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人間のための宇宙教室

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最新の宇宙ニュースや話題をわかりやすく解説します。そのニュースや話題の中に、調べて興味深いと思った事、意外と知られていない事も書いていきます。最新の宇宙について「スゴい!」「ワク…
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#JAXA

犬でもわかるロケットの話#5 ロケットとミサイルの違いって?

こんにちは。#3#4とお伝えした固体ロケットと液体ロケット。ミサイルもこの2種類に分けられますが、どのようにして使い分けているのか。それを明らかにするためには、それぞれの長所と短所を理解する必要があります。 表にまとめてみました。結論として、どちらが良く、どちらが悪いという答えは出すことが出来ません。しかし、重要なのはやはり用途に応じて使い分けるということだとわかります。 ここから先、ミサイルとロケットの違いについて書いていきます。 結論から言うと、ミサイルとロケットの

犬でもわかるロケットの話#4 ロケットの種類(液体ロケット)

こんにちは。#3では固体ロケットの話をしましたが、今回は液体ロケットの話です。今北朝鮮が開発しているミサイルは液体ロケットだとされています。以前はおそらく固体燃料だったような気がしますが。それでは。 1.液体ロケットとは。燃料と酸素が別々のタンクに入っている。この2つは燃焼室で燃やされる。そして高温のガスになり、噴射される。 固体ロケットの構造を図1として書いてみた。液体ロケットは図2である。液体ロケットのほうが、はるかに複雑であることが単純な模式図から分かるだろう。

犬でもわかるロケットの話#3 ロケットの種類(固体ロケット)

こんにちは。今日は、ロケットの種類についてわかりやすく解説していきます。ロケットの違いが分かるとニュースで流れてくる北朝鮮のミサイル情報も少し理解できると思います。 1.そもそも分類の仕方とは?ロケットは主に燃料に何を使っているかを、もとに分類される。固体の燃料を使用する固体燃料ロケット、液体の燃料を使用する液体燃料ロケットだ。ちなみにスペースシャトルでは赤いタンクの両側にある白い2本の筒、これが固体燃料ロケットだ。そして、固体燃料ロケットと液体燃料ロケットをまとめて化学ロ

犬でもわかるロケットの話#2 ロケットと飛行機の違い

空を飛ぶ乗り物って大きく分けると3つある。 1.飛行機 2.ヘリコプター 3.ロケット 飛行機やヘリコプターは空気中を飛ぶことはできるが、宇宙空間は飛べない。ロケットは宇宙空間も飛べる。この違いは何だろうか。一言で表すと、 キーワード 酸素の有無なのだ。 それでは解説していこう。 飛行機やヘリコプター、ロケットに限らず動力を得るためには、燃料が必要だ。その燃料も酸素を使って燃やさなければならない。 飛行機やヘリコプターは空気中を飛行する。だから、自力で空気を取り入れ

犬でもわかるロケットの話#1 ロケットはなぜ飛ぶのか。

こんにちは。新連載コーナースタート。巷では難しいと思われているロケットを「犬」でも分かるように解説します。 犬 としたのは馬鹿にしてるわけでなく。はじめて宇宙へ行った動物が犬だからです。 それでは本題。 キーワード 反動 そもそもロケットはどうやって大気中から真空中へ飛び、宇宙空間を飛行するのか。 その原理を説明するのにつかわれるのが 風船 だ。まず、空気を入れてパンパンに膨らんだ風船がある。この風船はもちろん栓をしてある。これが図1の状態だ。 風船の栓を外し

太陽系旅行 ちょっと行ってきます!!#1-2 水星

太陽系旅行、水星の続き。次の金星に行くまでには時間がかかるのでちょっと深める。 ①最新の水星探査これまで水星に行ったことのある探査機は2機だけだった。マリナー10号とメッセンジャーだけだ。詳しく言うと、マリナー10号に関しては金星を通過するときに少し寄り道をしたときに観測した(金星に寄り道したのは、金星の重力を利用して速度を加速するため、なおこのことをスイングバイという)。 そこで今行われているのが「ベビコロンボ計画」である。この計画は日本の宇宙機関JAXAとヨーロッパの

太陽系はどこまで?

こんにちは。お読みいただきありがとうございます。 昨日、ニュースで、ボイジャー2号が太陽圏外に飛び出した時の貴重なデータをもとに作成された論文が発表されたと、報道されました。ボイジャー2号は1977年に打ち上げられ、ちょうど一年前に太陽系を飛び出しました。 そこで今回は太陽系の構成についてわかりやすく説明します。 太陽系の中心に位置するのは、もちろん太陽です。太陽から近い順に 水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星 という順です。この8個は、惑星と呼ばれ