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【悪用厳禁】アリストテレスに学ぶ弁論術:短編

こんにちは。

今回は、短編です。
アリストテレスに学ぶ弁論術を、営業に少しローカライズした勉強用のまとめがあったので、こちらで簡単に紹介します。

このNoteのメリットは以下です。

書籍より引用

アリストテレスの弁論術は英語版含めいくつか書籍が出ています。
これを、イラストを用いてまとめたのが本Noteになります。

弁論術 (アリストテレス)

Wikiより引用


『弁論術』(べんろんじゅつ、古代ギリシャ語: Τέχνη Ῥητορική, Technē Rhētorikē、羅: Ars Rhetorica、英: Art of Rhetoric)は、アリストテレスによって書かれた弁論術(レートリケー、レトリック)についての著作。

古代ギリシャの弁論術を理論的・体系的にまとめ上げた古典の傑作であり、キケロやクインティリアヌスなど、古代ローマにおける弁論術(修辞学)の代表人物らによっても言及されている。

アリストテレスの著作では、『詩学』と共に、制作学(創作学)に分類される著作であり、ベッカー版では、『詩学』(や『アレクサンドロスに贈る弁論術』)と共に最後尾にまとめられている。

ルネサンス期の人文主義者や、19世紀の文献学者によって翻訳・編纂が行われてきたが、20世紀に入り、哲学者や政治学者によって注目されるようになった。

logos(ロゴス、言論) - 理屈による説得。
pathos(パトス、感情)- 聞き手の感情への訴えかけによる説得。
ethos(エートス、人柄)- 話し手の人柄による説得。

アリストテレスはこの3つの内、logos(言論)を技術の中心に据え、秩序立てようと努めているが、残りのpathos(感情)とethos(人柄)という2要素も、他者を説得する上では決して無視できない要素であるとして、同程度の文量を割いて考察している。



しかし、営業は弁論ではありません。
トークで無理やり納得されることでもありません。

一流の営業とは?


私が考える一流の営業の定義はこちらです。

自分の成績や保身のための営業ではなく、目の前のお客様のため「だけ」でもない。

楽しみながら、熱意と自信を持って
お客様に対してリーダーシップを発揮し、お客様のその先を考えて提案する
ことができる。

これが一流の営業のあるべき姿だと考えます。

この一流であるため、お客様目線や課題解決力など必要な心構えや考えはいくつもあります。
一方で、ある程度自分の伝えたいことを伝える、商談をお客様のためにハンドリングする能力は求められます。

そんな、ある程度の会話能力の基礎を学ぶためにこのアリストテレスの弁論術を読み、研究しました。

万学の祖、アリストテレスの提唱する弁論術。

日常生活でも、仕事でも使えるそんな弁論術を、書籍をベースにまとめたものを紹介します。

弁論とは?

そもそも、強い弁論=説得とはなんでしょうか?

アリストテレスは、お互いの常識を出発点に、相手の納得を積み重ねることこそが強い弁論であると提唱しています。

一方的に自分の常識を押し付けても人は納得しません。

これは商談にも言えます。
ヒリングが大切、お客様のお困りごとを聞きましょう。このような聞く力が求められるというお話は以前も別Noteでお話しました。

様々な営業本なのでも語られているので、ヒアリングが大切とは皆様理解されていると思います。

では、何故でしょうか?
いろいろな理由がありますが、このアリストテレスの定義でいくと
相手の常識を確認し、納得を積み重ねていくための準備」としてヒアリングが大切だと言えます。

