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フリッツ・ライバー宛、片思い感想文

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フリッツ・ライバーという作家が好きで、1〜3ヶ月に一回、彼の作品について書いてます。既訳および未訳作品へのネタバレを含む言及もあります。
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記事一覧

フリッツ・ライバー未訳短編の面白み

西欧風ファンタジーにおいてはやられ役?な竜と蜘蛛に主人公二人をたとえてみせる、作家フリッ…

糸賀 太
7日前
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推しから推しの推しへ 読書感想文

フリッツ・ライバーの小説に出るヒロインは涼宮ハルヒが気に入りそうな者たちが多い。(たぶん…

糸賀 太
2か月前
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「星々の船」【ファファード&グレイ・マウザー】_ヒロイック・ファンタジーの思い出

本記事はフリッツ・ライバー「星々の船」のネタバレを含みます。恐れ入りますがご了承下さい。…

糸賀 太
3年前
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【読書感想文】フリッツ・ライバー「ランクマー最高の二人の盗賊」は敵役にこそ注目の…

「ランクマー最高の二人の盗賊」はシリーズの中で最強の女性たちが現れる作品といってもよさそ…

糸賀 太
2年前
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【読書感想文】フリッツ・ライバー「凄涼の岸」は凄く涼しく激しく熱い

 ファファード&グレイマウザーの「凄涼の岸」を読み返していたら、グッと来る場面があった。…

糸賀 太
3年前
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【読書感想文】フリッツ・ライバー「アルバート・モアランドの夢」

(新しい方の)『幻想と怪奇』の目次に、ライバーの短編「アルバート・モアランドの夢」という…

糸賀 太
2年前
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【読書感想文】フリッツ・ライバー「痛みどめの代価」

ファンタジーのなかでもファファード&グレイマウザーが好きです。 シリーズもの?と、いう質問がでたとしたら、 いいえ。一話完結の短・中編を集めて時系列順に並び替えたものです。初出のときは、一話一話で独立していた作品を、単行本化にあたって連作短編のようにしました、と答えます。 上のほうにも書きました「痛みどめの代価」は、1970年の発表(原著)の短編です。フリッツ・ライバー(1910-1992)の手になるファファード&グレイマウザーもの(1930年代後半に発表)のなかでは後

【読書感想文】フリッツ・ライバー「円環の呪い」

ファファード&グレイマウザーというファンタジーが好きです。 どのようなお話か?というと、…

糸賀 太
2年前
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【読書感想文】「ベルゼン急行」フリッツ・ライバー著

雑誌掲載オンリー幻の短編「ベルゼン急行」は、まさにライバーな名品だった。一週間で二回読ん…

糸賀 太
2年前
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宝石髑髏: 「リチャード三世」と「盗賊の館」の共通点

その髑髏はどこから?シェイクスピアの「リチャード三世」でクラレンスが夢を語る場面こそ、フ…

糸賀 太
1年前

【読書感想文】「地獄堕ちの朝」フリッツ・ライバー著

冒頭がメッチャかっこいい短編時間SF小説を読んだ。まさしく「最初からクライマックス」――文…

糸賀 太
1年前
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笛を吹くなといったニンゴブルの情報源

七つ目のニンゴブルは「正体不明の笛など絶対に吹いてはならん」(*1)と、被後見人にしてネ…

糸賀 太
1年前
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アーサー・デントも読むなるガーディアンに、フリッツ・ライバー『放浪惑星』にの辛辣な書評があった(2009年)。肯けなくはないものの、評者さんには約半世紀分の後知恵を活かして、当時の読者の反応や前後の他作品も視野にいれてほしかったところ。https://www.theguardian.com/books/booksblog/2009/apr/03/hugo-awards-fritz-leiber-wanderer

糸賀 太
1年前

アイアイだけど北の島【読書感想文】

ファファードアンドグレイマウザーは人生 この作品を読みましたFritz Leiber, Rime Isle (Swords and Ice Magic, Open Road Integrated Media, 2014所収) (アイスランドのような島が舞台の小説についての読書感想文のため、アイスランドの写真をお借りしました。この場を借りて御礼申し上げます) Rime Isleは『ランクマーの二剣士』の訳者あとがきで、浅倉久志先生が氷の魔法の二剣士として紹介なさっていた本