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系外惑星発見ニュース

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#系外惑星

HD 110082 b 若い連星系の中にある惑星

若い連星系 HD 110082 に太陽系外惑星を見つけたという研究がarXivに掲載されている(arXiv:2102.06066)。

発見された惑星 HD 110082 b(別名TOI-1098b)は地球の3.2倍のサイズを持ち、半径0.113天文単位(1天文単位=地球と太陽の距離)の軌道を10.18日周期で公転している。質量や密度は分かっていない。この種の惑星としては比較的大きなサイズを持ち、

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HD 13808 b と HD 13808 c

HD 13808系の2つの太陽系外惑星を確認したという研究がarXivに公表されている(https://arxiv.org/abs/2102.03387)。恒星HD 13808は太陽系から92光年の距離にあるK型主系列星で、質量は太陽の0.77倍、半径は太陽の0.78倍、有効温度は5035ケルビン(約4760℃)と考えられている。この星の周りには、2つあるいはそれ以上の惑星が存在する可能性があると

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GJ 1151 b 恒星と磁気相互作用をする地球型惑星

arXivにGJ 1151 の惑星についての研究が公開されている(https://arxiv.org/abs/2102.02233)。GJ 1151 は太陽系近傍にある赤色矮星(温度が低く小さい恒星)の1つだ。

GJ 1151は2020年にその磁場に関連すると思われる電波が検出されて以降、天文学者の注目を集めている。激しい活動性を示す恒星でこのような電波が見つかった例はあるが、GJ 1151は活

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TOI-588bとTOI-559b 楕円軌道の大質量惑星

NASAの系外惑星観測衛星「TESS」のデータとフォローアップ観測で2つの惑星系が確認された(https://arxiv.org/abs/2102.02222)。

1つめの惑星「TOI-588b」は木星の3.6倍の質量と1.09倍のサイズ(半径)を持ち、離心率(楕円の潰れ具合を表す)が0.30の楕円軌道を14.574日かけて公転している。主恒星の「TOI-588」は質量が太陽の1.35倍、半径が

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系外惑星KMT-2018-BLG-1025Lbの発見 低質量星を公転するスーパーアースか

arXivに重力マイクロレンズイベントを利用して太陽系外惑星を発見したという研究が掲載されている(https://arxiv.org/abs/2102.01890)。重力マイクロレンズイベントとは背景の天体の手前を別の無関係な天体(レンズ天体)が横切るときに重力による空間の歪みで2つの天体の合成光度が変化する現象のこと。この時の増光のパターンによっては、レンズ天体の周囲に太陽系外惑星が存在している

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KMT-2019-BLG-0371L系の発見

2019年に発生した重力マイクロレンズイベントについての研究がarXivに掲載されている(https://arxiv.org/abs/2101.12206)。重力マイクロレンズイベントとは背景の天体の手前を別の無関係な天体(レンズ天体)が横切るときに重力による空間の歪みで2つの天体の合成光度が変化する現象のこと。この時の増光のパターンによっては、レンズ天体の周囲に太陽系外惑星が存在していることが分

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HD 5278の2つの惑星

arXivにHD 5278の惑星系の発見についての研究が掲載されている(https://arxiv.org/abs/2101.12300)。HD 5278は、NASAの太陽系外惑星観測衛星「TESS」の観測を通じてTOI-130.01と名付けられた惑星候補が見つかっていた。今回の研究では、チリ・パラナル天文台のVLT望遠鏡に設置された最新の分光観測装置「ESPRESSO」を用いてTOI-130.0

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惑星HD 183579 bの発見

太陽系外惑星惑星HD 183579 bの存在を確認したという研究がarXivに掲載されている(https://arxiv.org/abs/2101.12137)。この天体は、NASAの系外惑星観測衛星「TESS」の観測で惑星候補天体「TOI-1055.01」として既に検出されていたが、惑星かどうかは未確認だった。

今回の研究は、TESSが検出した惑星候補のうち18個をターゲットとし、新規観測を行

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