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論語における人格者とは。

野中根太郎さんの訳本を基に「論語」を学ぶシリーズ第三弾は、「君子」について。立派な人とはどういう人かを一緒に見て行きましょう。

一流の人物になるための心構え


これから学んで一流の人物になっていこうとする時に、ただおいしい物を腹いっぱい食べることや、立派でぜいたくな家に住むことばかりを考えるのは情けないことだ。

自分がやるべきことをどんどん実行し、言葉だけにならないようにしなくてはいけない。

もし、尊敬すべき人に出会ったなら、ぜひとも、いろいろ教わっていくようにしたい。このようにしていけば、一流の人物になれるだろう。

学而第一・十四

「君子」の反対の概念として出てくるのが「小人」ここからは対比で説明された言行を紹介します。

偏った交際をしてはいけない


君子は人と広く交わるもので、付き合い方が偏ることはない。

これに反して小人は自分の利になることばかりを考えるから、同じように目先の自分の利のことばかりを考える人たちと群れてしまい、広く人と交わることはない。

為政第二・三十

何に心がけるかで人は分かれる


君子は、徳を修めることを第一に心がけるが、小人は、自分の土地所有のことばかりを気遣う。

君子は、人への責任について考えるが、小人は人からもらう利のことばかりを心配する。

里仁第四・七十七

世の中の役に立つかどうかを重視すべき


君子は物事を見る時、世の中の役に立つかどうかを視点とするが、小人は自分が儲かるかどうかを視点にする。

里仁第四・八十二

他人のよいところを素直に認めたい


君子は他人の美点をよく認め、その成功を願って協力もする。そして、他人が失敗したり悪評を受けたりすることを心配する。

小人はこの反対で、他人の欠点を見つけようとし、その成功を望まず悪評を喜ぶ。

顔淵第十二・二百九十四

君子は人と調和できるが、群れたりはしない


君子は人とは仲よくするが雷同することはない(いたずれに群れない)。

小人はすぐ雷同するが、大切な時に協力しない。

子路第十三・三百二十五

君子は泰然と生きる


君子は自分に気概を持って生きているが、人とむやみに争うことはしない。人と親しく接するが、群れて党派をつくるようなことはしない。

衛霊公第十五・三百九十九

君子はゆったりとしていて、いばらない


君子はゆったりとしていて、人にいばることもしない。

小人はすぐいばり、ゆったりと落ち着くことがない。

子路第十三・三百二十八

君子は見た目だけでは判断しない


君子は言った言葉が立派だからといって、それだけでその人を評価したり抜てきしたりはしない。

また、その人の行いが悪かったり、地位が低いというだけで、よい言葉を無視したりはしない。

衛霊公第十五・四百

君子はいつも九つのことを思うようにする


君子には九つの思うべきことがある。

1.物を見る時は、しっかり見ようと思う
2.聞く時は、正しくはっきりと聞こうと思う
3.顔つきは、穏やかであろうと思う
4.容貌は慎み深く上品であろうと思う
5.言葉は誠実であろうと思う
6.仕事をする時は、注意深く間違えないようにと思う
7.疑問が出た時は、人に問おうと思う
8.腹が立った時は、後の面倒を思う
9.自分への利益を目の前にした時は、それが道義にかなったものかを思う

李氏第十六・四百二十九

君子は言い訳しない


子夏(孔子の弟子)は言った。
小人は過ちをすると、必ずあれこれと言い訳をする。

子張第十九・四百七十八

次に紹介するのは「論語」の一番最後にあたる。

君子は天命、礼、言葉を知る


天命を知らなければ君子とは言えない。礼を知らなければ世の中を一人前に生きてはいけない。言葉を知らなければ人間を理解することができない。

堯曰第二十・四百九十八

さすがに最後に書いてあるだけであって、含蓄が深い。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。何か気づきがあれば入力した甲斐もあります(笑)

興味を持たれたら、あなただけの論語を読んでみて下さい。

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