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Bリーグクラブの決算書を読み解く ~⑩富山グラウジーズ編

2021年、17本目のnoteです。

本日は表題の通り、
B1クラブである富山グラウジーズの決算資料を読み解きながら、野球の球団運営に関わった私なりの考察を交えた記事をお送りいたします。

(とは言いつつ財務の知識はほとんどありません。詳細が不明な部分については想像を膨らませておりますのでその点ご容赦くださいませ)

Bリーグ各クラブの2019-2020シーズン決算資料については、リーグ及び各クラブがホームページで発表していますのでそちらを参考にしております!

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(参考資料)

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1、来場の大幅な落ち込みによる赤字の広がり

まずは損益計算書の概要から見ていきます。

約5億3000万円の営業収入に対して、5億9000万円超の営業支出。諸々の差引があり、当期純利益は7000万円を超えるマイナスとなりました。

営業収入の内訳としては、特に入場料収入が大きく落ち込みました。
(前年の1億6000万円から1億1000万円と30%以上減)

しかしながらスクール事業の伸び、(後述する)物販の伸びにより、営業収入全体としては前年とほぼ同水準となりました。

収入面は横ばいだったものの、トップチーム人件費や試合運営経費といった支出面が増額した分、営業支出は前年を大きく上回り、結果として7000万円の赤字となってしまった形です。

一般的に来場者数と物販収入は相関する傾向にあります。
しかし、来場者数と物販収入が逆相関した当クラブの例は非常に興味深いパターンなので次章でこのあたりを詳しく見てみます。

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2、物販の大きな巻き返し

前年の物販収入は3000万円程度でしたが、今回発表された資料によると5000万円を超えており、前年比170%となっております。

入場料収入が70%となった中で、物販が170%になるという偉業を達成したわけですが、その理由を探るべくクラブ公式オンラインショップを覗いてきました。

オンラインストアを見る限りは、品ぞろえがものすごく豊富というわけでもなく、特段おしゃれというわけでもなかったので、この物販の伸びは疑問ではありました。

私の想像としては、
①試合会場ではオンラインには無い豊富な(オシャレな)品ぞろえがある
②会場での飲食事業にインパクトのある進化
③(今はもう掲載されていない)期間限定でバズった商品がある
④試合日以外にオフラインで買える場がある

といったものが考えられます。

①に関しては、後述する現地観戦時の記憶から。
④に関しては、想像ではなくこちらのツイートからです ↓


もし、この記事を読んでいただいている富山ブースターがいらっしゃいましたら、このあたりの真偽について優しく教えていただけますと幸いです…!

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3、現地での観戦経験から

実はちょうど1年前の2020年2月に一度現地観戦をしております。

当時からBリーグの持つ高いポテンシャル、アリーナ演出には注目しており、球団広報としての勉強として富山市総合体育館に足を運びました。

B1クラブの試合観戦は初でしたが、たしかこの日は3000人を超える来場者であり、非常に盛り上がっていたことが印象的でした。

(刺激を受けまくっております)

また、グッズに関してもこんな感じで偉そうに考察していました。


福井県でのスポーツチームに関わっていたものとして、
「同じ北陸3県の富山でこれほどの熱狂を作れているのか…」とワクワクした記憶があります。

今季に関してはコロナにより一時的に大きく来場者数を落としましたが、チームの強さや現在の地域での熱量を考えると、これからも北陸を代表するBクラブとして盛り上がっていくことと思います。

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4、まとめ

福井県にはBリーグクラブが無く(設立の動きは出ていますが)、石川県はB3として活動している中で、B1リーグとして事業を回している当クラブは、福井・石川をはじめとした地方都市を本拠地として活動するクラブが追随すべきモデルと言えます。

多くの地場企業とのパートナーシップや、物販収入を引き続き伸ばしていきながら、入場料収入を回復させていくことで黒字へ転換していくというストーリーを今後も注目していきたいです。

最後に富山の思い出として、
・富山市内中心部のコンパクトシティぶりはお見事だった(地方創生系の本でもよく紹介されている事例)
・福井から富山に車で向かっているときの立山連峰の雪がめっちゃ綺麗だった
・食は堪能できていないのでまた行くしかない


以上です。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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