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「線形代数」を利用することでコンピュータの高速計算が可能となっている



〈目次〉
1. 現代社会は線形代数が支えている。行列とベクトルが重要である背景
2. 線形代数とは「数や矢印を並べて変形や計算をする学問」のこと
(1)ベクトル
(2)行列
3.行列とベクトルを使う計算の具体例
4. ベクトルや行列に表すことでコンピューターが理解できる
5.線形代数はビッグデータの背骨である
6.AIにも欠かせない線形代数


1.現代社会は線形代数が支えている。行列とベクトルが重要である背景
現代でテクノロジーや科学を深く理解しようと思ったら、微分積分と線形代数の2つの理解は欠かせない。

しかし、微分積分については何となく知っている人でも、線形代数はまったくわからない人は少なくない思われる。

今回は、線形代数についてイメージで理解し、その重要性や世の中での応用例について解説したいと思います。


2.線形代数とは「数や矢印を並べて変形や計算をする学問」のこと

線形代数とは、「数や矢印を並べて変形や計算をする学問」のことである。
具体的には、ベクトルや行列という手法を使ってさまざまな物事や情報を表現し、それらを計算したり変形する。


(1)ベクトル
ベクトルは「矢印」のようなもので、方向と大きさを持ってる。
例えば、ある人が「東に3km、北に4km移動する」場合、この移動をベクトルで表すと次の図のようになる。

ベクトルのイメージ図


(2)行列

行列は、数を格子状に並べたものである。
例えば、「学校のクラスで数学と英語2つのテストの点数を記録する」場合、1人目の生徒が数学80点、英語90点を取り、2人目の生徒が数学70点、英語95点を取得した場合、これを行列で表すと次の図のようになります。



3.行列とベクトルを使う計算の具体例

次に、例として、『1個100円のりんごと1個50円のみかんを合わせて6個、合計400円分買ったとき、それぞれ何個ですか?』という問題を考えてみましょう。

中学生はこの問題を解くのに、連立方程式を立てることができる。しかし、果物の種類が増えると、連立方程式の数も増え、手計算での解決が困難になってしまう。



線形代数では、この問題を行列とベクトルを使って効率的に解くことができる。

行列とベクトルを使って表すことで、果物の種類が増えても行列とベクトルの次数が増えるだけで、式の形は基本的に変わらず、コンピューターを使って高速に解くことが可能になる。



4.ベクトルや行列に表すことでコンピューターが理解できる

基本的に、コンピューターは0と1の二進数のみで情報を処理する。

この特徴を利用して、複雑な情報もベクトルや行列として表現し、コンピューターに理解させることができる。

例えば、猫の画像はそのままの形ではコンピューターは簡単には解釈できない。しかし、画像を0と1の数値の組に変換することで、コンピューターは効率的に処理できるようになる。



5.線形代数はビッグデータの背骨である

線形代数は、ビッグデータの解析と非常に相性がいいことが知られている。 

なぜなら、線形代数は先ほどの例のように、ベクトルや行列を用いて情報やデータを整理し、コンピューターが効率的に処理できる形に変換する手段だからである。

ビッグデータの多くの情報は、ベクトルや行列として整理され、さらにその上で計算や変換が処理される。

例えば、映画のレコメンデーションシステムや、商品の購買予測など、私たちの日常に密接に関わる多くのシステムが、線形代数の技術をベースに動作している。

このように、ビッグデータの分析や処理の背後には、線形代数の理論と技術が深く関わっている。


6.AIにも欠かせない線形代数
また、線形代数はAIにも欠かせない存在である。
例えば、ディープラーニングの一種であるニューラルネットワークは数多くの層から構成され、各層の間でのデータは行列の乗算として伝播されている。

これを効率よく計算するには、線形代数が利用される。また、データの特徴を捉えるための主成分分析や、変数間の関係性を調べるための回帰分析など、多くの機械学習の手法も線形代数の理論に基づいている。

さらに、AIのモデル訓練の際には、大量のデータを効率的に扱う必要がある。線形代数を利用することで、これらのデータをベクトルや行列として一括処理することができ、計算の高速化やメモリーを効率的に使うことができる。

参照元: 「ループリーパー」Webサイト

以上

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