郷土料理/ 広島県 かきの土手鍋
〈目次〉
1.主な伝承地域
2.主な使用食材
3.歴史・名前の由来
4.旬の時季
5.調理方法と食べ方
1.主な伝承地域
広島市、江田島市、宮島、呉、音戸地方など
2.主な使用食材
かき、豆腐、赤みそ、白みそ、しいたけ、えのき、にんじん、春菊、ねぎ、糸こんにゃく
3.歴史・名前の由来
「かきの土手鍋」の名前の由来は以下の三つあります。
①味噌を鍋の内側に土手のように塗ることから。
②この鍋料理を考案したのが土手長吉さんだったから。
③江戸時代に広島のかきを大阪まで輸送したかき船が、川の土手で鍋を食べさせていたから。
鍋のふちに塗った味噌を崩しながら味を調節する食べ方が特徴です。
広島県は、かき生産量が全国1位で、全国の生産量の半分以上を占めます(令和2年「漁業・養殖業生産統計」農林水産省)。
広島のかき食の歴史は長く、古くは縄文・弥生時代から天然のかきを食べていたことが、貝塚から出土した殻により分かっています。
また1500~1600年代には養殖が始まったと考えられています。
このあたりの湾は、波が静かでありながら潮の流れが適度にあること、湾に河川が流れ込むことにより梅雨時期から夏にかけて海水中の塩分濃度が薄まる層が生まれること、中国山地から栄養素が流れ込むことなど、かきの生育に良い条件が揃っているのです。
広島のかきは身が大きく濃厚な味わいが特徴ですが、味のおいしさだけでなく、県が独自に食品衛生上の条例を設けているなど、安全性の高さも人気の理由と言得ます。
4.旬の時季
1月から2月に旬を迎えるかきを楽しむ冬の郷土料理として、現在も飲食店をはじめ一般家庭で楽しまれています。観光客にも人気があります。
5.調理方法と食べ方
白みそ、赤みそ、酒、みりん、砂糖を混ぜたものを土鍋のふちに土手になるように塗り付けます。
土鍋の底に白菜の芯を敷いて焦げにくくし、白ねぎ、白菜、しいたけ、えのき、糸こんにゃく、にんじん、豆腐などの具材を入れ、最後にかきを乗せます。
だし汁を加えて火にかけ、味噌を崩して好みの味に調節しながら食べます。かきの殻焼き、かきフライとともに、かきの人気の食べ方です。
参照元: 「農林水産省」Webサイト
以上
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