HD 110082 b 若い連星系の中にある惑星

若い連星系 HD 110082 に太陽系外惑星を見つけたという研究がarXivに掲載されている(arXiv:2102.06066)。

発見された惑星 HD 110082 b(別名TOI-1098b)は地球の3.2倍のサイズを持ち、半径0.113天文単位(1天文単位=地球と太陽の距離)の軌道を10.18日周期で公転している。質量や密度は分かっていない。この種の惑星としては比較的大きなサイズを持ち、年齢の若さと関係があるかもしれないと考えられている。この惑星はNASAの系外惑星観測衛星TESSによって検出され、スピッツァー宇宙望遠鏡が2020年に運用を終える前に同望遠鏡を使ったフォローアップ観測が行われていた。

惑星系の主恒星HD 110082は、太陽より少し大きく、温度が高い星だ。若い星に典型的な特徴として、2.3日という短い周期で自転している。この星から6200天文単位ほど離れたところには伴星の赤色矮星HD 110082 Bがある。なお主星は質量が太陽の1.2倍・半径1.2倍・光度1.91倍・有効温度6200ケルビン、伴星は質量が太陽の0.26倍・半径0.26倍・光度160分の1・有効温度3250ケルビンと推定されている。

HD 110082系は生まれてから2億5000万年前後しか経っていないと見られる。研究チームが周囲の恒星を調べたところ、HD 110082はこれまで知られていなかったアソシエーションに属していることが分かった。アソシエーションとは、一か所で生まれた若い星の集団で、星団のように固まって存在しているわけではないが、その年齢や運動から過去に星団だったことが分かるグループのことだ。この新しく見つかったアソシエーションはMELANGE-1と名付けられた。

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