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不動産に接する様になって気付いた事(別荘地)

私の師匠は、あちこちに不動産を持っておられる方で、国内外へ出張や旅行するとき時間があれば現地の不動産屋さんと物件を見て回ることをされておられました。その話を聞いて、私自身も、すぐに購入はしないし、できないけれど、あちこち移動するときに現地の不動産をみることが増えてきました。
 特に、投資用という様な視点もなく、あくまで利用者視点で、その場所、土地、そして建物や家、その内装などを見ています。最初は、全く良し悪しや価値が分からなかったことが多かった世界ですが、件数を重ねていくと多くの発見や、業界の仕組みを知ることが多く、そして、その物件を建築された時代背景や、建てた方の思い、そしてそこから去る事情も知ることができて、とても面白いなあと感じています。

 また、昔は、不動産に関しての知識や情報も、経験者、専門業者、書籍などからしか得られなかったと思いますが、今は、インターネット上の様々な情報、そしてYoutubeにも多くの解説があり、かなり知識を得ることができますね。本当に凄い時代だと思います。

その中で、ここ数年で内見した数件の物件をみて感じたことを簡単に書いておきます。

 避暑地として有名な軽井沢にいくと、旧軽井沢は、区画も大きく立派な建物がありますが、非常に高価です。親の代からこの旧軽井沢に物件を持っておられた方に伺ったのですが、5月頭になると雇人を連れて現地にいって清掃をしてから使うそうです。一般的な掃除だけでなく、屋根の落ち葉や、ときどき床下に動物が住み着いている場合もあり、なかなか大変だそうです。また、旧軽井沢だけではく軽井沢地区は梅雨時期に非常に湿度が高く、常時除湿機を動かしていないと室内にカビが発生するのでとても注意が必要です。 梅雨の時期に内見にいくと、マンションの外壁にもカビがみられることがあります。梅雨が開けて夏になると爽快で素晴らしいのですが。避暑の別荘として作られている物件は、秋以降は室内が寒く定住には向かないです。

 軽井沢も中軽井沢から北の千ヶ滝方面にも別荘地がありたくさんの物件がありますが、あまり使われていない物件もみられます。崖の上だったり、小さい小屋風の物件だったり多様です。しばらく使われていない物件には傷みを感じます。でもこのあたりは、他の地域に比べてまだまだ人も住んでいて、冬の定住の方もおられて地域全体としては十分良いと思いました。

 北軽井沢という名前の中軽井沢から40分ほど北にあがっていった浅間山の麓の地域(群馬県)があり、一番高い場所で標高1400mぐらいあるので夏は軽井沢よりも涼しいです。ここは、明治時代から開発された大学村もあり、小学校もあり歴史は長いですが、大部分の別荘地は高度経済成長期につくられた大規模なエリアで、軽井沢よりも、ぐっと人が少なく店舗も少なくなります。比較的新しい物件がある地域は、十分に人の気配がありますが、古く一部廃墟化している地域では、オフシーズンの夜は怖い感じを受けました。最近、軽井沢は、夏場30度以上になり蒸し暑く、また観光客で道路も街も激混みするため、静かに落ち着いて過ごせるこの地域を好まれる方も多いようです。知っている軽井沢定住の方は、軽井沢と北軽井沢の両方に物件をもっておられる方もおられました。私も夏場は北軽井沢の方が良いと思います。

伊豆地域も時折訪れるのですが、海が近く温暖で人気のある地域です。この地域も高度経済成長期のブームで多量の開発がされ、その後使われていない物件が増えているのは同じですね。熱海は、新幹線も停車するので最近かなり復活してきた地域だと思います。通年で使えるのでよいかもしれません。

 このようにあちこちの物件をみて、特にまだ利用されていて現住の方の物件を拝見すると、リアルなお話を伺うことができ、とても興味深いです。
 手放そうとされている方々のかなりの方は、高齢になってきて、自動車で遠方にこれなくなるとか、そうすると奥さん一人では運転できないので生活できなくなるとか、病気でしっかりとした医療のある地域に戻るとか、ご家族の方がおられる都会に戻るという方々のお話を伺いました。現役時代には立派なお仕事をされていてこの地域に住もうとされたんだなあと感じます。室内に地鎮祭の写真が置いてあり、希望をもって土地も建物もとても良いものを建てておられたのだが10年程度の間に使われなくなってしまった物件も拝見しました。

以下に、有名な乱開発をした大洋村別荘地が今どうなっているかを示すYoutubeを引用しておきます。これは極端な例ですが、人口減少の日本では、道路や鉄道などの交通、水道、電力、医療、教育などのインフラ維持が難しくなってきますので、どの地域に住むかは非常に重要になっていきます。

また、自宅以外に別のところにも住みたいとおもったり、キャンプからより安定した住宅を持ちたいと思うのも当然ですが、以下のような現実を知っておくと良いと思います。

最後に。
 以前、読んだ記事で、人生の中では、時間、お金、健康、という大きな3つの資源があるのだが、全てを自由に使える年代はあまり無いということが書いてありました。つまり、仕事を始める前の世代は、健康で、時間もあるがお金がない。仕事をしている20代から50代ぐらいは、健康で、多少お金もあるが、時間がない。(子育て世代は時間もお金もない!) さらに年をとってくるとお金も時間も余裕がでてくるのだが、健康がない、というように人生でこの3つが揃った時期はかなり短いとみて良さそうです。
 なので、経済的に成功して、年をとってから良い別荘地を手に入れても、健康が失われていくと使えなくなってくのだなあ、としみじみ感じた次第です。
 若い時期からよい不動産を利用できるのは親以前の世代がしっかりした資産を残されている人が多いのだなあと、これは自分では変えられないことなので、自分のできる範囲で日々をしっかり生きたいなあと思います。

ありがとうございました。

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