約2000年前から読まれている弁論術。
令和の今でも参考になる要素がたくさんありますね。

その他にも、このような説得ポイントがあると書かれていました。

アリストテレスが提唱する説得ポイント


これは抽象度が高く、理解が難しい側面もあります。

しかし、営業の人柄=信頼関係や、聞く人の気分、話の内容の大切さ、妥当性の観点は営業でもその他でも大切な要素です。

気分が乗っていて、正しい内容でも全く信頼できない見ず知らずの人にいきなり言われたら…納得できないですよね。

これも割りと大きな視点ですが説得においての重要な要素がまとまっていると感じました。

説得力の構成要素

弁論をし、説得をする目的は「相手に納得してもらう」ことにあります。

説得は成功したけど、納得されない。という状況では説得の意味がありません。

とてもキレイなトークで説得した。でも「あなたの感想ですよね?」となっては意味がないのです。

納得の要素には感情が入ってきます。
論理だけでは人は納得できません。

納得の方程式

感情の要素については、言語化しかり再現性を持って活用できるノウハウが膨大すぎるので…
今回は論理性、ロジカルを中心に話を勧めていきます。

説得するための論理性


説得ポイントの一つ、話の内容の正しさはこの「論理性」によって生まれます。

論理性は、論理的な話し方=ロジカルトーキングで醸成することが出来ます。

そして、論理性は大きく説得推論と例証に分類されます。

説得推論

説得推論はシンプルです。AだからBだ。の構造です。

根拠を持って、推論を話すことで事実ではないもしくは事実に近しい推論の説得力を高める話し方です。

ここで大切なのは、事実の部分です。

事実、根拠が一般的になればなるほど、説得力は落ちます。

相手固有の問題や事象に当てはまる、個別具体的な根拠や事実のほうが説得性がますと言われています。

少し違いますが、個別指導塾やパーソナルジムようなイメージでしょうか?

全体的な話より、自分にあった指導をしてもらったほうが効果が出る(でそう)というイメージを持たれると思います。

個人的にはそんなイメージだなーと理解しています。

これが、説得推論のキホンです。

では例証はどうでしょう。

例証

基本的なロジカルシンキングで紹介されている演繹法、帰納法、仮説法に加えた第4のロジカルシンキング的な立ち位置であると考えています。

仮説的思考に近いのですが、もっとシンプルに証明の省略を行いつつ、根拠命題が若干乏しいときに説得力を増すためのトーク方法でもあります。

これだけ聞くと、詐欺などで使われていそうですが。。。

アリストテレスの時代は、ネットもなければ様々な根拠に乏しい時代だったので
根拠が薄い中でも納得をさせるために培われた方法なのかもしれません。

ある種、テクニックとして理解しておくことは大切。かもしれませんね。

AREA話法

ではこれらのテクニックを現代版にローカライズしたらどのような話し方になるのでしょうか?

それはAREA話法です。

このAREA話法が最も近く、この後伝えるアリストテレス提唱の説得の方程式を一番生かせる話法だと思います。

まず主張。
ここでは、一番伝えたいこと、結論を伝えます。
今から話をするゴールはここですよという主張、ゴール設計になります。

次に、理由。
なぜ、結論のような考えにいたったのか。理由を述べます。
ここでは、事実を用いたり、数字を根拠とするなど一定の工夫が必要です。

その後、具体例(根拠)を話します。
これは、結論+理由に対して説得力を持たせるために重要です。

先程の例証しかり、たとえ話や事例などですね。

最後に再主張。
結論で始まり、結論でまとめる。

これがAREA話法です。

この話法ができると、説得推論が行いやすいと思います。

AREA話法はシンプルなので、相手とのズレが生じた際
図のような後退話法で繋げてリカバリーができるからです。

その他の演繹法なども有効ですが、事前の常識の合意に時間を要してしまう傾向にあります。

ガチガチにルートが決まっているトークではない限り、このAREA話法は有効的であると考えます。

では、この主張、理由を伝える説得の方にはどのような物があるでしょうか?
アリストテレスが提唱する10個の方を紹介します。

納得につながる説得推論の型10類型

他者を納得させるための説得の型として、10この類型があるとアリストテレスは提唱しています。

これらはシンプルなので、以下図にて例と、構成方程式をご紹介します。

①定義

②反対

③相関

④既決

⑤比較

⑥分割

⑦結果

⑧一貫性

⑨矛盾

⑩非現実

以上、10個の説得推論の型でした。

基本的には上記累計に合わせた説得推論を実施し、補足として例証を使う。これが現代において最も納得を生む説得話法につながると考えます。

さいごに、アリストテレスが提唱している信頼の要素について紹介します。

信頼の7つの要素とは?

物事を判断するために必要な信頼の要素として上記7つが上げられていました。

マインド的な話になりますが、説得推論と合わせてこのような気持ちも大切に他者と会話をしていきたいですね。

以上です。

今回は短編で弁論術についてまとめました。

少しでも参考になればスキ、フォローをいただけると嬉しいです。

ではまた。
お疲れ様でした。









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