安全にできるという点は他の生き物とは違うけれども)という、生き物の普遍的・根源的な営みをするだけで、めちゃくちゃお金かかるんですよ。毎日のお金がないことは相当大きな心理的負担になるうえ、これはお金を使う序章に過ぎないっているのが、また鬱になるにきまってるわ。老後2000万問題よりも深刻なのに、なんでこんなに弱いのかね。

というわけで、ホルモンバランス、育児疲れに加えて、会社に行けばいじめられ、食うに困るレベルでお金を取られてしまう(さらにこれに不妊治療とかが加わってくると、精神・経済負担は。。。)そら産後うつにもなるわ、というお話。せめて妊娠出産までは無償化してほしいです。

(本当は諸外国の制度とかも比較したいけど、今は一応仕事中なので、またそのうち)

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