コインチェックUX部におけるデータアナリストの役割

コインチェックUX部データアナリストの片野です。
分析の分野において、データアナリストやデータサイエンティスト、データエンジニア、また分析担当者といったデータ職種は多岐に渡り、会社によってその概念が違うことが多々あります。そこで弊社のユーザーエクスペリエンス部データアナリストについての紹介をさせていただきます。


ユーザーエクスペリエンス部の組織

ユーザーエクスペリエンス部(以下UX部)には、UIUX Design とProduct Analyticsにグループが分かれてます。データアナリストはProduct Analytics に所属しています。

Product Analytics内のそれぞれの役割を簡単に説明すると以下の通りになります。

データアナリスト:UIUXの定量評価と、プロダクトのイシューの特定と改善をする人
データサイエンティスト:機械学習モデルを作成・学習し、予測する人
マーケティングアナリスト:データ分析により各種施策の費用対効果を最大化する人
BIディレクター:BI戦略のリードとアナリティクスの目標設定をする人

今回はデータアナリストについて詳しく見ていきます →


マーケターとデータアナリストの違い

UX部内ではマーケターとデータアナリストを明確に分けるため、データアナリストのことをプロダクトデータアナリスト(PdA)と呼びます。また、マーケターと一括りにすると、データアナリスト同様様々なマーケターがいるため、部内ではマーケティングアナリスト(MA)と呼びます。

PdAが見るデータは現状を表しているもの

PdAはデータから現状を把握し、インサイトを発掘しイシューを特定することでプロダクトの改善に繋がるデータ分析を行います。弊社はUX部内にデザイナーがおり、連携しながらデータドリブンなUIUXの評価を行っております。例えば、デザイナー設計したUIUXが実装後にネガティブインパクトを出さないか、定量データを以て意思決定します。

MAが見るデータは結果を表したもの

MAは目標達成のために施策の結果のデータを追い、結果を以て施策改善を再考します。つまり、データからインサイトを発掘するというよりも、データはあくまで結果という扱いになります。そこから、目標の数値を達成するために次の施策をどうするか、何をすべきかを考えるのがMAの役割になります。

PdAは分析と改善を繰り返すことでプロダクトをより良くし、MAは分析と施策を繰り返すことで目標達成に近付けます。つまりPdAとMAでは、同じデータを見ている職種ではあるものの、データへの向き合い方やその後のアクションが違います。


UXのデータアナリストのミッション

データアナリストはデータを分析する人と訳されがちですが、UX部のデータアナリストは「データ分析(を提供すること)に責任を持つ人」です。自分の意思決定のために自分でデータを分析するのではなく、他者の意思決定に大きく関わる部分を担うということがその大きな違いです。

データ起点でイシューを発掘してUIUX改善提案

プロダクトを改善する上で、イシューが顕在化されているものと、されていないものがあります。PdAは顕在化されているイシューに対する分析はもちろん、まだ特定できていないイシューを分析結果から特定し、改善案をあげていくことも求められます。そのため全ての指標をダッシュボードでモニタリングし、定常的にメンバー内でディスカッションする事で全体の数字感を身につけています。

設計(作成)されたUIUXを定量分析で評価

前述しましたが、デザイナーが設計したUIUXを定量評価し、意思決定の材料とすることも多くあります。「作りたいモノ = ユーザーにとって良いモノ」であるかどうかを分析し、良いものではないという結果が出た時には、どのような設計だとネガティブなインパクトが出ないかの仮説を立て、分析をし、デザイナーに提案するところまでがここで求められることになります。

実装されたUIUXを定量分析で評価し改善のPDCAを回す

実装前にはKPIを設定し、それに対して効果がどうであったかを定量的に分析できるようにします。分析結果で、改善余地がある場合にはその提案を行いプロダクトのブラッシュアップを行うことで改善のPDCAを回していきます。

これらの分析は、ユーザー体験に関わる全てに対してデータドリブンな意思決定に寄与し、プロダクトを成長させるためのUXを創るために行なっております。そして、これらは全てアナリストだけで行うのではなく、デザイナーやエンジニアと連携しながら、データドリブンなプロダクト改善を行なっております。


データアナリストに求めること

さまざまなデータを正確に読み取り、改善策として活かしていくためにはデータをロジカルに扱うことができる論理的思考力が必要です。弊社UX部におけるデータアナリストは、データ分析における知識を広く持つべきだと考えております。統計学の学術的な知識は、多くの情報を効率的に整理して有効活用することに活きます。データを収集するだけではなく、イシューに対する仮説を立て、仮説検証のための分析、その後の改善案の構想までがデータアナリストに求められます。そのためロジカルシンキングのスキルを身につける必要もあります。

UX部のデータアナリストは、前述したようにデータ分析に責任を持つ職種を指します。分析領域における示唆出しや分析起点でのPDCAを回していく中で、プロダクトの成長に寄与することが期待されています。


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