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修士の学位取り消しニュースについて

ウェブ上でこのようなお知らせを発見しました。

【要点を箇条書き】
・修士論文である(一般に修士課程は研究者とはみなされない)
・30年前の論文である(告発の基準は10年以内)
・当時はインターネットもなく盗用・剽窃の倫理教育はほぼなされていなかった
・故意であるとの断定はできなかった
・修士論文をもとに書籍を刊行していた(利益を得ていた)
・上記を総合的に鑑み、修士の学位を取り消した

これで修士の学位は取り消しだとすると、この世の修士は相当数アウトなのではと感じました。着想を得て似たようなものを告発されてもアウト、引用文献書き忘れもアウト、本来民間での書籍発行は大学と無関係なのに結び付けられたらアウト。
もちろん、報告書に書かれていない水面下での調査、聴き取り、交渉などがあったかもしれないことは想像できます。

素人駆け出し研究者の卵である修士論文の失態なんて半分は指導教員(=大学)の責任ですから、大学にとっても都合がよくない話です。しかもデータの捏造等ではないので失念を理由に済みそうな内容にも読み取れます。
著書にして儲けを得ていたこと、著作を読んだことがないのに一般論で恐縮ですが、人文科学の書籍はメチャクチャベストセラーにはなりませんので、そこまで莫大な利益でもないのかなと推察しています。
謝罪広告を掲載する、増版の際は記載を変える、利益のうちn割を渡すなどの手打ち交渉は行ったのでしょうかね。行った上で決裂して、もう学位を取り消すしか方法がなかったのかなど、報告書が簡潔なだけに行間を勝手に補いたくなりますが、いずれにしてもこのレベルで剥奪だと、うっかりミスをしていないか不安になってきますね。

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