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『8番出口』間違い探しとホラーの親和性について(ネタバレ有)

ハイ! GWいかがでした? 社会人さんにも学生さんにも平等にやってくる大型連休。毎度のことながら祝日の配置が絶妙ですよね!

四月に始まった新しい生活。進学したり、就職したり、職場が変わったり、とにかく新しい生活様式に馴染んできた頃合いで訪れる連休です。せっかくノってきたところに水を差される週間でもあります。

わかってきた営業電話のかけ方とか、新しく覚えた数式の使い方とか、お客様からふっかけられる無理難題のスルー方法とか、せっかく手に入れてポイント注ぎ込んだスキルも連休の怠惰な生活リズムがすっかり忘却のデバフをかけてくれちゃいます。またチュートリアルからやり直したくなるような絶妙な祝日の配置っぷりです。でもそれはそれで終わってしまうのがおしい黄金の週間でもあります。休めた人はまたしっかりスキルアップのため頑張りましょう。休めなかった人は、えーと、まあ、頑張ろうね。うん。

というわけで葉落々の『哲学シャーク・オブ・ザ・デッド!』の時間がやって来ました!

ネットミームと化したサメのごとくに獲物を丸呑みする。そこに物理的化学的電気的なサメ意識は存在するのか。それが哲学シャーク!

今回も『葉落々の準備室』は哲学回! 前回の準備室はウォーキングシミュレータ『8番出口』ゲームレビューでした。今回は実際のプレイを実況しつつプレイ感想をまとめてみたいと思います!

※以下、スクロールした先にネタバレが含まれています。


一言でゲームを表現するとしたら、『8番出口』は終わってしまうのがおしいゲームです。出口を目指すゲームなのに、出口にたどり着くとなんか少し物寂しい気持ちになります。何故?

制作者さま曰く「間違い探しとホラーの親和性の高さ」に気付いた時に『8番出口』のアイディアが生まれたらしいです。

シンプルな画面構成の見た目以上にアドベンチャーゲーム感があるホラー間違い探しゲーム。コマンド選択式ではないにしろ、一つ一つ異変がないか環境を調べていく感覚はまさしくコマンド総当たり攻略法です。

ではそろそろプレイ開始! っていきなりスタート画面がもうすでに地下通路!オープニングもなしにいきなり異世界へぶち込まれるんですか!

ちょっと待って。まだ心の準備が。というプレイヤーの方もいらっしゃることでしょう。でもこれがまた哲学的でいいんです。間違い探しはすでに始まっている。いつからそこが日常だと勘違いしていた?

まず1周目は様子見ってとこです。異変は現れず、これが日常だと認識する周回です。

プレイ続行。さあ、8番出口を目指して、地下通路のコーナーを曲がりまッ──!

これは間違い探し以前の問題ですってば。
喫煙に対しての地下通路管理者のエグいほどの執念が感じられます。こういう標識の貼り方一つでここまで鳥肌モノの異変を表現するなんて。すぐさま引き返しましょう。無事にこのホラー性アドベンチャーゲームの第一段階に染まります。

前回も示した通り、こちらのゲームは「逃げてもいいホラー」なんです。幸運にも怖い異変に気付かずにスルーしてしまってもまた0番出口からやり直しが始まるだけで、ゲームオーバー的なペナルティは存在しなッ──!?

そういう精神的にくるのはやめてください。お願いします。『8番出口』にBGMはないんです。だからちょっとした物音にも過敏になっちゃうんですってば。

何度も無限地下通路をループしながら歩いていると自然と『8番出口』第二段階にレベルアップしてる自分に気付きます。「怖っ」なおっかなびっくりプレイの第一段階から、「来るなら来いや」なホラーに馴染んできたプレイの第二段階です。でも、無論のこと、ゲームはそんな強者の心理もちゃんと心得ており──?

うわあ(引き気味に)。
思わずコントローラーを握る手に力が入るタイプの異変はキツいです。まさにホラー映画のワンシーンじゃないっすか。これで逃げる人はホラーゲームプレイヤーで、逃げない人はよく訓練されたホラーゲームプレイヤーだ!

そして第三段階、ゾーン突入です。「そっちが来ないならこっちから行くぞ!」状態に達します。もうね、ホラーとはなんぞやって境地に立ってる気分になってきます。でも『8番出口』はそれすらも軽く上回る異変を用意してるんですよね──。

異変を探す間違い探しゲームでこんなわかりやすい異変を持ってくるなんて。日常でこんなことが起きたら即逃げですけど、これはホラーゲームです。しかも第三段階プレイヤーです。ここぞとばかりにプレイ続行してしまいますって。それこそ異変制作者の思うツボです。

そして最終段階へ。異変が何も起きないと物足りないと思ってしまう自分に気付くはずです。「何も起きないのはつまらん」状態に到達です。そこは高みです。異変がなしってのが日常であるはずが、自ずと無限ループを求めてあえて異変を見逃して──。んー? おっさん、そんなんでしたっけ?

怖さは面白さ。そして間違い探しとホラーの親和性の気付き。
『8番出口』は意外性を体験するアドベンチャーゲームです。

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