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世界中の本屋さんを覗いてみると。

この記事は10分で読めます。(が、書いてみると3時間かかりました)

僕が購読しているマガジン『ラジオ版学問ノススメ』で、

ナカムラクニオさんの『世界の本屋さんめぐり』が紹介されました。

本が大好きな僕は、当然のことながら本屋さんも大好きなので、早速本屋さんで買ってみました。

この本の電子版は今のところ無いのですが、放送を聞いてナカムラさんが20年以上も前から世界中の本屋さんを巡って1年以上かけて創り上げた書店ガイドは、電子書籍ではなく、ちゃんとした重みのある本で欲しいと思ったのが購買動機です。

では、その中からいくつか内容を紹介してみましょう。

中国の広州では24時間営業で、泊まれる本屋さんがあるそうです。

泊まれる本屋さんと言えば、日本にも、

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があります。なんばグランド花月(吉本の劇場)の前には以前、大型のジュンク堂書店があり、1日寝泊りするイベントがあって、都合が合わなかったので次の機会に参加したいなと思ったら、その年に閉店してしまい残念でした。

学生の時は図書館が大好きで学校や地元の図書館をよく利用していましたが、社会人になって、利用時間が勤務時間に重なることもあり、しだいに行かなくなったので、本屋さんに泊まれるというのは夢のような環境だと思います。

また昨年話題になった入場制の本屋さん

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「文喫」はネットカフェならぬ有料図書館といったところで、関西にできたら入り浸りそうな気がします。

どの国にも共通するのは、本屋さんの経営不振ですが、本屋さんに通うことが生活のメインにある僕にとっては、そんなに世間では本が読まれないのかと信じられない気持ちでいっぱいです。でも、周りを見渡せば本の事よりも他の話題をしている人が多いし、スマホに夢中になっている人の視線や指の動きは明らかに電子書籍のものではないので、それが悲しい現実なのですね。

中国の話に戻しますと、深圳(しんせん)には1万3000坪にも及ぶ5階建ての本屋さんがあるそうです。新宿の「紀伊国屋書店」の10軒分に相当する広さだとか。しかもその1階の部分は最新のテクノロジーを活かした無人書店というから驚きです。Amazon GOの本屋版みたいなものでしょうか。店員の視線が気にならず長居できそうですよね。まさに買える図書館。

しかし、この本はこういった珍しい本屋さんを紹介しているだけではありません。

世界遺産であるアンコールワットで有名なカンボジアは、1970年代、ポルポト政権による大虐殺で200万人以上が死に、国民の平均年齢はなんと24歳。若者が文化を形成する国においては本というものに対する捉え方が違って当然です。文化の復興はまだまだこれからです。

600万人の人口にも関わらず言語の数が800以上もあるパプアニューギニアでは、複雑な文化を守るために本ではなく、口伝えで文化を語り継ぐため本屋というものがほぼ無いらしい。

南米大陸のボリビアとペルーにまたがる標高3810mに位置し、琵琶湖の約12倍に相当するチチカカ湖には、トトラという葦のような植物を重ね合わせた浮島で暮らしている人達がいる。そこではスペイン語の教科書はあっても本屋は無いそうです。

このように本屋という存在からお国の文化や情勢が窺い知れる本でもあるのです。

日本の蔦屋書店が参考にしたと言われる全長300mの地下書店「誠品書店」は台湾の書店です。2019年には東京の日本橋で「誠品生活」が開店しています。

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台湾では、地下街、空港、公園などに無人の図書館が設置され、24時間貸し出し可能なATMのような図書館もあるらしい。

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日本でも、ちょっと話題になった、サラリーマンの方が無人で経営しているこちらの古本屋さんはご存知でしょうか?

本好きが高じて、人通りのある店舗物件を借りてみると、意外にも盗難が無く、蔵書を本棚に並べ、

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24時間営業を無人でしているそうです。

えっ?料金はどうやって払うの?って思いますよね。

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本の裏にはこのように価格のシールが貼ってあって、それをなんと

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ガチャガチャで支払うという斬新なシステム。詳しくは先ほどの取材記事を読んで頂くとして、本好きの善意で成り立ってるお店ですね。いわゆるインディーズ書店というものです。

善意で成り立っているのなら、不要本を持ち寄り、店主がセレクトして販売し、運営費に回すという事もできるかもしれませんね。

何かの雑誌で見かけたのですが、海外では2、3人が入れる大型の傘のような建物が街中にあって、内部には本棚があり、不要な本を持ち寄って貸し合うという簡易型の共有図書館があるようです。自分の本棚をシェアするようなサービスは、ネット上ではブクログのようなものがすでにいくつかあります。

ところで最近は変わった形の本屋さんも出てきました。

僕は関西人なので、行ったお店で紹介すると、

おしゃれな空間をコンセプトに、カフェと併設されているので、長居することも可能です。

ただし、僕自身は買っていない本を飲食コーナーに持ち込むという感覚がどうも馴染めず、先に紹介したホテルと一体になった書店の方が飲食コーナー以外のテーブルや寝床があり、本を汚しにくいのでは?と思います。フリードリンクくらいならまだ許せるかな。

