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由緒ある禅寺で座禅組んだら苦しかった話(ご飯あり)

場所は福岡県久留米市 梅林寺
創建400年の歴史ある禅宗にて座禅体験があったので参加してきました。

座禅を組もうと思ったきっかけはいくつかあるんですが、茶道の根源的精神を知るためというのが最大のきっかけでした。

梅雨に入ったばかりということもあり、当日はあいにくの小雨。
9時40分頃お寺の前で受付

9時50分頃
応接間には立派な達磨大師の掛け軸。
応接間全体を撮ればよかった


10時
その後老子からの挨拶を受け、雲水に連れられ僧堂へ。

10時30分頃
座禅の組み方(後述)を教えてもらい、10分間の座禅が開始。
青々と茂る整えられた庭園、しつしつと心地よい雨音、柔らかくそよぐ風、ほんのり赤薄暗い堂内。雑念を払うにはこれ以上ない外的要素。
それに迫る尿意、抜けない緊張、滴る冷や汗。
なんとか10分切り抜けましたが当然の如く雑念なんて払えません。

その後休憩だったんですが、座禅が終わった途端、皆一同に東司へ駆け込む。
参加者誰しもが雑念いっぱいな時間だったのかも笑

11時
気持ちをリセットして10分の座禅が開始。
座禅を組んで3分くらい。なんだかすごく苦しい。じっとしてるのが苦しいわけではなく、じっとしていることを強いられている感覚に陥っていました。
自分のことを客であると主張するのは綺麗ではありませんが、仮にも客として来ている身である私なのに何故か「無心にならなきゃ」と謎の勝手な強迫観念に苛まれたからなのでしょうか。
深層的に座禅を必要として良かったのに実践したことがあだとなったのかもと今になって自己分析。

12時?12時半?(時計がないから時間の感覚がわからない。)
2回目の10分座禅が終わるとお昼ご飯の時間。
所謂精進料理はお葬式?で何度か食べたことがありましたが、馬鹿舌な私にはお世辞にも美味しいとは感じることができなかったためにお寺のお昼も期待はできません。

食堂に移ると雲水が食事の作法を教えてくれました。
3つのお椀を水平に並べ左にご飯、真ん中にお味噌汁、右におかず(かぼちゃ、梅干し、たくあん)を盛ってもらいました。
うーん、見るからに精進料理。しかも少ない。

いざ実食。

ご飯。
視覚的評。価麦と白米の半々。特に代わり映えのない普通のご飯。
お味:めちゃくちゃうまい。初めてご飯が美味しいと感じる程に美味しかった。

お味噌汁 
視覚的評価:枝豆とわかめと謎の謎物。
お味:お味噌汁は普通に普通のお味って感じ。特筆すべきことなし。

かぼちゃの煮物
視覚的評価:うーむ、見た目は普通の煮物よりも断然に薄い。水に1%の醤油を足して煮たような色合い。明らかに薄味。
お味:えぐい美味。 全然薄くない、むしろ丁度良すぎる。かぼちゃの味がわかりながら調味料でいい感じに引き立ててる。何味なのかはわからんがえぐい美味かった。

たくあん
視覚的評価:黄色くない。白濁色。通常のたくあんに比べたら結構干からびてる。
お味:これまたバカ美味。何味なのかはよくわからんけどうめえ。ご飯が進む。こんなたくあん食べたことない。たくあんがこんなに美味しいものだとは知りませんでした。

梅干し
視覚的評価:普通のうめぼしは梅肉がふわふわしてて見るからに美味しそうだけど、ここの梅干しシワッシワでちっちぇえ。すっぱさの塊みたいな見た目してる。
お味:梅干界の光の帝王でした。旨味が凝縮したような。すっぱいけどそれ以上に旨味がある。果肉が少ないから少し物足りなさもあるけど味としての満足度はかなり高い。

これまでにも美味しい物は多少食べてきましたが、質素ながらもこれだけの満足感を得られたご飯は食べたことがありませんでした。


13時頃
お経の時間になり、本堂へ。
全員合わせてのお経が始まります。
眠くは微塵もなりませんでしたが、一度お経を見誤ってしまうとどこを読んでいるのかがよくわからなくなってしまいます。
その後老子のお話。座禅が何たるかを説いてくれました。ユニークな老子で、ユーモアも交えつつ説いてくれるのが非常にありがたい。
高尚なお話ではありましたが分かりやすく説いてくれました。

14時頃
作務。お寺のお掃除。
初めて井戸から手押しポンプを使って水を汲むところをみました。
以前使ってから期間が経っているようで呼び水を使って組み始めました。呼び水とはここから来てるんですってよ奥さん!!

14時前
休憩
煎茶に羊羹!!!
久しぶりの下界の味。沁みる。

15時頃
最後の座禅。
最後は5分間!!!
午前中の苦しい記憶が呼び水となって苦しみが湧いてくる。苦しみの井戸だ。あぁ苦しい。5分の時が永遠に感じられる。宇宙とはこういうことなのか。苦しみの渦の中に私はいるのだ。これが悟るということなのか。※絶対に違う
永遠かと思われた5分が終わった。

15時半頃
解散
来るときは雨が降ってて気分どんよりでしたが、帰りは大荒れの空だったにも関わらずルンルンで帰りました。
家に着いた途端一気に疲労が。
翌朝まで寝続けたのはここだけの秘密。

座禅を悪くいうつもりは一切ありません。
ただ座禅に関する情報を探した時に、ポジティブな情報しか見かけなかったため、私の失敗談としてこういう一例もあるということを知ってもらいたく書きました。
でもこれはこれでいい経験になったように思います。
座禅神話(言い過ぎかも🦆)を妄信してしまっていたと反省しました。宗教同様必要な人にとっては必要でしょうし、不要な時には有難みを感じないものなのでしょう。

今回は人生初本格座禅を体験したら自分の精神状態?深層心理?が何となくわかったような気がしました。
来週はお茶の見学に行ってくるので時間を空けて書いてみたいと思います!

お寺内の写真は撮れませんでした😢









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