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魂が鳴く 読書ノート#20

<著書名> 草枕 <著者> 夏目漱石 <レーベル> Kindle

長編の名作など僕と同じぐらいの世代の人は、よっぽどの読書家でない限り、全てを読み通すことは少ない。。。と思う。大抵、冒頭の一段落ぐらいを学校の授業で習ってそれで終わりなんてこともある。

夏目漱石「草枕」は、僕にとってそんな作品だった。しかし、大学生にもなったし、世の中がこういう状況なので日本の名作も一度、読む必要があると感じた。本を買いに行くのも外出することになるしなあ。。。ってことでKindleで読んだ初めての日本名作である。

「草枕」は、画工青年の話だ。世俗を離れて、山の中で居候する彼が出会った寺の住職や不思議な女性との出会いが語られる。現代には聞き慣れない語彙や言葉が出てきて、片手間には読む事のできない作品だ。やはり、長く語り継がれてきた名作を読む時には「世界観」に浸り、自分の思考自体を主人公に移行させなければ読み切ることはできないと実感した

僕にしては、珍しく読み切った作品だが、それもこの言葉に出会ったからだ。

雲雀の鳴くのは口で鳴くのではない、魂全体が鳴くのだ。

鳥が鳴くことを、魂全体が鳴くと表現した人はこれまでいるだろうか。

僕もこの文を読んだ時、魂が揺すぶられたことはよく覚えている。

「日本語ってこんな美しいんだ!」そう気がついた瞬間だった。





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