ネットカフェのように試し読みしてから、欲しい作品は本屋さんで買うという方が自分には合っていると思うので、そのような本屋が増えるのは利用者拡大の企画としては分かるものの、汚れたページがある事を知らずに買ってしまう危険性を考えると二の足を踏んでしまいます。ブックオフがカフェになってる方がまだいいな。

同じ梅田ならロフトさんの横にある日本最大級の「MARUZEN&ジュンク堂書店」の方が従来の本屋さんなので好きです。

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約200万冊の蔵書があって、B1〜7階まであり、毎日平均100個の段ボールが入荷するマンモス書店。2階には万年筆も扱っているナガサワ文具センターのコーナーもあり、大型書店がいくつもある大阪のキタの中心地の中でも異彩を放っています。

まぁ、僕は職場に近いミナミをよく利用するので同じジュンク堂でも難波店の方が庭代わりによく散策するのですが。

話を海外に戻しまして、パリのリヨン駅にはレシート状の紙に短編小説を印刷する自販機があるそうです。1分、3分、5分で読める作品を選択し、オンラインコンテストで公募された1200万点以上の短編小説が無料で読めるというサービスは素敵だと思います。

イギリスには、世界最大級の1億5000万点以上の資料を所蔵することで有名な大英図書館があります。

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日本で言えば、国立国会図書館でしょうか。

国立国会図書館法によって、日本国内で発行されたすべての出版物(マイクロフィルム、CD、DVD、地図などを含む)を国立国会図書館に納入することが、出版者に義務付けられています。この制度により、日本で唯一の納本図書館として国内の出版物を広く収集しています。また、納本制度開始以前の日本の出版物も収集しています。所蔵資料数は日本最大です。

僕は利用した事がありませんが、その蔵書は、

国立国会図書館の資料は、東京本館、関西館、国際子ども図書館の3施設の書庫に分散して保管されています。大規模な資料の「保存」と「利用」を両立するため、すべての施設で閉架式という利用方法をとっています。閉架式とは蔵書の大部分を書庫に収め、利用者からの請求に応じて出納する方法です。

閉架式になっているのですね。もし火事になったら、

火災が発生した場合、書庫では不活性ガスを使って消火します。新館書庫では、浸水を防ぐため、地下の外壁と地上1階の床に防水を施しています。

本を水浸しにせずにガスで消火するそうです。さすがは国会図書館。確か日本国憲法の草案も厳重な金庫に保管されているのを映像で見た記憶があります。

ところで、世界最大の国土面積を持つ多民族国家のロシアでは、190もの民族が暮らしているため、言語が異なり、おまけに雪国で外出が困難なため、電子書籍端末が進化しているそうです。国立電子図書館も開設され、タブレットで本を読む人も増えているとか。

北欧の図書館はさすがにデザインが美しいですよね。ストックホルムにある360度見渡せる本棚が市民図書館だなんて、ちょっと信じがたいくらいです。

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2018年にヘルシンキ中央駅そばに建てられた中央図書館「オーディ」の美しさときたら!

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フィンランドの図書館利用率は世界一とも言われ、1人あたりの年間貸出冊数は約20冊。貸し出された作家さんには1冊15円ほどの印税が入るらしいです。さらに作家1人あたり年間平均7000ユーロ(約84万円)の補助金が出る制度もあるそうで、本好きの国民性が色濃く感じられます。

スペインでは、大手チェーン書店が国立図書館と提携し、図書館の電子書籍を無料で貸し出すサービスがあるとか。まさにデジタル図書館ですね。

中南米の貧困国ニカラグアでは、高級デパートの中に本屋さんがあり、入り口で手荷物を警備員に預けなければならず、3ヶ月に1冊くらいしか買えない高級品だそうです。

このようにいろんな国の本屋情報が紹介され、欄外には各国のオススメ本が掲載されています。ちなみに本屋さんの内装は全て手書きイラストで紹介されており、わずか160ページほどの本ですが、短めの文章の中に情報がぎっしり詰まっていて、何かの折りにまた読み返したくなる素敵な本です。

大抵の本はカバーを外すと真っ白なものですが、

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ちゃんと手書きイラストが印刷されてたりして、本に対する思い入れを感じました。放送でもおっしゃっていましたが、ナカムラさんが世界の本屋さんを見て驚くのは、村上春樹さんの本と日本のマンガを至るところで見かけた事だとか。

近い将来、VRゴーグル上で膨大な量の本棚を徘徊する老人はボケてないかもしれません。

追記:ナカムラさんからご丁寧なコメントを頂きました。また、多くの人がスキを押して下さり、感謝です。

ありがとうございます!

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追記:2020年1月30日、YouTubeデビューして三週間目でようやく本の紹介動画を形にしました!!

良かったら見て下さいね。もしよろしければチャンネル登録をお願いします。地道に作っていきますので応援して下さい!

https://www.youtube.com/channel/UCUmrGU3_kIPUOJ6ZNaFlOAA


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