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近年の高校生クイズが好きになれない理由

高校生クイズとは日本テレビで放映されている番組のことで説明は不要ですね。近年の高校生クイズがそこまで好きになれない理由を記していきます。理由の根本は8月下旬に書いた高校野球と同じような理由かもしれません。

私自身はクイズが大好きで、1990年代にはTBSの「史上最強のクイズ王決定戦」、フジテレビの「FNS1億2000万人のクイズ王決定戦」に中学生ながら参戦したことがあります。西村さん、永田さん、能勢さんなど、90年代のクイズ好きであれば誰でも知っている大人が相手でしたのでそこまでは勝ち上がれませんでしたが、立派にクイズフリークでした。
日本テレビの「アメリカ横断ウルトラクイズ」は成人したら当然出場するつもりでいましたが、出場資格を得る前に番組がなくなってしまい、夢は叶いませんでした。

この話題の概略はWikipediaが一番よくまとまっています

このアメリカ横断ウルトラクイズの高校生版が、高校生クイズの始まりと言われています。「知力・体力・時の運」をモットーとしたクイズは、TBSやフジとはまた異なる、エンタメ的要素の強いクイズ番組で、驚異的な視聴率を誇っていました。
高校生クイズは当時、同一高校任意の3人組で、ガチ勢から夏の思い出作りまで、多様な高校生が集まってワイワイ予選をしていたのを覚えています。終盤まで勝ち上がる高校も、意外と無名な高校や進学校ではない高校も多く、「私たちでもいけるかも!?」と思わせるワクワク感がありました。

2008年からは、Wikipediaにあるように「知力の甲子園」と銘打っておよそ一般的でない超難問を集めた知力重視のクイズ大会が繰り広げられるようになりました。
難問のクイズ大会はそれはそれで面白いので私は個人的に好きなのですが、気に食わない点がいくつかあります。

日テレはたまに行うのですが、同じ番組名を引き継ぎながら、内容を大きく変えてしまう方法です。たとえば「マジカル頭脳パワー」は初期は事件の推理や、番組が用意した答えより優れた解答に多くの得点を与えるなど、ちょっとしたインテリに受けのいい番組でしたが、後半はマジカルバナナみたいなゲーム的なものが主体になりました。
つまり、従前の高校生クイズとスタンスを異にするわけですから、番組名を一新してそれこそ「知力の甲子園」とでもすればよかったのです(私個人は甲子園は単なる地域名なので高校生の頂上決戦的なものに使われるのは大嫌いですが。科学の甲子園も同様です)。

あとは、これに乗じて高校野球や箱根駅伝のごとく、高校側が宣伝用に当該番組を利用するさまが見受けられ、高校のクイズ研究会が雨後の筍のように立ち上がり「高校生の競技クイズ」というジャンルが確立してしまったことです。
その時代に高校生になった人は当たり前に存在するものとしていますが、言ってしまえば大人の都合で作られし存在です。
そして、ライトに楽しくクイズをやろうという文化は消えて、スポーツで言えば、野球部か全くやらないかという差ができて、その中間のフリーク的な存在の活躍の場もなくなりました。大学でいう、テニス部と無関係者の中間にあるテニスサークル的なものは高校生ではなかなか作れません。

結果は皆さんご存じの通り、進学校のしかもクイズ研究会を持つ高校が毎年のように名を連ねて、東大合格数上位校のように顔ぶれが変わらない(意外性もある高校野球以上に不変な)状況になってしまいました。
もちろん高校生に非は一切ないのですが、日テレの方針と、高校の広報戦略に乗っかって意図的に作られた高校クイズ文化というものが、どうも受け入れられないでいます。
X(Twitter)のフォロワーには近年のクイズ民もいるので、このnoteを書くのはいささか躊躇しましたが、私の率直な想いだったりします。

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