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トレードで破産した40代はいかにしてITコンサルになったか(3/3回)

全3回になってしまいましたすみません
今回は特に、転職に苦しんだり自分の価値を見失ってしまっている人に役に立てばと思います
自分の価値の見つけ方や発想の転換、また自分探しの罠についても書いておきます
これは人生を変えるハック的な要素もあると思います
仕事選びにあたりこういった選択肢もあるんだなと感じてもらえれば幸いです

・自分の性質を知る

人間にはそれぞれ様々な特質があり、一律同じ型にはめて働くことは大きなリスクがあります
内向型の人間が営業やるのもきついでしょうし、機械が苦手なのにプログラマーはきつい
ここまでは直感的に理解できるかと思います

前回までに書いた事情の他にも
自分はロングスリーパーで寝ないと仕事になりませんし、夜型です
夜型の人間が朝イチから働くというのは、昼型の人が夜勤するのと同じですから単純にきつい
一般的な建前でできた人間関係も苦手で社会にうまく適応できていない
正社員という雇用にまったくハマれないタイプの人間です

日本では就業期間に空白ができてしまうと採用はぐっと難しくなるらしいです
自分のようなタイプの人間は昼型正規雇用中心の世界では苦しむしかないんでしょうか?
ちょっとそれっておかしいですよね。おかしいけど俺に社会を変える力はない
哺乳類は少数派を排除して大集団を生かすことで発展してきた生物です
排除にあたっては所属集団のためという大義に陶酔感すら感じるようにできている
人生ってフェアじゃないなーと感じることも多いですが、生きるって許していく事だなとも思います
多数派が俺を許さなくても、俺はそれを許していく。そうやってデカくなっていくしかない

・メタ思考のフレームワーク

ここで自分がやってきたメタスキルの研究が役に立ちました
メタスキルの研究ではメタ認知を得るために自分の特性を調べます
詳しくはまた解説しますがストレングスファインダーなどでもお手軽に診断することができます
もし自分の厄介な特徴に苦しんでいる人がいたら、能力のトレードオフについて考えてみてください

トレードオフとは要するにどちらか一方しか得られない状態のこと
逆に言えば、何か欠点があることは何かが優れているとも考えられます
つまりあなたの欠点を見れば、その逆側に長所がある可能性が高い

自分はロングスリーパーで1日の活動時間が短いことが欠点ですが
特性としては1日ごとにストレスを発散できますし、これだと思った仕事は週7日労働でも余裕です
内向的な性質も1点について思考を突き詰める仕事に向いています
建前が苦手というのも、少数の人と深い信頼を結べる利点があります

厄介な特性ではありますが、この特性のお陰で自分は20年近くフリーランスや経営者としてサバイバルしてきました
当然ながら大学卒業後の自分より遥かに知識も経験もありますし、言語化できない知見や胆力のようなものも身につけています
なのに就職市場では不利になっている。これはまったく、大幅に、完全にバカげた事実だと思います

こういう時自分はメタ視点からの弁証法的発想転換をやってみます
メタ視点とは自分の主観からもう一つ高い視点を持つこと(サッカー選手の俯瞰視点みたいな感じです)
弁証法とは、行き詰まった時には真逆のやり方を取り入れて進歩できるという考え方
この辺の小難しい用語はいずれ解説しますが、どちらも人生の色々な局面で役立つメタスキルです

自分がそのフィールドでの価値にハマれていない状況では真っ向勝負をしてもしょうがない
自分の価値が高まるフィールドに移動して戦うべきだというのが経験から得た知見のひとつです

ともかく、事態を俯瞰して見てみると解決策は意外な場所にある
そしてそれは得てして真逆の場所にあったりします

・見られる立場から見る立場へ回ってみたらどうか

自分はこういった思考の転換からコンサル契約に至ることができました
面談は自分の価値を見られる時間、という発想も転換して
こちらが企業のサービスや競合を分析して、伸び代や弱点について指摘していく

前回も書いた通り面談は非常に変な空気になりますがそれはしょうがないですw
正攻法で自分の価値が認めてもらえないなら、システム外からアプローチしたっていいはずです

自分はこのタイミングで仕事に結びつけることができましたが
孤独なトレーダー生活の中で自分探しに時間を取られすぎてしまった時期もありました
そこで自分を知ることについての注意点と、その脱し方についても書いておきます

・自分探しの罠

40代の危機ってのがありますね。
およそ8割の人が40-50代で自分の生き方や過去に不安を感じてストレスやうつ状態を経験するそうです
同世代の友人達もやはり、人生の残り時間ややり残しについて考える時間が増えているようです

思えば事業に対してモチベーションが下がってからのここ数年。
ブルックリンでゴスペル見たりメタスキルの研究したりトレードに集中したりと関心がほぼ内側に向いていた気がします
自分の能力をどう高めるか、自分がなにをやりたいか、なにをすべきか。とかそういうやつです
人生にはそういう期間が必要だとは思うんですが、自分探しに出て自分見つけるやつって基本いないんですよね

