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僕は大阪や東京の路上で半裸やモヒカン、マクドの看板の上や、ビルのボイラー室やリッツの便所で、スケッチブックに黒鉛の塊で殴るようにして詩を書いたりしていました。 また、山や薪スト…
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#ポエム

幸せ

幸せ

森の静かなノイズ

恋人の耳たぶ

夜中の湖底

ゆれる水草

カバの歯垢

キリンの襟足

肘のシワ

コケの裏

石タイルのスタバ

焚き火の煙

苦いコーヒー

空調

革靴のムレ

矢印の気持ち

ビーム

声を出す快楽

幸せとは

慎重さ

自転車の手放し運転

なげられた石ころのうた

なげられた石ころのうた

投げられた石になって空を横切ってやがて川に落ちる運命なるとも、ふりかえらず、もといた場所に残してきたものもなし、全身に水あびてやがて気泡も尽きて横たわりし川底のマッサージにて、川の全景を知る、見えずとも知る

不自由に敏感でいること

不自由に敏感でいること

なにがしかの不自由に対して敏感でいつづけることは、人生でもっとも大切なことだと僕は思う。

不自由を感じる時、俺は、なにかをしでかしたいんだ。

衝動がこの現状を糾弾する。

飛び出してから考える

走る足に景色は抽象的に、うねる。

その曖昧で不明瞭なノイズの中で

間に合わせに考え

闇雲にバランスをとろうと踏み出す足が

人生を新しい地点にいつだって導いてくれ

もっとみる
虫歯を追い出せ

虫歯を追い出せ

森をとびだして

街にとびだして

カフェのテーブルの上の

出会いのサイコロを

転がして転がされて

土砂降りの街路を

裸でひっくりかえって

雨でうがいをして

虫歯を追い出せ

細胞を設計する

細胞を設計する

リズムが

芽生える

部屋の

こだま

沈黙に光

心音に脚色

しみに像を結ぶ

時のお散歩

ヒマが水底をうって

優しくはねる

音と遊ぶ

時が消えて

ここが立ち上がる

静かな革命