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【旧約聖書:12】十戒⑤
しばらくして、風が吹き、海からうずらが運ばれてきた。
それは宿営のまわりにうずたかく積みあがり、人々はこれを集めて回った。
神はモーセに告げた。
「人々を遣わして、カナンの土地を偵察させよ。」
モーセは従った。
彼らはその地へ行き、ぶどうやザクロ、いちじくの枝を切り取って、
持ち帰った。
その時、カレブがモーセの前に立ち告げた。
「私たちが、その地を占領しましょう。
必ず、その地に住む者たちに打ち勝つことができます。」
しかし、そこで他の者たちは無理だと言いはった。
「そこに住む者たちは背の高い民であり、そこでアナク人を見た。
しかもそこは、住む者を食い尽くす地である。」
人々は、絶望し大声で泣き叫び、夜を明かした。
エジプトで死んでいたらよかったのに、この荒れ野で死んでいたらよかったのに、と。
なぜ、神はこの地に導いてきたのか。
私たちはここで倒れ、妻子は彼らに奪い取られてしまう。
エジプトに帰る方がいいのではないだろうか、と。
しかし、ここでカレブとヨシュアが彼らにこう放った。
「私たちが偵察した土地はとても素晴らしいところであった。
もし神が私たちを受け入れてくださるのなら、あの地へ導きそこを下さるのだろう。
あの地は乳と蜜が流れる地だ。
ただ、神に背いてはならない。
その地の人々を恐れてはならない。
神が私たちとともにあるのだ。
彼らを恐れてはならない。」
しかし、人々はそういう彼らを石で打ち殺そうとした。
するとそこに、神が現れた。
「この民はいつまで私を侮辱するのか。
この民の間で行った全ての印にも関わらず、私を信じようとしないとは。
私は彼らを疫病でうち、この地を剥奪する。
そして、私はお前たちをより強い国民にしようと思う。」
これにモーセはこう言った。
「もし、あなたがこの民を一人残らず殺すなら、
あなたの噂を聞いた異邦の民はこういうでしょう。
『神はこの民を、誓った土地に導きいれることができなかったため、
荒れ野で殺したのだ』と。
どうか、今一度あなたの大いなる力を現してください。
エジプトから連れ出してくださった時のように、大きな恵によって赦してください。」
神は答えた。
「おまえの言葉通りに、私は赦そう。
しかし、私が生きており、この栄光が全地に満ちその印が示されるのを見ながら、
なおも私を試み、私に従わなかったものたちは誰一人その地を見ることができない。
ただし、わたしのしもべカレブは、違っていた。
彼と、彼の子孫は導きいれることにしよう。
あの地には、アマレク人とカナン人が住んでいる、ゆえに明日おまえたちは、
葦の海の道を通って荒野を行け。
民に言え。
いつまで不満を言い続けるつもりなのかと。
わたしは必ず言った通りのことを行う。
この荒れ野でお前たちは屍を晒す。
私に不満を言った20歳以上のものは全員である。
カレブとヨシュア以外のものは皆かの地に入ることができない。
おまえたちが奪われてしまうだろうといった子供はみな導きいれよう。
彼らはおまえたちが拒んだ地を知るようになる。
しかし、おまえたちはここで屍となる。
ここで40年間自分たちの咎を負うことになるであろう。」
こうして、カレブたちの意見に異を唱えた者たちは、
疫病になって死んでいった。
しかし、カレブとヨシュアは生き残った。
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