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本棚いらずで安く本を読む方法

というタイトルはなかなかインパクトがあるけれど、誰でも思いつく方法だ。

まずは、図書館の利用。

納税している人なら、誰でも無料で利用できる。学生の頃の僕は図書館が本との素敵な出会いの場だった。元、図書委員だし(笑)

しかし、大人の素敵な趣味の一つが、自分の本棚を好きなだけ持てることだ。

好きなだけ、というのは少し語弊があるけれど、資金と本棚を置く場所さえあれば、可能である。

一番、便利なのは電子書籍だ。

僕が若い頃はそれが無かった。

その昔、ザウルスという電子手帳があって、学生の僕には憧れだった。いわゆるPDAだ。

今でこそ、スマホのアプリで済む話だけど、当時はネットもつながっていないモノクロの電子端末を持つだけで、何でもできるような気がしたのだ。

電子辞書は重たい辞書を持つことから解放し、電子書籍もごく一部の小説くらいだけど、コンビニに置かれた端末にSDカードを挿して買うことができた。

大学生の時にPDAというポケット型の端末を買ってもらった。確か4万円ほどしたと思う。今なら安価なノートパソコンが買える値段だ。機能は比べるまでもない。せっかく買ってもらったデジタル玩具だったけど、使うのは怠け者のアナログ人間である僕だ。

それは程なく無用の長物と化し、宝の持ち腐れになった。

それでも僕の中で電子書籍への興味は尽きなかった。

毎日、文庫本を2冊ほど持ち、気分に合わせて読み替えていたものの、電子書籍ならもっとたくさん持てるという誘惑を妄想し続けた。

iPadが初めて発売された時、僕にはそれが大きな電子本に見えた。

早速買って、膝の上で雑誌感覚でwebを楽しんだ。

そして、これで本が読みたいと思った。

しかし、当時は海外仕様でろくに日本語の電子書籍が無かった。あっても読みたい本は皆無だった。

そこで、たまたま自炊ブームに出くわした。

僕と同じような気持ちの人たちが、手持ちの市販書籍をスキャナーで取り込み、PDFデータにして電子補完計画が始まった。その要は、最初のタブレット、iPadだよ。

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それまで業務用がほとんどだった高価なスキャナーも5万円くらいで販売されるようになり、僕は手持ちの本をまるで魚をおろすように裁断し、スキャニングに励んだ。

僕が初めてYouTubeで動画を公開したのも、この自前の電子書籍からだった。

初めてのYouTubeなので、テンションの低さは許してね。

さて、話をタイトルに戻そう。

安価で本を入手する方法は古本屋である。そして、読んだ本をPDFデータにしてしまえば、ページの黄ばみもそこまで気にならず、どんな本も新品に変わるし、清潔で場所も要らない。文字データは容量も軽いから、デジタル上も省スペースだ。

もっとも、僕は基本的に本は新品で買うことにしている。書いた人へ利益が還元されて欲しいからだ。

気に入った本だと電子書籍と紙の本を買ったりもする。

電子書籍は便利だ。いつでもどこでも何冊でも持ち運んで読むことができる。

指先一つで気になった箇所にマーカーを引くことができるし、後からその部分だけ抜粋して読み直す機能もある。自分なりの注釈メモを書き込めるし、文字サイズや書体も変えることができる。

僕が学生時代に夢見た電子書籍が今はこんなにも便利で手軽に、しかも大抵は紙の本よりも安く手に入る。

さらにkindle unlimitedを利用すれば、月額1000円でそこそこ新しい本が読み放題になります。月額500円のAmazonプライム会員なら、その一部が読み放題の対象です。サブスク時代おそるべし。こんなに安くて便利でいいのか世の中よ。

このスゴさは歳を重ねた人にしか分からないだろう。歳をとるのは悪いことばかりではない。多少文字サイズを大きくする必要はあるけれど、寝転んで片手で読めるなんて素敵な時代だ。