仏教には諸法無我という考え方があるそうです
ひらたく言うと[自分]なんて存在しないんだよー、ということです。

自分で考える[自分]は掴める様で掴めない
日々の経験や思考で自分自身はどんどん変わっちゃう訳ですから、昨日探してた自分は今日はもういない
たまねぎの皮みたいに何枚むいても核にはたどり着けないわけです
思うに[自分]とは結局他者(もしくは環境)との差分でしか確認できないんじゃないでしょうか
核のようにしっかりしたものではなく、水滴のように形があるようでないもの
なんとなく今はそんな認識でいます

自分探しに時間を掛け過ぎると経済的にもけっこうなリスクがあります
そこで自分がおすすめしたいのは他者との対話によって自分を見つけるというやり方です
自分の場合は企業との面談によって経歴を見直し、提供できる価値を見つけることができました
自分の経歴をまとめ、他人に見せてみると自分と他人の差分が明らかになる
自分だけが持っている経験やノウハウがそこで価値になるわけです

・棚卸しした経歴に筋を通していく

経験の棚卸しについても大きなヒントがここにありました
自分の価値がわかっていないとき、最初のバージョンの経歴書はただの経験の羅列になってしまいがちです
自分だけで完璧な経歴書を仕上げられることはまずないと考えていいです

早い段階で誰かに(自分の場合は面談で)見せて反応をもらう
最初はうまくいかないでしょうが経歴の中に必ず光るものがひとつはあります
(なぜ見つかるかという理屈は上記で書いたトレードオフ、他者との差分にあります)

ここで価値を見つけたら今度はそれを経歴書に反映していきます
どういうことか?
ただの羅列だった経歴を、価値を見つけ出すまでの物語として描き直すんです

自分の場合はベンチャー行ったり経営したりという雑多な経験がありました
自分にとってはスペシャリストではないというコンプレックスだった訳ですが
面談していくにつれて、これがむしろ価値だという事が明らかになりました
スペシャリストはスペシャリストであるが故に業界横断的な経験はない
俺はスペシャリストでないが故に俯瞰的な知見を提供する事ができます。まさにトレードオフです

こうなると自分の雑多な経歴は、横断的な知見を得るまでの物語に変貌します
あれもやった、これもやった、だから私には価値があります。
あの業界のノウハウがある、この業界のコネクションがある。だから価値があります
そんな風に経歴を見直す事ができた訳です

特に自分の場合は
1.企画から売上タッチまでの一番きついスタートアップの一貫した経験
2.プログラマー経験とマーケティング経験を組み合わせてプロダクト開発から販売まで理解できる
この2点が強みになりました。どれも横断的な知見を組み合わせています

さらに
3.インフルエンサーマーケティングを内製化して販売に結びつける
という打ち手は非常にレアな知見である事がわかりました
マネジメント、育成ノウハウやコネクションも含めて真似できる人はあまりいないと思います

また現在はAIやDXの需要が非常に高かったこともラッキーでした
需要の高いところに網を張るというのもメタスキル的な俯瞰が役立ちました

AIはとても便利なツールで、こうした発想の転換で生産性が何倍にもなる。個人でチームに勝てる時代が来た。そう思います。

・ともかく、できる

超長文になってしまいすみません
とにかく上記の様な構造で、自分の様な社会にハマれない人間でもなんとか結果に結びつけることができました
重要なポイントは

・自分の特性について把握すること
・才能のトレードオフに気づいて発想を転換すること(多くの短所は長所である)
・他者との差分で価値を明確にすること
・自分の経歴を、価値を見出すまでの物語として解釈し直すこと

まとめるとこういう感じになると思います
大きいこと言っちゃいますが上記の構造を知ることで人生は変わります
短所が長所になる訳ですから。発想の転換をしてみてください

これからも自分の知っていることは公開していきますが
経験上、ここに至れない人に足りないのはノウハウではなく自信だと思います
いきなり面談が怖ければ友達にでも経歴を見せてみてください
君ならできると言ってくれそうな人に相談してみてください

そういう友人もいないよーという人でも大丈夫です。
とにかく大丈夫だと俺が保証します。騙されたと思って自信持ってみてください
自信が行動力の源泉になります

・最後に

ちなみに求職活動を始めてから契約に至るまでのタイム感を書いておきます

1-2週目 uber登録しつつバイト募集に落ちまくった期間 
2-3週目 ハローワークに行ったり転職サイトに登録した期間
4-5週目 エージェントに返信したり、スカウト企業とカジュアル面談した期間
6-7週目 発想の転換をしてコンサル契約に至った期間

といった感じで実際に報酬が振り込まれるまのはさらに1,2ヶ月後
無収入期間はやはり3ヶ月超えてきます
自分はザ・無職で乗り切りましたが使える人は失業保険を使ったほうがいいかと思います

いずれまとめて書きますが
この期間に情報発信をして自分を知ってもらうことや
自分の経歴についてまとめておくことの重要性を痛感しました
それができていればあと1ヶ月は短縮できたかなと思います

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