成功者の共通点は才能ではなかった!?親にできることは!?

こんにちは。

GRIT やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める究極の能力を身につける」(著:アンジェラ・ダックワース 訳:神崎 朗子 2016年 出版:ダイヤモンド社
という本を読みました。

どのような内容だったのか一言で言うと「成功するための要素は才能ではなく、やり抜く力である」という当たり前といえば当たり前とも感じ取れる内容のものでした。

例えば、知能指数が高くても成功できない人がいるのに対して、「やり抜く力」が高い人には成功している人が多いと言う。(ちなみに「やり抜く力」が高いかどうかは、著者オリジナルのアンケート調査で点数を出しているようです)
つまり、成功者になれるかどうかは生まれ持った才能よりも粘り強く同じ目標に向かって取り組めるかの方が大きく影響すると言うことです。

面白いのが、この本Amazonのレビューで評価が極端に割れているところですね。すごく参考になると言う人もいれば、結論がない!机上の空論だと批判する人もいます。

私的には、結論もあったと思いますし机上の空論と言うほど不可能というものでもないと感じました。
しかし、なぜ評価が低いのかも理解できます。根拠を示す部分(調査方法の説明や調査結果の解説など)が長いわりに、導き出された結論が結構当たり前で地味なんですね。
例えば、向上心を持って改善を常に試みる人が成功しますと言うことが書いてありますが、ん〜そりゃそうだよなと言う感じです。

この本の大事なところは、そういった地味で分かりきった当たり前のことをコツコツ努力しやり抜けることが結局何においても成功するために1番大事と言う現実を突きつけるところだと思います。膨大な調査をして徹底的に「今、あなたが成功していないのは才能がないからではなく努力不足なのです」と言うことを暗に示してきます。これでは、読んでて辛くなりますよね。

面白いのが「やり抜く力」は生まれつきの才能ではないので、誰でもいつからでも伸ばせるというとこです。その方法(というか考え方?)が色々書いてあります。しかし、その全てを書くことはできないので今回は子どもをもつ親としてできることのみに絞ります。

この本に書かれている成功する子どもを育てるための理想の親像は以下の引用になります。

子どもに対して厳しく支援を惜しまない親たちは、ほぼ例外なく、子どもたちにとって努力の手本となっており、親自身が「努力家で、なにかに挑戦するときは全力を尽くし、楽しみよりもやるべきことを優先させ、遠い目標に向かって努力する」姿を子どもに見せていた。
「GRIT やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める究極の能力を身につける」(著:アンジェラ・ダックワース 訳:神崎 朗子 2016年 出版:ダイヤモンド社p.288

子どもに対してはあらゆることを途中で投げ出さないように厳しく接しながら、その中の困難に関しては支援を惜しまない。そして何よりも、親自身も自分に厳しく常に向上心を持って何かに挑戦していると言う姿を見せることがこの本の言う賢明な親です。
そして親を真似ると言うのは、強力な本能であると言うことも語られています。もちろん親次第で悪い影響も及ぼしてしまうと言うことです。

すごーく当たり前ですが、当然異論なく大切なことと思います。
要は、スマホ見てダラダラしている親にお前は勉強しろ!と言われても納得いかないってことですよね。耐え難い現実を突きつけられます。つまりは、この本に書かれている「やり抜く力」のばすメソッドを親自身が実践しその姿を見せつつ、子どもの支援を惜しまないスーパー親が成功する子どもを育むという、ある意味身も蓋もない話でした。

関連して大人が子どもに「やり抜くこと」について伝えるべき本質的なことを内田樹さんが言っているなぁと思ったので以下引用します。教習所の先生とF1ドライバーという2人の先生が「運転技術」を教える際に、教習所の先生は利便性のある知識を教えているにも関わらずF1ドライバーの方が少年の心に残る学びを与えるという話の箇所です。

教習所の先生は「君は他の人と同程度に達した」ということをもって評価します。プロのドライバーは「君は他の人とどう違うか」ということを持ってしか評価しません。
その評価を実施するために、一方の先生は「これでおしまい」という到達点を具体的に指示し、一方の先生は「おしまいということはない」として到達点を消去してみせます。
「先生はえらい」 著:内田樹 2005年 出版:ちくまプリマー新書 p.30〜31から引用

この「限界点を消去する」ということが親のできる最大の「やり抜く力」を育む姿勢だと思います。そして、「先生はえらい」でも言われていますが、子どもが尊敬できる大人からしか本質的なことは学べないのです。そういう意味で、今回読んだ「GRIT やり抜く力」も共通していると感じました。親がまず自分自身の限界点を消去しなければならない。

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