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四元康祐
2017年5月8日 00:35
この日記で先週『親愛なるミスタ崔』を取り上げたところ、吉川凪さんからさっそく速報メールが届いた。吉川さんは韓国文学の翻訳者で、この本の巻末に付けられた「ミスタ崔」の回想エッセイも彼女の日本語訳によるものだ。『親愛なるミスタ崔』の版元であるクオンの若き女社長金承福さんが、その直営ブックカフェ「チェッコリ」で打ち上げパーティを開いた『日中韓三ヶ国語連詩』に韓国から参加した詩人金恵順さんの、大学での
2017年5月3日 04:24
『親愛なるミスタ崔』からとりわけ印象に残った箇所をいくつか。まずは最初から二つ目に出てくる1967.5.15の手紙。書いているのは佐野さんで、あて先はもちろんミスタ崔だ。「無教養の阿呆の私が、ショックで口もきけなかったのは、あなたが酔っ払って『日本への憎しみ』をはき出した時でした。 私は『過去にこだわらずアジアの青年よ前に進もう』等、口がさけても言えませんでした。『一度しかない幼年時代』
2017年5月2日 04:36
二年前の夏、思い立って韓国と中国の詩人に呼びかけて「日中韓三ヶ国語連詩」なるものをやった。おりしも日本は戦後七十周年で、首相が談話を発表するにあたって諮問機関を作り、どこまで戦争責任を認めるかを「有識者」で協議したり、安保法制をめぐって毎週国会議事堂前に大勢のひとが集まっていた頃だった。政治家たちが寄ってたかってが厚化粧した言葉のメイク(談話であれ法案であれ)に励むなら、詩人だって黙っちゃおれぬと