少し残念な点は、同じ本は一冊しか買えないところかな。重複買いは防げるけれど、良い本は著者への感謝も兼ねて何冊か買いたいと思っても、一冊以上の対価は払えない。

電子書籍をプレゼントするような仕組みはあるかもしれないけど、1アカウントに一冊というのはもったいない気がする。

先ほど書いたように、僕の場合は電子書籍で気に入ったら紙の本も買うし、その逆もあるので少しは還元できているのではないだろうか。

ハードカバーと新書・文庫版を買うこともある。写真集を保存用に買う感覚に近いかもしれない。

話は変わるけれど、昔のドラマを見ていると、当たり前だがオフィスにパソコンが無い。

きっとその頃は、ファイリングの達人が社内で重宝されたことだろう。

「○○さん、例のお客様の書類ってどこだっけ?」

「ちゃんとファイリングしてありますから、すぐお持ちします」

「君は、素晴らしいね!我が社の誇りだよっ!」

なんて会話があったかは知らないけど、今なら誰でも簡単にデータを検索することだろう。

パソコンが無い時代なら、ファイリングや清書をするだけで毎日の事務仕事の大半が終わったかもしれないが、今なら数分ほどで終わってしまう。

分からないことは何でもネットで共有し、どこかの誰かが教えてくれる。

でもだからこそ、本の価値は依然として高い。

即時性に関しては圧勝だ。誰でもすぐに手元から発信できる。

しかし、その質には関しては発信者による。

そこで本の出番だ。

本を出すには、それなりに工程がある。個人の電子書籍は別だけど、出版するとなると、出版社の面子がある。書いた人だけが目を通しているわけではない。もちろん、何らかの誘導をする場合はあるだろう。

それはネットの情報も同じだ。最後にオンラインサロンの紹介があるのも当たり前。SNSの登録だって促してくる。

けれど、ネットはいわば立ち読みと同じで長時間の読みには向かない。

現に今この僕の文章もすでに読むのをやめようという気持ちとの戦いではないだろうか。

嘘だと思うなら、こちら↓の記事を読んで欲しい。最後まで読めたら、あなたはどんなつらい仕事も耐えられるだろう。

その点、電子書籍ならいつでも中断できて、再開できる。

質の高い長文を自分の好きなペースで読めるのだ。

でも、である。

僕は紙の本が好きだ。

今の子ならすんなりと電子書籍からスタートできるのだろうが、僕は「紙の子」であり、「電子の子」ではない。新海監督に映画化して欲しいくらいだ(意味不明)

紙の本には紙の本の利点がある。

まずは質感。

電子書籍には質感が無い。

いつかVRが発達し、望むならバーチャル空間上で本物の本をめくるような時代が来るだろうけど、今のところ紙の本にはそれがある。

手触りというのは五感を刺激する。

本のどの辺りに書かれているかを不思議と何となく位置で覚えていたりするものだ。

そして、文字を書き込める。

もちろん電子書籍もタブレットにペンで書くことはできる。

しかし、それとは違う感覚があるのだ。

ある、と思っている僕には、確かに違いがあるのだから仕方ない。その辺がアナログ人間たるゆえんだろう。

電子書籍にはページをめくっている感覚が無い。まるでスライドショーを連続で見ている気分だ。

複数のページや本を見比べることは電子書籍よりも簡単だ。

本を読んでいると、最初の方で分からなかったことが後の記述で分かることがよくある。

自分の文字を書き込むことで理解を深めた文章は記憶に残る。

学びたいという意欲がわいた時、読書は自分の中に入ってくる。いいと思ったら試してみる。ほとんどは合わない。しかし、万に一つでも自分に合えばめっけもの。

中には自分の価値観をガラッと変えてくれるものもある。今まで知らなかった考え方に救われることもある。

たった数千円で気づきを得られる本はコスパがいい。

手軽に本の内容が掴めるからといって、要約アプリや動画で読んだ気になるのはオススメしない。

そういったものは、作った人の主観が入っている。参考程度に留めて、まずは自分のフィルターを通して読みたいものを読んでみる。

他人が書いたものを人に紹介してもらっても自分の中に入ったことにはならない。

僕は読書は人との出会いだと思っている。

時代も場所も飛び越えていつでも対話することができる。足りない会話を埋めるために次から次へといろんな本を読むうちに、あなただけの本ができあがる。

抽象化した思考を育てるのに読書は最適だ。語彙量が多い人は間違いなく、いろんなことを考えている人である。あなたが日常よく口にする言葉はあなたの考え方に影響を与えます。

そんなあなただけの言葉で書かれた本を紹介したくなったら、発信すればいい。きっとあなたを応援してくれる人がこの広い世の中にはいる。

本との出会いが人との出会いにつながる瞬間だ。

あなたには、あなたにしか経験していないものがある。その経験は簡単に人には引き継げないし、奪われることは無い。それが人生ではないだろうか。

紙の本に書き込んで自分で作った電子書籍は、世界で一つだけのあなただけの本だ。その本が並んだ本棚は、場所を取らずにいつでも取り出すことができる。

気になったページはスクショ保存して、便利なクラウドサービスに預ければ、自分の気に入ったタグで検索できる。

ここまで便利になった時代に読書をしない人は、読書をしないと決めている人だから、これ以上書いても無駄だろう。

僕は特定の本を勧めているのではない。こんなに面白い世界があるよと言いたいだけなのだ。それは面白い本に出会ったことが無ければ分からない。

面白い本に出会うには、たくさんの本に出会うしかないのだ。

今はオーディオブックで耳から読むこともできる。

読むか読まないか。

世の中には2種類の人間しかいないのだ。

読書の習慣を作ることはきっとあなたの人生を変えてくれる。



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