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5軸ルーターの木工にチャレンジ (3) ルーターって?

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この連載で使おうとしているBIESSEは、タイトルにある通り「5軸ルーター」です。第1回の記事で「作りたい家具の部品のデジタルデータを読み込ませると、自動的に木材から部品を切り出してくれます」とサラッと書いただけでしたので、それがどんなものかサッパリ想像できない人も多いと思いますので、ご紹介します。

といっても私も初心者なので、私がどう理解しているかを書きます。

すごく乱暴に言ってしまうと、ドリルのようなものが前後左右上下に動いて、木を自在に切っていく機械です。レーザーカッターをご存じの方は、レーザーの代わりにドリルが付いている機械とイメージしていただけると良いと思います。

ついでなので、レーザーカッター(レーザー加工機)とはどういうものかを先に書きます。ごく一般的なレーザーカッターは、平らな台に板を置いて、その上を縦横にヘッドが動きながら真下に向かってレーザーを照射し、板を切っていく機械です。(「板」と書きましたが、薄いものであればプラスチックや革なども切れます。) 動いている様子はインクジェットプリンターや3Dプリンターを連想するかもしれません。レーザーカッターでできることは、基本的には材料を下まで「切る」か途中まで「削る」かの2種類です。

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こちらは私が作った畑用の立て札です。赤いところがレーザーが出る部分です。立て札の輪郭の部分は「切る」機能で切り抜かれており、文字やイラストの部分は「削る」機能で(切るより弱いレーザーで)彫られています。

レーザーカッターもすごく面白い道具なのですが、
・薄い板しか切れない。(厚いものには「削る」機能しか使えない)
・「削る」深さが一定 (機種によっては数種類) に限られる
ということがあります。基本的に二次元の世界です。

これに対し、BIESSEやShopbotといったCNCルーターは、ドリルのような回転する歯が上下に動きながら切っていきます。(厳密には、「ドリル」は進行方向(回転軸方向)にしか削れないのですが、これらの機械はそれ以外の方向に動きながらも切れる歯を使っていますので、私のような初心者にはパッと見ドリルに見えますが、ドリルとは違います。)

前回ご紹介した拙作の箸置きのように、二次元に切るだけだとレーザーカッターと似たようなものですが、

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高さ方向で変化をもたせると三次元で切削できます。

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こちらの画像はVUILD社の紹介ページより引用しました。その他の作例もこちらのページをご覧ください。

では「5軸ルーター」の「5軸」って何なのか、ということですが、多くのCNCルーターは(Shopbotも含めて)ドリルのような刃が真下に向いて取り付けられていて、それが前後左右上下に動くのに対し、BIESSEなど「5軸」ルーターは刃が自在に傾くこともできるので、さらに加工の幅が広がります。シンプルな例としてBIESSEの公式動画をご紹介します。

これは椅子の座面を加工しているところです。刃が斜めに傾いたりしながら削っている様子がよく分かると思います。

そしてこの動画にもありますが、BIESSEでは複数の種類の刃を切り替えながら加工することもできます。これにより、大雑把に素早く削るとか、細かい曲線を精度高く削るとか、スパッと切り落とすとか、用途に応じた制御もできます。上記の動画の最後の方ではヤスリがけまで行っています。

こちらの動画ではペン立てを作っています。これも5軸ならではの加工です。最後に丸ノコに持ち替えて切り落とすところまで行っています。

というわけで、5軸ルーターを使うとかなり様々な木材加工ができそうだということを感じていただけたのではないでしょうか。もちろん、刃が届かないような深い穴は掘れないとか、材料の裏側を加工したいときは工夫が必要とかありますが、これだけでもワクワクしてきませんか? (してこなかったら私の説明の仕方が悪いのかも。。)

次回はこういった加工をするための設計図を作るツールについて。

(フジムー)

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やってみて 、追求して 、つくりだす 。 いつだって 、世界を変えたのは変わり者だった。何にも負けない『好き』の力が新たな世界を創造する。 東京学芸大学とMistletoeの新たな教育の試み。エクスプレイグラウンド。