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地獄ではない場所への軟着陸

自分になにができるのか、なにがしたいのか。
相変わらず分かっているようで、よく分かっていない。

したくないことは明確だ。

性風俗に戻ること

それにも関わらず、わたしがもっとも長く働いていたのは性風俗なのだ。だからそれしかないような気がしてしまう。
裸で下水道に踏み入って笑顔を振りまくような行為なのに。
不潔で、危険で、尊厳を踏みつけにされてさらに「お客様、お金をくださってありがとうございます」と、ひれ伏さなければならない“仕事”なのに。
自分にできることを考えようとするとあまりになにもないので、性風俗に戻ったほうが無難なんじゃないかと思う瞬間がある。
裸になってニコニコ笑いながら、客の性器を刺激することくらいしかできることはないんじゃないかと思って、静かに絶望することがある。
それは、多分知らないひと達が想像しているよりも、ずっと頻繁に、たびたび起こる。
職務経歴が穴だらけであること、年齢のこと、すぐイヤになって投げ出すのではないかという自分への不信、その他すべての未来に対する不安。
どっちを向いても地獄なんだったら、いっそ見知った地獄が一番いいのではないかと考えてしまうのだ。

今日までのところ、かつていた地獄を選ぶということは、起きていない。
すきあらば思い浮かぶ未来への不安が、予期不安の類であることを、なんとか自覚できている。
多分、わたしが今思い浮かべている以外の着地点は必ずあるのだ。
そしてわたしは、急いで着地しなくてもいいのだ。
怯えなくてもいい着地点が、どこかに多分あるのだ。
多分、きっと。


4月からライティングの業務委託が再開できそうでホッとしている。
名義が違うのでここでは宣伝ができないが、わずかながら仕事ができそうなことが嬉しいので、報告がてら書いておく。

相変わらずなにも持っていないわたしにも、性風俗以外の着地点が見つかるといいと思う。


では、また。

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