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「非合格判定入試方式」を設けるべきこれだけの理由

非合格判定入試方式を各大学、特に人気のある大学は設けるべきだと考えています。なんじゃそりゃ?というわけですが、書いて字のとおり、合格判定を実施しない入試です。
受験料を支払うし(5000円ぐらい割り引いてあげてもいいと思うが)、正規の場所で受験させるし、時間配分も科目も配点も同じだし、異なることは合格判定にその受験生を含まないことだけです。そして、その受験生が合格点に達していた場合、合格証などは送付しますが入学手続きは行えません。
なんだそりゃ、そんなことやって何の意味があるんだ? お前の趣味受験のためだけじゃないのか?というご批判がありそうですが、案外そうでもないことに気づきました。

1 練習受験
特に中学受験では盛んですが、1月受験といって、本命の2月上旬の練習として埼玉県や千葉県の1月に行われる試験を受験しに行きます。極端な例では受かっても行かない灘中学校を受験するケースがありますがこれは練習ではないですね(笑)。埼玉の某中学校では練習受験を見越して大規模な会場を予約して万全の体制で迎えているとのことです。
いきなり本番を迎えるのは誰だって大変ですので、練習受験で温めていくのが通例です。東大や早慶ならその前の日程にMARCHがあるからいいですが、日東駒専あたりだと2月上旬から試験が始まるので、ここが本命の人は厳しいですね。日大のN方式などは2月1日です。
ここで提案ですが、一般入試は原則2月1日以降としながらも、慣例で医歯薬学部だけは面接など日程が複数に及びがちなことから1月からの入試を行っています。定員確保が難しい歯学部や薬学部などは、せめて受験生だけでも集めるために非合格判定入試方式を設けてみてはいかがでしょうか。

2 趣味受験
私のようなタイプもそうですが、既に東大理三に合格しながら東大理三最高点が欲しい人(この場合は面接辞退すれば枠に影響しない)、東大には合格したけど早慶に実は不合格になっていて恥ずかしいので翌年にコンプリート目的で受かっておきたい人など、受験の理由は十人十色です。
東大はともかく私大一般入試なんて1点に何十人もいますし、入学手続者が足りなければ補欠合格を出します。しかし、いまだに現在の大学入試のシステムを知らないお年寄り(真っ先に母親の顔が思い浮かんだ)や、大学に通ったことのない方が「あなたが受かったせいで1人が落ちて」みたいな無知な発言をするので、誤解の解消のためにも非合格判定入試方式を設けてみてはいかがでしょうか。

8番みたいな発言をするような人のことですね(笑)

3 就職採用時の学力証明
オンライン塾でYouTubeでも盛んに動画を出している個別指導塾CASTDICEでは講師のみならず運営スタッフも「上位国立大学、早慶上理、GMARCH卒業者、またはこれらに相当する学力を有する方」と記載があります。私の出身大学では条件を満たさないため、今年の法政大学の合格証明書を持っていって学力の担保を証明するなどというケースも考えられます。
同じくYouTubeで活躍されている武田塾の高田史拓先生も京都大学中退でありながら塾の教務を担当しているように、塾・予備校業界では大学卒業歴ではなく大学合格歴がものさしとなるケースがよくあります。

個別指導塾CASTDICE採用情報ウェブサイトより


4 資格試験の科目免除
上記以外の理由として、大学入試が資格試験に使われている(使われていた)ことをご存じでしょうか。

通訳案内士試験は語学のほか、日本歴史、一般常識という科目があり、この免除対象として、日本歴史はセンター試験の日本史B60点以上、一般常識は現代社会80点以上を要件としています(センター試験と書いているように共通テストは対象ではありません)。すなわち、大学入試を入学者選抜以外の目的に使用している実績を有するわけです。当然、免除申請目的のために受験している人は大学の合否は必要ありません。
この例はセンター試験でしたが、たとえば、今後、企業でしっかりと難しめの筆記試験を行いたい場合などの代用、人気が下がっていくであろう公務員試験の免除科目申請など、あらゆる場面で大学入試というリソースを使用していくことは、大学にとっても企業や官公庁にとっても有益ではないでしょうか。そのためにも、非合格判定入試方式は有効な手段です。

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