ShopBotでできる様々な加工を紹介
この記事では、ShopBotの導入や活用を検討されている方向けに、ShopBotでできる様々な加工方法をご紹介します!
0. ShopBotとは
ShopBotはいわゆるCNCルーターと呼ばれます。
CNCとは、コンピューターによる自動制御(=Computerized Numerical Control)のことで、木工用工具のルーターが自動で動くようになった機械、という認識がわかりやすいかと思います。コンピューター制御により、正確に、かつスピーディーに、加工できるのが強みです。
makitマキタ 電子ルーター
ShopBotTools CNCルーター(PRS-alpha)
ビットと呼ばれる刃物を取り付け、ビットが高速回転しながら縦横に動かすことで、切断加工や溝彫りや面取り加工(角に丸みをつける)などができます。
ビットには様々な形状やサイズがあり、加工したいものに合わせて選定します。基本的には左側のような先端が平たいビットを多く使います。ねじれた刃がついたビットは種類として「スパイラルビット」などと言います。ねじれがない刃がついたものは「ストレートビット」といいます。
オンラインストアでいろんな形状の刃物が確認できますので、気になる方はぜひ見てみてください。
データは、CADソフトで作成された線データ(ベクターデータ)をCAMソフトで加工プログラムに変換して準備をします。
では次に実際にできる加工を紹介していきます。
1. 2D切削加工(輪郭加工)
線データに沿って刃物を動かすことができます。材料をカットする場合に基本的に使う、もっともスタンダードな加工方法です。線の内側・外側沿って加工するかどうかを選べます。
また、深さの設定もできます。切断加工を行う場合は、実際の材料の厚み+0.2-0.3mm程度で深さ設定します。材料の厚みぴったりだと薄皮が残ってしまう場合があるためです。
ちなみにルーターの特性上、内角加工の際、ビットの径分 R の丸みが生じるという特性があります。
意匠的に問題がなければ大丈夫ですが、パーツによっては、はめ合いに影響があるため注意が必要です。はめ合いとして機能させたい場合は、ビットの径分の逃し加工を処理することとなり、”フィレット”の一種である「ドックボーンフィレット」や「T 型フィレット」という編集を加えます。
またパーツを切り出す際、すべて切ってしまうと材料の固定しているものがなくなり、パーツが飛んだり刃物に巻き込んでしまうということが起こります。そのためすべて切り取るのではなく「タブ」という切り残しをつくっています。タブは最終的にノミやノコギリを使って切断することになります。
なお、上記のタブは、オプションのバキュームテーブルがついていれば必要ありません。バキュームテーブルは、材料を配置する面に吸引パワーをセッティングすることで、材料を固定する仕様のテーブルです。カットされた部材も吸着固定してくれるため、先ほどの「タブ」をなしで加工することができ、仕上げ処理も楽になります。
2. ポケット加工
閉じた線(パス)の範囲内を、指定した深さで掘り込み加工ができます。デスクオーガナイザーの小物入れや、組み立て家具などの溝堀り加工でも使用します。
広い範囲をポケット加工する場合、2D加工より加工時間は増えます。
3. 穴あけ加工
例えば、下記のような棚の目隠し扉を作ることが可能です。
また、ShopBotで材料の固定としてビス留めによる固定をする場合、ビス留めの位置を確認するために、あえて深さを3mmくらいの穴をパーツの隙間に空けることがあります。
4.3D切削加工
3Dデータを読み込ませ、そのデータ通りのものが木から削り出しすることができます。上記は顔のデータをスキャンし、切削したもの。
3D加工する場合は、まず大きく材料から形を出す荒削り加工を行い、そのあと表面を細かくなめらかにする仕上げ加工の2つの工程で行います。
特に仕上げ加工の場合は表面を滑らかにするため、刃先が丸い「ボールビット」や刃先に向かってテーパー(ななめ)になっている「テーパーボールビット」などを使用します。
切断加工と違い、特に仕上げ加工では、0.5-1.5mmずつ凹凸の表面をなぞっていくため時間がかかります。凹凸具合やスピードの設定にもよりますが、椅子の座面1つで2,3時間ほどはかかるのが一般的です。(通常の2D切削で30cmの円をカットする場合、材料の厚みにもよりますが、基本的に1,2分で済みます)
3D切削加工はCNCルーターの強みでもあるので、うまく使い分けて使用することが望ましいです。
5. Vビットによる彫刻加工
Vビットとは、先端が鋭利になった刃物のことです。刃先が鋭利なので細かい文字を彫ったり、また木口を斜めにする面取り加工なども可能です。
文字彫刻が正確にできるため、看板や表札づくりには重宝します。
6. インデクサー加工(旋盤加工)
インデクサーユニットを取付ければ旋盤加工も可能です。角材などを回転させながら切削を行うことができ、一般的な旋盤でも難しい左右非対称の形状を切削することも可能です。
一般的な手順としては、読み込んだ 3Dデータを CAM 上で展開し、3D切削同様に、展開された表面3D加工することでデータを作成します。
また、3D ではなく、円柱の表面に沿わせて文字や図形を加工することもできます。
切削加工後は基本的に仕上げが必要
電動工具やのこぎりと同じく、刃物で加工した断面は、いわゆる木がめくれた「バリ」や刃物の「カッターマーク」(消耗した刃物の場合)が発生します。
このバリは、刃物を新調したり・材料の固定を頑丈にしたり・木目に合わせて加工したり、加工条件を工夫することである程度改善することはできますが、基本的には最後手で仕上げ研磨を行い、完成となります。
いろんな加工が楽しめるのがShopBot
ShopBotのいいところは一台でいろんな加工に対応できることです。これまでの加工を組み合わせて、家具や住宅の大きいものからお皿やカッティングボード など作成できます。
ShopBotは現在全国各地の企業・施設に導入されています。個人利用ができたり、加工依頼を受けている施設も多いので、ぜひお近くの工房を探してみてください。
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