月見葉落々はコミケ行列の果てにオールトの雲を見た。コミックマーケット102に参加した話

ハイ!
こちらは『大學奇譚 葉落々の準備室』です!

私、月見葉落々がばっちりご案内します!


昨今のネット界隈では、日本の四季は失われたと言われてます。

春と秋はすでに消失して、やたら蒸し暑く大雨が降る暑季とパキパキに乾燥して大雪が降る寒季の『二季』なんて揶揄されているわけで。

ところが日本には春と秋はまだ生き残っているのです。花粉が舞い散る春季と月見バーガーの季節である秋季。花粉と月見バーガーさえあれば春と秋は生きていける! 花粉イヤだわ。春はもういらないわ。


さて、今回の『大學奇譚 葉落々の準備室』は近況報告回です!
同人ゲームサークル『F0.94』としてコミックマーケット102参加しましたので、ちょっとお邪魔してきました!




行列。それは人が創り出すモノの中で最長の構造物。万里の長城? その長城とやらですらも人類は行列を作って並ぶんですよ。


『なぜ行列に並ぶのか。そこに行列があるからだ』


イギリスの登山家ジョージ・マロリーが果てしない行列を前に言い放った名言です。

その言葉に哲学的意味を求めるのは容易いこと。哲学なんて所詮後付け説明だから。冷凍グラタンにエビが乗っかっているかいないか、みたいなもの。グラタン食べ終わった後に「はたしてエビが乗ってたか、否か」なんて考える人います? 山を登っている最中に「私は山を登っているのか、登っていないのか」なんて考える人がいないように。あ、山か。行列じゃない。山だ。ジョージさんは山を見てそこに山があるって言ったんだ。


台風がどこかに潜んでいそうな灰色の空を眺めながら、私は思いました。『ゲリラ豪雨』をはじめて『ゴリラゲイ雨』って表現した人って誰だろうって。


行列。理系高校生を悩ませる待ち行列問題。ATMだろうがチケット窓口だろうが、なんでこんなイミフな問題を計算させられるのよ。フォーク並びで一発解決じゃないですか。

行列。行列に並んでいる時間って特殊ですよね。スマホいじっててもいいし、おしゃべりしててもいいし、ただ立ちすくんでいても、列に並んでてもいい。フリーダムです。

行列。コミケの名物と言えば重過ぎる鈍器のような紙版カタログと世界でも類を見ない複雑系行列ですね!

というわけで、コミックマーケットにてゲリラ豪雨の気配に怯えながら行列に並んできました!


2023年8月某日、コミックマーケット102、通称夏コミ。ようやくたどり着けました、人類が行列の果てに行き着く最僻地に。

コミケの行列は圧倒的人海戦術としてよく知られていますよね。現在でも堅牢な要塞を超多人数で攻め入る際の攻略法にされているほどです。秀吉の三大城攻めでもコミケ行列の捌き方が参考にされたとかなんとか。

世界で最も優秀な群衆の捌き方とも称されるコミケ行列は、実はコミケ会場に向かう電車の中から始まると言われています。

広大なコミケ会場内。とある有名壁サークルの新刊同人誌を得るためにはどのルートで攻略すればよいか。そのためにはどこから入場すれば。そうなると最寄駅も変わってくる。どの路線のどの車両に乗ればいいか。何車両目か。最速で降車するためには座ってなんかいられない。ドア付近? どの車両のどのドアが最も改札に近い? どの改札が駅出口に近い? コミケの行列は電車に乗る時にすでに始まっているのです!

ここまで来るともはや哲学的思考です。誰よりも速く、誰よりも近く、誰よりも強く。これはオリンピックの精神と同じレベルです。


速さって何ですか。コミケの場合での速さとは行列での待ち時間です。そして速さは距離を時間で割った値です。じゃあ距離は? 時間は?

距離は自宅からコミケ会場までの道のり。コミケは会場から家に帰るまでがコミケです。つまり自宅から出かける時もすでにコミケなんです。

時間は行列に並ぶワクワク感も含めての進み具合。いや、そもそも行列に並ぶことそのものがコミケなんです。すなわち時間とはコミケに参加すること。

さあ、速さ問題を解きましょう。


速さ=距離÷時間

すなわち

待ち行列=コミケ÷コミケ参加

展開すると

行列=1/参加


もうね、訳がわからなくなるでしょ。コミケ行列とはコミケ参加の逆数。コミケ行列にコミケ参加を掛ければその値は『1』となる。これがコミケ哲学です。

コミケ参戦者は、サークル参加も一般参加もみんな哲学者ですよ。『1』となる数値を求めて行列と参加が交わる。答えが『1』となるのがわかっていても、『行列』に『参加』するのです。それがコミケ。


作家のサン・テグジュペリが『星の王子さま』の中でこう書き残しています。


「人間はね、急行列車で走りまわっているけれど、何を探しているのか自分でもわかっていない」


行列に並んでも、何を求めているか自分にはわからないものなんです。だって、行列に並ぶことがその求める意味なんですから。

さあ、日本の秋の風物詩、月見バーガーを求める行列に並びますか。月見バーガーを食べたかどうか、そんなの考えるまでもなくただ並びましょう。そこに行列があるから。

私はゲリラ豪雨の中を行列に並ぶのイヤだから、ある程度行列が捌けてからゆっくりとコミケ入城したけどね。待つのキライよ。


そして、月見葉落々は行列の果ての地にオールトの雲を見た。次回、ようやくサークルの島に流れ着いて。ゲームプロデューサー、イラストレーターさんとおしゃべり回です!




『大學奇譚 葉落々の準備室』今日はこの辺で!

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